【PFL2019#03】石井慧の第2戦の相手はNCAA D-1オールアメリカン3度のジャレット・ロショルトに
【写真】この一戦で10月に開催されるプレーオフ進出を決めることができるか (C)PFL
20日(木・現地時間)、PFLより8月8日(木・同)にニュージャージー州アトランティックシティのオーシャンカジノ・リゾートで開催されるPFL2019#06の対戦カードが発表された。
ヘビー級とライトヘビー級の2巡目となる同大会。6日のPFL2019#03でジク・トゥイネイワイリーから判定勝ちを収め、3ポイントでヘビー級ランク6位につけている石井慧は、ジェイク・ロショルトと対戦することが決まった。
ロショルトは初戦でデニス・ゴロソフに左フックを被弾し、2分03秒でKO負けを喫しているが、2カ月間のインターバルがあるということで2試合目に臨むことが可能になった。とはいえKO負けをしたファイターだ。本来は十分な休息が必要で、減量が必要ないヘビー級とはいえ準備期間という部分でロショルトはディスアドバンテージ……つまり石井がコンディショニング的に優位に立つことは明らかだ。
このような状況でロショルトが採るべき手段は、自らの戦いをすること。それはフォークスタイルをベースとした、グラウンドコントロール重視の試合を意味する。NCAAを3度制覇した実兄ジェイク・ロショルトには及ばないが、このジャレット・ロショルトもオクラホマ州立大時代に3度のD-1オールアメリカン・レスラーに輝いている。兄の後を追いMMAに転じたロショルトは、キャリア8勝1敗でUFCと契約した後もオクタゴンで3連勝と上々のスタートを切っていた。しかし、そのグラウンドコントロール中心のファイトは、ズッファ首脳から気に入られるわけもなく、6勝2敗と結果を残しながらリリースの憂き目にあった。
その後WSOFを経てPFLに参戦もUFC時代のトラウマか、フィニッシュ勝利優先のPFLのレギュレーションの影響か、2018年シーズンの準決勝、先のゴロソフ戦と打撃戦に挑み逆にパンチを被弾し敗れるという悪循環に陥っている。ただし、今回の石井との試合はワンデー・トーナメントのプレーオフでも、スタートダッシュを狙うレギュラーシーズン初戦でもない。負けるとプレーオフ進出が消える第2戦、ロショルトが狙うのはただの3点──とにかく最低でも勝利が必要というファイトを展開してくるはずだ。
こうなった時のロショルトは厄介だ。もちろん、石井は柔道五輪金メダリストで柔術のたしなみもある。横四方から腕絡みで寝技を組み立てることは、MMAであっても可能だ。ただしノーギ・グラップリングのコントロール術、逃して抑えるという腕はロショルトが石井を上回る。
石井が絶対の自信を見せるケージレスリングの攻防でも、ここはロショルトに分があると考えた方が無難だろう。それでも、MMAには打撃がある。ここでいう石井に有利に働く打撃とは、決して中間距離のキックボクシングではない。中間距離でいえば左ミドル、左のボディキックはダメージを与えることが可能だが、掴まれてテイクダウンを許す可能性もあるので、使いどころの判断は簡単ではない。
対して、確実に訪れるのが組みのなかでのダーティーボクシングといえよう。今や石井は中間&遠距離での打撃の成長に伴い、このゼロ距離でのパンチを十分に使いこなせるようになっている。組んでテイクダウン、あるいはスクランブルからバックコントロールというロショルトのコントール地獄に打ち勝つには、組みの打撃を石井が使いこなすか。ここでいち早くプレーオフを決めるか、最終戦を待つことになるのかの分かれ目になる。