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【DEEP90】3年4カ月振りのMMA、オーロラ☆ユーキ戦に向け。小見川道大─01─「過酷だからこそ、浪漫」

Michihiro Omigawa【写真】バキバキボディ。仕上がり具合は、まさにビンビン (C)MMAPLANET

29日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP 90 IMPACTで実に3年4カ月振りにMMAを戦う小見川道大。

オーロラ☆ユーキとの一戦を控えた43歳の小見川パイセンにインタビューを試みると、年齢を超越して進化していることが明らかとなった。


──3年4カ月振り、WSOF-GCのテディ・バイオレット戦以来のMMAでの試合となります。

「あのきつかった試合以来ですね」

──ここにきて再びMMAを戦おうと思ったのはなぜなのでしょうか。

「そうス……ね。まだ、体力的にもできます。できるというか、今やっておかないと損をする。今のうちにやっておかないといけないと思いました」

──この間、巌流島の道着を着たMMAとは一線を画した試合やQuintetでグラップリングの試合には出ていました。

「ハイ、どうしても道場で指導をしていると、MMAをやるだけの練習時間が取れなかったです。自分がMMAでやれるというだけの練習ができなかった。それと巌流島に関しては、色々な格闘技に挑戦したいというのもありました」

──道着有りの総合的なルールは、小見川選手は楽しそうでした。

「道着があると楽しかったですね。勝手が分かるというか、柔道にフィットした感じで戦えましたね。ただ柔道からMMAに転向して、一番最初がPRIDE武士道に出て……練習期間は2カ月で出て。一番過酷なのがMMAであると思っています。

過酷だからこそ、浪漫があって(笑)。それこそ何でもありで、MMAは僕のなかで浪漫なんです。だからこそ、このまま年を重ねていくんだから、ここで戦っておかないといけないという気持ちは凄くあったんです。

正直に話すと、道場経営をやっていて家族を食わせていくにはより経済的に豊かになりたいという気持ちもありました。そんな自分の気持ちを受けいれてくれたDEEPの佐伯代表には感謝の気持ちでいっぱいです」

──MMAで戦ううえでDEEPにプライオリティがあったのですか。

「これもぶっちゃけていうと、一番条件的に良いモノを出してくれたのが佐伯さんでした。もちろん、自分はUFCや戦極、DREAMで戦う間にもお世話になっていたのがDEEPですし、そこでまたやろうという気持ちも大きかったです」

──指導しながらだと、MMAで試合をするだけの練習ができないという点に関しては解決できましたか。

「やるしかないです。そこは、もうやるしかなかいですから。ただ、最初はきつかったですね。4月の終わりぐらいから本格的に試合のために練習をするようになったのですが、去年は1年間クインテットでグラップリングをやっていたので、下になっても構わないという習慣がついてしまっていたみたいで。そこも徐々に修正して、今はもう良い感じです(笑)」

──修正するのにどれぐらい時間は掛かりましたか。

「3週間ほどはきつかったです。MMAの間隔を取り戻すためにMMAの練習ばかりをやっていました。それでも勝手が違って……。そうですね、3週間ぐらいで取り戻すことができたと思います」

──試合のための練習はグランドスラム中心ですか。

「そうですね。それとUFCに出ていた時と同じような強度でHALEOでフィジカルをやり、インターバル走だとかボクシングをやってきました。ボクシングは角海宝石ジムでランカーの人とスパーをやらせてもらって、殴られながら取り戻していったというのはあります(笑)」

──HALEOでフィジカルがあの時のようにできるなら、本当に体力的には問題ないですね。

「グラップリングの時と比べて、フィジカルの強度は違いますし、走ることはやってきてなかったので……もう本当にゲロ塗れですよ(笑)」

──ゲロで良かったです、ウ〇コでなくて(笑)。

「ゲロだらけで、ウ〇コも出そうでしたよね。アハハハハ。それなのに勝手に体が絞れてきて。特に減量をしているという感じでもないのに勝手に体重が落ちて、絞れてきています。そうなると、感覚も戻ってきて。なんか、嬉しいんですよね。今は凄く気持ち良いです。

やっぱり練習していても面白いです。基本、自己中で自分が格好良いと思ってやっているので。試合にしても、自分に酔いしれて戦っています。だから、MMAをやっていなかった、良くなかった自分と比べると、良い感じになってきています(笑)。

練習していても、本当に最初はきつかったんですよ。でも自分を信じて、絶対に戻ると思ってやってきました」

──その分、不安もあったのではないですか。

「最初はもう不安だらけでした。本当に大丈夫かっていうぐらい。前は壁に押し込んで、普通に倒せていたのが──皆がもう受け止めて、反応してくる。もちろん、練習仲間も強くなっているんですけど、余りも受け止められるので、『アレ? 俺、こんなんなのか?』って。

でも、ちゃんと倒せるようになりました!!」

──えらいドヤ顔ですが、どこか間が抜けていますよ(爆)。

「アハハハハ。勘弁してくださいよ」

──もう、心身ともに仕上がり的も十分ですね。

「ハイ。楽しみです」

──アレっ? 「ビンビンですっ!!」ではないのですか!

「ビンビンはビンビンなんですけど、最近は……もう、そこも越えたんですよ」

<この項、続く

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