この星の格闘技を追いかける

【UFN154】寝技に持ち込まれ、これまで見えなかった課題が露呈。朱里がヨーダに完敗も──

<女子ストロー級/5分3R>
アシュリー・ヨーダ(米国)
Def.3-0:30-24.30-25.30-26
近藤朱里(日本)

サウスポーのヨーダが左ミドルを2発見せ、右フックへ。朱里は右ミドルを返す。ヨーダは首相撲からシングルレッグに移行し、テイクダウンに成功する。パスから右エルボーを2発落としたヨーダは、朱里の頭を跨いでアームロックへ。再び左エルボーを連打したヨーダに対し、朱里は背中を向けてしまいワンフックでバックを許す。朱里は上を向くと、またも左エルボーを落とされる。エルボーの連打にも足を戻した朱里は蹴り上げを見せたが、足を捌かれてパスを許す。

サイドで抑えられパンチ、ヒジ打ちを被弾した朱里が背中を見せて立ち上がろうとする。ヨーダはワンフックで上を向き、RNCの機会を伺う。手首を掴んで胸を合わせにいった朱里についていったヨーダが、パンチを後方からまとめる。腕十字に移行したヨーダ、朱里はヒジを引いて防御したがエルボーを連打され、10-8でもおかしくない初回を耐えきった。

2R、ヨーダの攻撃の割には、それほど大きな傷もない朱里がローにジャブ、右フックを入れようとする。首相撲を押し込まれた朱里は、ここもシングルに取られるが足を抜いて離れることに成功する。朱里の前進を前蹴りで阻み、組んでいったヨーダ。朱里はパンチを入れて離れ、シングルに倒されてもケージを使って体をおこしパンチを打っていく。

ヨーダは上体をあげて起き上りつつバックに回り、ワンフックで寝技に持ち込む。朱里はワキをすくわれたままで起き上ることができない。ヨーダは襷からRNCを仕掛けていく。腰をずらした朱里だが、ヨーダも起き上ってスクランブルを許さず、すぐにバックに取る。ワンフック、後方からのパンチで朱里を攻めるヨーダ。朱里は背中を取り続けられたが、この回も腕十字を逃げて時間まで耐えきった。

最終回、ボディから左を見せた朱里。ヨーダはここも首相撲からシングルに出る。朱里はギロチンに捕らえるも、ヨーダが自らマットに背中をつけてリバーサルに成功する。この局面で動けない朱里は、またも背中を取られる。上を向いたところでマウントを取られた朱里は、背中を見せて両足をフックされた状態で殴られる。背中を一瞬伸ばされた朱里は、バックマウントからパンチを纏められる。上を向き、RNCを狙うヨーダ。四の字フックに捕らえられた朱里は胸を合わすことができない。

これまでのキャリアで、ここまで寝技で攻められたことがなかった朱里。つまりは日本の女子MMAでは彼女をこの状態を追い込むことがなかったということ。それでも体力と精神力で最後まで耐えきった朱里だが、30-24をつけるジャッジもおり3-0で敗れた──からこそ、フィジカルとメンタルの強さに打撃だけでなく、MMAの技術を身に着けて戦い続けて欲しい。


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