この星の格闘技を追いかける

【ONE96】江藤公洋と対戦、セクハラ王子パク・デソン「強くなっている江藤選手と戦うことは楽しみ」

Park Dae Sung【写真】そのやらかし具合が、試合での爆発力に結びついているのか(C)MMAPLANET

明日12日(金・現地時間)にマレーシアはクアラルンプールのアシアタ・アリーナでONE96「Masters of Destiny」が開催され、パク・デソンが江藤公洋と対戦する。

ROAD FC時代に勝利の余韻に浸る余りに、嫌がるラウンドガールを抱き寄せたことでセクハラ王子という異名がついたパク・デソンは、どん底に落ちたMMAファイター人生でONEウォリアー・シリーズのトライアウトで、再び栄光へのトラックに戻ることができた。

そのウォリアー・シリーズで江藤を破っているパク・デソンがロードFC後から今、そしてこれからのMMAをファイター人センチと母国のMMAの現状について話した。


──パク・デソン選手は日本では、あのラウンドガールとの一連の騒動でセクハラ王子の名で注目され、その実力もファンに知られています。

「アレは僕の失敗です。何も言い訳はできません。僕がもう少し男前だったら、誰も何も言わなかったと思います。でも、この顔だから(苦笑)」

──なんと自虐的な(笑)。日本ではシリアスに捉えていられないです。ところでなぜ母国を離れ、ウォリアー・シリーズを経てONEに参戦したのでしょうか。

「ロードFCとの契約は終了しました。ロードFCは契約の更新を求めてくれましたが、このままでは食べていけないので長い間トレーニングからも離れていました。何もせず、ただ遊び惚けているような状態で。そんな時にONEウォリアー・シリーズのトライアウトの情報を知りました。総額10万ドルの契約内容を読み、またモチベーションがわいてきたんです。これで僕の人生は変わると」

──そこまでモチベーションを失ったのは、生活ができなかったからですか。

「ロードFCでは100万ドル・ライト級トーナメントが開かれました。それまでずっと好きだからMMAを戦ってきました。お金の問題ではなかったです。でも、僕も人間で……100万ドルという額が眼前に散らつくと、練習も生活も全てが100万ドルを獲得するために変わっていきました。

そして下石康太選手に敗れ、ギリギリまで頑張っていたので、夢破れてからは急降下でした。これも、全て自分の責任です」

──ウォリアー・シリーズのセレクションがなければMMAをから引退していましたか。

「いえ、そんなことはなかったと思います。ウォリアー・シリーズがなくても、どこかで戦うようになっていたはずです。休憩はしても、辞めることはなかったです。体に限界に来るまで、戦い続けます」

──ところで金曜日の夜は日本の江藤公洋選手と戦います。去年の3月に完勝している相手ですが、なぜもう一度戦う必要があるのかと疑問に思うことはなかったですか。

「1年間、試合から離れていたことがあって、試合に飢えていました。だから誰とでも戦います。今、江藤選手は3連勝中です。マーシャルアーチストとして、強くなっている江藤選手と戦うことは楽しみです。江藤選手はグラウンドが強いファイターなので、きっと面白い試合になります」

──江藤選手にとってはリベンジに燃えることができる試合です。対してパク・デソン選手にはゲインがないと考えることもできます。

「僕はこれまで試合のオファーを断ったことは一度もありません。いえ、ロードFC時代に試合に勝った3、4日後にすぐにオファーがあった時は、何度も70キロまで落とせないので断ったことがありました。その時だけです。それ以外で試合のオファーは断ることはなかったです。

僕のことを尊重してくれて、ファイトマネーも多いONEからのオファーなので、何も余計なことを考えることなくイエスと答えました」

──さきほど減量の話が出ましたが、ONEの計量方法をどのように思っていますか。

「この計量方法は大好きです。少しでも長く現役生活を送りたいので、このシステムがその助けになってくれます。そしてONEでチャンピオンになることが今のゴールです。

韓国のMMAでハードな減量が横行しているのは、韓国のMMA界ではサイズが一番重要だと思われているからです。コーチは減量をするように指導します。韓国のコーチはパワーがあれば勝てると思っているんです。その結果、選手たちはとんでもない減量を経験することになります。

だから僕の友人たちはMMAを離れていきました。過酷な減量が影響して、1R戦うだけでスタミナが切れて戦えなくなるような状態だったんです」

──選手の意志ではなかったのですね。ところで12月20日にソウルでONEが開催されます。それはUFCプサン大会の前日です。

「素晴らしい事です。今、韓国のMMAは下降傾向にあります。スターも減り、試合数も減りました。ONEが韓国で大会を開くことで、韓国人ファイターはUFCだけがビッグオーガナイゼーションでないことを知り、よりモチベーションを得ることになると思います。それこそが韓国のMMAを後押しするはずです」

──では金曜日の試合、日本のファンにどのような試合を見せたいですか。

「きっと日本人の江藤選手と戦う僕のことを、日本のファンは嫌っているでしょう」

──そんなことはないですよ。ロードFCでも日本人選手がブーイングを受けることはなかったように。MMA界に政治や歴史が影響した日韓関係はないです。

「そうですか。確かにミノワマンがロードFCで戦った時、皆が声援を送っていましたね」

──では最後の質問です。試合に勝った時はラウンドガールとの写真はどうしますか。

「僕は1人でONEポーズをとるだけです(笑)」

PR
PR

関連記事

Movie