【UFC236】暫定ミドル級王座決定戦。制空権を制すアデサニャに対し、ガステラムはステルス能力が不可欠
【写真】アンデウソンとの清らかな戦いを制したアデサニャが、荒ぶる戦闘本能下でガステラムと暫定世界ミドル級王座決定戦を戦う(C)Zuffa LLC/Getty Images
13日(土・現地時間)、ジョージア州アトランタのステートファーム・アリーナでUFC236「Holloway vs Poirier2」が開催される。米国内においてテレビ中継ではなく、ESPN+で配信される初のPPV大会のメインは暫定世界ライト級王座決定戦=マックス・ホロウェイ✖ダスティン・ポイエー戦だ。そして今大会ではセミにも暫定世界決定戦が並んでいる。
それがケルヴィン・ガステラムとイスラエル・アデサニャの相手で争われる暫定ミドル級王座決定戦だ。ガステラムは2月のUFC234でロバート・ウィティカ―の持つ世界ミドル級王座に挑戦予定だったが、チャンピオンが腹壁ヘルニアで緊急手術が必要となり当日に試合は中止となった。
メイン消滅のPPV大会を救ったのが繰り上がりヘッドライナーとなり、アンデウソン・シウバと、クリーンなテクニカルかつスピリット勝負を制したアデサニャだった。古豪アンデウソンを敬意を払って退けたアデサニャはケージサイドで、なぜかベルトを肩に掛けていたガステラムを「チャンピオンになった気でもいるのか」と挑発し、両者の間で暫定タイトルを争う状況が整った。
TUF17ウィナー、マリファナの引用でヴィトー・ベウフォート戦の勝利を取り消されたこともあるガステラム、逆にアンデウソンがドーピング検査に引っかかり試合が消滅するなど、さまざまなハプニングをも利し、注目度と実力を挙げた彼はTUFコーチ対決で世界の頂点に手を掛けていた。
対してアデサニャはキャリア16勝0敗、13のKO勝ちを誇る。そのKO率の高さもそうだが、判定勝ちの際の圧勝、アンデウソン戦で見せた競り合いのなかでの距離のコントロールと最低限しか相手の攻撃を被弾しない目の良さは瞠目に値する。相手の攻撃を見切る力は打撃に対して生きれば接戦を制し、組みに頼った相手には容赦のないドミネイト力を発揮する。
身長193センチ、リーチは2メートル越えのアデサニャに対し、ガステラムは175センチ&182センチしかない。制空権でいえば圧倒的に前者が優位で、さらに足技も持っている。射程距離が長く、武器の種類も多い戦いは当然アデサニャが有利になる。となるとガステラムに必要となってくるのは、ステルス性能だ。アデサニャに対し、如何に見えない攻撃を仕掛けることができるのか。
ずばり、その一手はサウスポーから繰り出される左ストレートしかない。そして、そのためには右ジャブ、右リードフックというアデサニャのレーダーに掛かる攻撃が果たす役割は大きい。これらの右の攻撃でアデサニャの注意を引いたとき、見えない──そしてKOパワーを有した左ストレートが最大の威力を発揮する。
アデサニャ優位は動かない試合をガステラムが動かすには、右の出来次第。大袈裟にいえば、その右は当たらなくても、届かなくも良い。アデサニャの注意を引くことが、最重要となってくる。
■ UFC326対戦カード
<UFC暫定世界ライト級王座決定戦/5分5R>
マックス・ホロウェイ(米国)
ダスティン・ポイエー(米国)
<UFC暫定世界ミドル級王座決定戦/5分5R>
ケルヴィン・ガステラム(米国)
イスラエル・アデサニャ(ニュージーランド)
<ライトヘビー級/5分3R>
アリク・アンダース(米国)
カイル・ラウントリー(米国)
<ウェルター級/5分3R>
アラン・ジョバーン(米国)
ドワイト・グラント(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
ニキータ・クリロフ(ウクライナ)
オヴァンス・サンプレー(ハイチ)
<ライト級/5分3R>
ジェイリン・ターナー(米国)
マット・フレヴォラ(米国)
<フライ級/5分3R>
ウィルソン・ヘイス(ブラジル)
アレッシャンドリ・パントージャ(ブラジル)
<ウェルター級/5分3R>
マックス・グリフィン(米国)
ゼリム・イマダエフ(米国)
<バンタム級/5分3R>
ボストン・サーモン(米国)
カリッド・タハ(ドイツ)
<ウェルター級/5分3R>
ベラル・モハメッド(米国)
カーティス・ミランダー(米国)
<バンタム級/5分3R>
モンテル・ジャクソン(米国)
アンドレ・スークムタズ(米国)
<女子ストロー級/5分3R>
ポリアナ・ボテーリョ(ブラジル)
ローレン・ミューラー(米国)
<バンタム級/5分3R>
ランディ・コスタ(米国)
ブランドン・デイヴィス(米国)