【ACA95】序盤優勢はアブドゥラエフも、3R以降はパンチを被弾しなかったトゥメノフがベルト巻く
<ACAウェルター級王座決定戦/5分5R>
アルベルト・トゥメノフ(ロシア)
Def.Unanimoous Decision
ムラッド・アブドゥラエフ(ロシア)
WFCA王者アブドゥラエフと、ACB王者トゥメノフとACAミドル級王座を賭けて戦うロシア対決。鋭い左ローを蹴るアブドゥラエフに対し、トゥメノフが右ローを返す。アブドゥラエフが右ローの直後に左フックを当て、ローに右を合わせる。さらに左リードフック、右ローを入れ序盤をやや優勢に進める。
トゥメノフはシングルレッグに出ると、アブドゥラエフがギロチンから引き込む。頭を抜いたトゥメノフが、右のパウンドを落とす。スイープ狙いにマウントを取ったトゥメノフだが、アブドゥラエフが直後にブリッジからスクランブルに持ち込んでスタンドに戻る。スピードの乗った後ろ回し蹴り、続く右オーバーハンドと共に空振りになったアブドゥラエフだが、ローに右フックを合わせ後ろ回し蹴りが距離を詰めてパンチをまとめようとしたところで初回が終わった。
2R、ムラッド・チャントの中、アブドゥラエフが左フックをヒット。トゥメノフもローを入れるが、互いに慎重になり手数が初回より少なくなる。アブドゥラエフは右フック&右ローのコンビネーションを繰り出し、トゥメノフが左ボディフックを打ち込む。ローからのパンチが非常に速いアブドゥラエフは、左ミドルにも左フックを合わせる。ワンツーを被弾したトゥメノフが、ここでアイポークをおかし試合が中断する。
再開後、トゥメノフがフック、ボディストレート、ボディフックと左のパンチを上下に打ち分ける。アブドゥラエフは切れのある左ロー、空振りになったカカト落としの直後に左右のフックを狙う。トゥメノフはテイクダウン狙いを切られ、後ろ回し蹴りを受けそうになったところで2Rが終了した。
3R、アブドゥラエフが左ロー、トゥメノフが右フックを当てる。左ボディフックを多用するトゥメノフに対し、アブドゥラエフが左ジャブ、そしてワンツーで左フックを届かせる。アブドゥラエフは勢いのあるパンチを見せるが、空振りも多い。逆にパンチの精度が上がってきたトゥメノフは蹴りも当たるようになってきた。終盤、アブドゥラエフが蹴り足をキャッチしてテイクダウンを奪ったが、この回は王者が取り返したか。
4R、左フック、左ジャブと前手の攻撃がアブドゥラエフを捕らえるトゥメノフ。打っては離れ、元の位置にいないことで自らはアブドゥラエフの攻撃を受けない。右フックをテンプル、左ジャブをチンに入れるように、トゥメノフの攻撃ばかりが当たるようになってきた。アブドゥラエフはパンチ、スピニングバックキックも空振りになってしまう。トゥメノフの左ハイはヒザ蹴りのような形でアブドゥラエフの顔面をかすめる。ジャブで前進を止められるアブドゥラエフはカカト落とし、後ろ回し蹴りも空を切る。そして右を被弾しバランスを崩したアブドゥラエフに対し、トゥメノフはダブルレッグを終了間際に決めるなど明確にリードしたラウンドとなった。
最終回、勝負の5分間はトゥメノフの左ジャブが当たる。アブドゥラエフは踏み込んで左フックがようやく当たる。トゥメノフも手数が減ったなか、アブドゥラエフがミドル、ローと蹴りを入れる。キックが届くならパンチの距離感も掴めてきたか、アブドゥラエフがフックをヒットさせる。慎重に攻めるトゥメノフだが、ローにフックを合わされる。足を使うトゥメノフはが、残り30秒でダブルレッグへ。アブドゥラエフがギロチンの形で頭を抱えるも、この絞めは極まりそうにない。そのままトゥメノフを抱えたままアブドゥラエフはタイムアップを迎えた。
3Rからアブドゥラエフが失速、ここからトゥメノフが盛り返したが、果たしてジャッジの結果は──トゥメノフが判定勝ちを手にACAミドル級王座に輝いた。