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【WJJC2019】万全のレプリに如何に挑むのか、リーヴァイ・ジョーンズレアリー。そしてメガトン参戦

Lepri【写真】ヨーロピアンの屈辱を絶対王者は跳ね返すことができるか(C)SATOSHI NARITA

5月29日(水・現地時間)から6月2日(日・現地時間)にかけて、米国カリフォルニア州ロングビーチのカリフォルニア大ロングビーチ校内ピラミッドにて、IBJJF主催のブラジリアン柔術世界選手権が行われる。プレビュー第4回は絶対王者ルーカス・レプリを脅かす超新星の登場、そして96年の第1回世界大会準優勝、現在51歳の超人の出場が注目のライト級の見所をお届けしたい。

この階級の優勝候補は言わずと知れた絶対王者、世界5度の優勝でクローズアウトを挟んで4連覇中のルーカス・レプリ(アリアンシ)だ。相手を力でねじ伏せるのではなく、極めた技術で圧倒する達人は、立ち技で世界の強豪たちに遅れを取らず、上からは圧巻のニースライド・パスで攻め立て、下になっても鉄壁のガードを駆使し、さらに各種の極めのキレも抜群というまさにコンプリートファイターだ。

(C)IBJJF

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しかし今年1月のヨーロピアンにて、この完全無欠の絶対王者を正面から打ち破る同階級の超新星が登場した。その名はリーヴァイ・ジョーンズレアリー。ユニティ柔術で練習を積むオーストラリア出身の22歳だ。

決勝でレプリに挑んだこの驚異の若者は、強力なデラヒーバガードから凄まじいキレの回転系スイープを繰り出しては、レプリが必殺のニースライス・パスの仕掛けを作ろうとするたびに即座に対処し、互角以上に渡り合ってみせた。最後のレフェリー判定こそ2-1だったものの、完勝と言える内容で絶対王者越えを果たし、世界を震撼させたのだった。

続くパン大会でも。昨年世界準優勝のヘナート・カヌートとのスイープ合戦を制して優勝したジョーンズレアリー。黒帯一年目にしてグランドスラム達成という驚異的な快挙もあるかと思われたが、ワールドプロではイギリスのオリヴァー・ロヴェルのヒザ十字に不覚の敗戦。
ブラジレイロはパスして、今回世界大会に挑む。ヨーロピアンのレプリ戦は完勝だったとはいえ、レプリが前日の無差別級での大活躍により試合前から消耗していたという事実もある。今回両雄の一騎打ちが再び実現するとしたら決勝戦。レプリのパスガードとジョーンズエアリーのベリンボロという、現在世界最高の二つの技術が再び正面からぶつかり合う大注目の決戦となる。

Renato Canutoこの両雄に迫る優勝候補が、昨年準優勝の腕十字の名手ヘナート・カヌート(チェックマット)だ。17日に青木真也を破ったクリスチャン・リーのグラップリングの練習パートナーを務めたカヌートは昨年の世界大会決勝ではレプリに、今年のパン大会決勝ではジョーンズレアリーに敗れているだけに、期するものは大きいだろう。

そのカヌートにとって最初の大きな関門は、おそらく準々決勝で当たるマイケル・ランギ(アリアンシ)だ。レプリの盟友にして4度世界王者に輝いているスパイダーガードの名手と、カヌートの対戦の勝者が準決勝でジョーンズレアリーと激突する可能性が高そうだ。

さらにこの階級には、ヴィクトー・シルヴェリオ(グレイシー・バッハ)らの有力選手も出場する。が、レプリの数少ないライバルといえるJTトレス、準優勝のホベルト・サトシ・ソウザ、一昨年準優勝の北欧の新星エスペン・マティエセン、そのマティエセンの同僚にして、ワールドプロでは減量してこの階級に参加した極め技師トミー・ランガカー、日本の岩崎正寛、米国のエドゥウィン・ナジミらの名前がない点、今年は例年に比べると超強豪の参加はやや少ないとも言える。

その中で特筆すべきは、なんと現在51歳のメガトンことウェリントン・ディアス(グレイシー・ウマイタ)の出場。第1回となる96年の世界大会準優勝の実績を持つディアスは、なんとそれから25年後となる今年、17度目の黒帯での世界最高峰の舞台を迎える。一回戦の相手は優勝候補のカヌート。09年のヨーロピアンで準優勝、10年にも3位入賞している鉄人が、現役の世界トップに対してどのような戦いを見せてくれるのか、刮目して見たい。

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