【ONE87】過去最強キム・デフォンと対戦、上久保周哉「相手が強いことはネガティブな要素にならない」
【写真】落ち着き払っていた上久保周哉。大人しい言葉のなかにも、他との違いが感じれるインタビューであった (C)MMAPLANET
上久保周哉がMMAマッチのとりを務める。16日(土・現地時間)にタイのバンコク郊外インパクト・アリーナで開催されるONE87「Clash of Legends」で、上久保はタイトル挑戦経験のあるキム・デフォンを対戦する。
ONEでキャリアアップを図る上久保は、サークルケイジ2連勝からついに東南アジア枠でなく猛者と戦うこととなった。キャリア最強の相手との試合を控え、活動家は淡々と今の気持ちを話してくれた。
──竹中大地、中原由貴を従えMMAマッチでは最終試合に出場となりました。
「いや、試合順を間違えているなと思います(笑)。竹中選手と中原選手は評価されるべき実力があって、知名度もあります。やってきた試合も僕とは違うので、違和感があります。それに竹中選手はキム・デフォンに勝っているのに、なんでなんだろうというのは思っていました」
──試合順を知った時の気持ちは?
「オファーがあった時は試合順とか知らないので、ONEの発表の時に『アレ?』とは思いました。キム・デフォンに引っ張られた形ですし、自分が上がってきたわけではないです。
実際に1月に最初オファーがあった時は、対戦相手はアフガニスタンの選手だったので。スケジュール的に厳しくて断ったら、次のオファーはキム・デフォンでした。そろそろ、そういう相手になる……噛ませ犬にされる時がくるとは思っていました」
──噛ませ犬……。ONEでは世界バンタム級に挑戦経験もあり、確かにキャリア最強の相手ではあるかと思います。
「強いとは思いますが、そこまで気にしないです。同じ人間ですし、頑張ろうかと。相手が強いことは、試合に向けてネガティブな要因にはならないです」
──これまで過去にないキャリアアップ方法だとか、無口かつ個性的という側面で注目をされた上久保選手にとって、掛け値なしにファイターとして名前を売るチャンスではないでしょうか。
「ONEで戦っていてもアンダーカード、勝っても育成枠と思われていますし、他の日本人選手の方が注目されているも理解しています。そういう意味ではこれまでの試合よりも、価値のある戦いかと思われているかもしれないです。でも、僕のなかではいつもと変わらないです」
──今日の上久保選手の言葉を聞いていると、言葉が少ない選手だからといって、決して気が弱いというわけではないという当然のことに気づかされました。
「う~ん、そうかもしれないです。とにかく怖がらないことを念頭に練習してきました。これまで感じたことのないプレッシャーがあると思います。その圧力を警戒しすぎることなく戦います。そうですね……イチかバチかという戦いはしないですが、積極的にいきたいです。
これまでは危ないと思うと、いかなくてリスクを負わないことが多かったですけど、今回はそういうところでも勝負をしないといけないです」
──キム・デフォンも上久保選手が出てこないと、逆に勢いをつけて出てきそうです。
「そういう選手だと思います。ガンガン来るでしょうし。向こうは僕はグラウンドしかない選手だと思っているだろうから、打撃も練ってきたのでそういうところを出したいです。キム・デフォンが思っているのとは違う部分を出し、同時に組みも向こうの想定以上のモノを出したいです」
──非常に落ち着いて見えます。
「そうですね。毎回こんな感じなんで(笑)。減量がきつくない分、ピリピリしないです。MMAの試合前で話しかけてほしくないとか、そういう気持ちになったこともないですし。普段と同じです」
──その調子で、このチャンスを生かしてほしいです。
「ありがとうございます。試合は自分のやってきたこと、本性というか人格が試される場だと思うので、ネガティブな部分を出さずに戦えるよう……後悔のない試合にしたいです。キム・デフォンはこれまでも日本人選手とやってきた選手なので、日本人相手に思うところがあるはずです。そういう意味で、彼には弱いと思われたくないです。
磯野(元)さんと濱村(健)さんの声を聞きながら、一生懸命頑張ります」
■ONE87対戦カード
<ムエタイ・バンタム級世界王座決定戦/3分5R>
ノンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
ハン・ズーハオ(中国)
<ムエタイ・ライト級/3分3R>
ゴーンサック・PKセンチャイムエタイジム(タイ)
アラヴェル・ラマザノフ(ロシア)
<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
キム・デフォン(韓国)
上久保周哉(日本)
<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
マーク・フェアテックス・アベラルド(ニュージーランド)
竹中大地(日本)
<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
シャノン・ウィラチャイ(タイ)
ツォゴーフ・アマルサナ(モンゴル)
<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
ジョー・ナタワット(タイ)
サミー・サナ(フランス)
<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ジーナ・イニオン(フィリピン)
ジーヒン・ラッドゥアン(マレーシア)
<ムエタイ・フライ級/3分3R>
スーパーレック・ギアットムーガーオ(タイ)
ラオ・チェトラ(カンボジア)
<ムエタイ・67.5キロ/3分3R>
チャムアックトーン・ファイタームエタイ(タイ)
チャーリー・ピータース(英国)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
エミリオ・ウルティア(米国)
中原由貴(日本)
<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リカ・イシゲ(タイ)
ノウ・スライポー(カンボジア)
<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
エリーピトゥア・シレガール(インドネシア)
リュウ・パンシュアイ(中国)