【Special】『2018年中に話しておきたかった人』。内藤のび太─02─「いよいよ、この時が来てしまった」
【写真】以前よりインタビューの受け答えは抜群に上達した内藤のび太。自虐ネタが冴え渡った (C)MMAPLANET
2019年を迎え、MMAPLANETでは2018年の間にどうしても話を聞いておきたかった格闘家を5人ピックアップした。
『今、この人と話しておきたい──2018』。後編『2018年中に話しておきたかった人』、第3弾は前ONEストロー級チャンピオン内藤のび太に訊いた、ONEでのこれから。
自己評価が極端に低い、のび太はONEストロー級戦線が日本人ファイターの集まる場になることを予め予見していたという。
<内藤のび太インタビューPart.01はコチラから>
──スクランブルの攻防がなかったから、バックも取ることができなった。
「僕に合わせた試合運びをしっかりとしてきましたね。チームラカイの選手はフィジカルも強いですが、なによりも相手を研究して対策を練っています」
──王座を失った試合から、2カ月半後のクアラルンプール大会でアレックス・シウバと決着戦という話もありました。
「あの時は……気持ちとして、こんな短期間で戦う必要があるのかと。生意気を言って申し訳ないのですが、そう思っていました。この短期間で戦っても、僕も成長していないし。どうせなら、互いに強くなってから決着をつけたい。そういう考えで、断らさしてもらいました」
──特にのび太選手は気持ちが入らない試合は、できないかと思います。そこでONEからオファーを得た猿田洋祐選手がアレックス・シウバに判定勝ちをしました。
「強かったです。戦い方もONEに合わせていて、僕の試合を見て研究してくれたのかなって勝手に思っています(笑)」
──もともと修斗という同じ場所で戦っていました。
「ハイ。猿田選手はフライ級で試合をしていて、本当に強い選手だと思っていました。ストロー級での活動はほぼ被っていないのですが、大先輩というイメージです。フライ級でもパワー負けしていない選手が、ストロー級に落としてきたわけですし、それは強いですよね。フライ級でまた戦うようになってからの田丸選手との試合も、完全にコントロールをしていたし」
──ONEストロー級戦線において、強敵が増えたことになります。
「このような状況になるのは、分かっていました。ファイトマネーなど条件も違いますし、ONEは勢いもあるのでストロー級のレベルでは日本は完全に抜けているので、強い日本人選手が集まってくるのは予想していました」
──結果的に欠場となり、猿田選手が代役に抜擢されましたが、鈴木隼人選手がジョシュア・パシオに挑戦することが決まっていました。のび太選手としては、どちらが優位だと思っていましたか。
「あまりこういうことを言うべきではないかと思うのですが……鈴木さんは本当に強いです。一緒に練習もさせてもらったこともあるし、その強さを知っています。パシオも強いですが、体で感じた感覚でいえば鈴木さんが勝つと思っていました。
猿田選手もそうですし、鈴木さんもそう。強い日本人選手がONEに気づくまで、僕はひっそりとやらせてもらっていたのに、いよいよここまで来てしまったなと(苦笑)。鈴木さんがタイトルに挑戦できなくなったことは……もう、僕はなんといっても良いのか……何もいえないです」
──また言及しづらいですが、パシオと猿田選手のタイトルマッチの行方に関しては、どのように予想していますか。
「寝技は完全に猿田選手です。アレックス・シウバとの試合を見ても、裁定基準を則した戦いをしていましたし、あのままの勢いで猿田選手かと思います。パシオのフィニッシュ能力が、どのように評価されるかというのもありますが…… 。
まぁ……自分に勝った選手が負けるというのは、僕の評価が下がることになるのですが、客観的に考えると猿田選手が勝つかと思います」
──そういう話を伺っていると、今後ののび太選手の目標は日本人選手になっていくわけですね。
「あぁ……どうなんですかね……。ONEで僕と戦ってくれるなら、やることになるのかもしれないですけど。日本のランキング制度のなかでもまれてきた選手は、アジアから出てきた選手より全体的にしっかりしていると思います
──のびた選手のONEでのキャリア、実は2年半の在籍期間でパシオとシウバの2人しか戦っていないという事実があります。
「そうなんですよ。だから他の選手とということにも恐怖を感じています」
──恐怖なのですか。ランキング制度でもまれてきた強さを見せるのではなく?
「鈴木さんが一通り倒してきた相手になるので、そこに喰われないように戦っていくことに恐怖を感じているんです……。それと3Rも久しぶりで……。ONEだけでなく、僕が世界戦で戦うようになった時は修斗も、もう5Rになっていたので」
──確かに。過去8試合は全て5R制で戦っていますね。キャリア14戦なのでのび太選手は5回戦が一番多くて、キャリア序盤は5分✖2R制ですから、3回戦は5試合しか戦ったことがないことになります。
「そうなんです。だから3Rで戦うことには、不安があって。5Rで削って戦ってきたので……どう、戦うのかと。今、ONEは凄いことになっています。その追い風は確かなモノです。でも、僕はその風に乗れていない(苦笑)」
──先駆者としてONEで戦ってきたのび太選手は、それだけの存在感も備わっています。だからこそ、次の試合が大切になってくるのかと。
「2月とかに試合がありそうなんですが、また決まっていないです。でも、もう誰だろうとやるしかないです。シウバになっても……うん、でも3回目だから、他の選手とやりたいというのはありますね。そういう選手の中から僕を倒す人が出てくれば、一気に上にいくかもしれないですし」
──なぜ、そこの前提が自分が負けることなのですか(笑)。
「いやぁ……跳ね返せるのか、そうじゃないのか。マニアックな意見かもしれないですけど、そういう僕の戦いでアジアのレベルがどうなっているのかを見てもらえればと思います」
──UFCがフライ級の活動を終え、フライ級のトップがONEになる。ストローがあると、フライ級からストローになる選手も出てくるかと。鈴木選手がそうだったように。
「いやぁ……(笑)、大変になりますね。まぁまぁまぁ、それで淘汰されていけば良いかなと」
──なぜ、淘汰(苦笑)。しっかりと追い風に乗ってください!!
「年も年なので、1試合、1試合をしっかりと戦うことですね。僕の帆が破れていなければ、追い風に乗れると思います。破れている可能性もあるので、そうなるとすぅっとフェードアウトしていきます」
──自虐ネタはしっかりと話せるようになったことは確かです(笑)。
「インタビューで最後の一言っていうは……、なんでこんなこと言っているのかと……後悔ばかりです(苦笑)」