【WEC43】ベン・ヘン勝利も、関節技への低評価変わらず
第10試合WEC世界ライト級暫定王者決定戦/5分5R
ベン・ヘンダーソン(米国)
Def.3R終了/判定
ドナルド・セラーニ(米国)
10日(土・現地時間)、テキサス州サンアントニオのAT&Tセンターでは、WEC43『Cerrone vs Henderson』が開催された。メインイベントで行われた、WEC世界ライト級暫定王者決定戦=ドナルド・セラーニ×ベン・ヘンダーソンの一戦は、両者5Rを戦い抜く長丁場となったが、判定でベン・ヘンが勝利を挙げた。
試合は、サウスポーのベン・ヘンに対し、いきなり右ハイを見舞い足を滑らしたセラーニ。すかさずテイクダウンを狙ったベン・ヘンだが、セラーニはギロチンでその首を捕えると、そのまま引き込み、態勢を入れ替えてトップを奪い返しながら、ベン・ヘンが首を引き抜いたところで三角絞めに捕えた。
セラーニは右腕を引き寄せられなかったこともあり、自ら技を解きテイクダウンへ。がぶりからスタンドへ戻ったベン・ヘンは、ここでテイクダウンに成功する。セラーニはオモプラッタを仕掛けるが、腕を引き抜かれてパウンドを落とされる。それでも腹を蹴りあげて立ち上がろうとしたセラーニだったが、ベン・ヘンはトップをキープし、ラウンド終盤はパウンドで攻勢に出る。
2R、またもテイクダウンを奪ったベン・ヘン。セラーニはハーフガードからパンチを振りあげ、さらに蹴りあげてベン・ヘンをのけぞらせると、腕十字へ。腕を引き抜いたベン・ヘンはエルボーを落としていくと、蹴りあげで対抗するセラーニだったが、立ち上がることはできない。
ベン・ヘンがラフなパウンドでボディ、顔面にパンチを落とすと、セラーニは足関節を狙う仕種も。ダメージは少ないが、ジャッジ受けの悪い試合展開のセラーニは、テイクダウンを切りたりところだ。
3R、打撃の目視戦も遠い距離からのシングルレッグで再びマットに背中をつけてしまったセラーニは、バックコントロールを許し、パンチを受ける。ようやく腹を蹴りあげ、立ち上がることに成功、スタンドに戻るとセラーニは鋭い左ローを放っていく。
さらに右ローを蹴り込むなど、長丁場5Rを考えるセラーニの作戦か。この頃になると、テイクダウン狙いのベン・ヘンの単調な動きに慣れたのか、シングルからダブルレッグで再びテイクダウンを許すも、すぐにケージを利用して立ち上がるなど、両者の削り合いが続くようになる。
そして、試合はベン・ヘンにとって未知の4Rへ。いきなり右ストレートを狙ったセラーニは、ここで自らテイクダウンを仕掛ける。ならばと反射的にディフェンスし、逆にテイクダウンを狙ったベン・ヘンだが、セラーニは変形のフロントチョークへ。動きが鈍くなりつつもエスケープに成功したベン・ヘンが立ち上がるが、これまでのように簡単にテイクダウンを奪うことはできない。
カウボーイコールが叫ばれるなか、ベン・ヘンのテイクダウン狙いを潰し、セラーニがボディにヒザを打ち込む。両ヒザをつき、執拗にテイクダウンを仕掛け続けても、目的を達せなくなったベン・ヘンは、ヒザをついた状態でセラーニのアッパーを二、三度と受ける。スタンドでの戦いを強いられるようになったベン・ヘンは、ラウンド終盤にローを受けて体を崩すなど、追い込まれていった。
最終ラウンド、距離を詰めて左右の拳を振るったセラーニにダブルレッグを見せたベン・ヘン。これも未遂に終わると、ついに左フックを浴びて、背中からキャンバスへ。すぐにシングルを見せたが、残った方の足で蹴り飛ばされ、オクタゴン中央でガードの取らざるを得なくなる。
スタンド勝負を臨んだセラーニは、スタミナをロスしたベン・ヘンをはね飛ばしてトップを奪う。ここでようやくベン・ヘンはテイクダウンに成功したが、セラーニはオモプラッタから三角絞めへ。さらに左腕を捩じりあげ、オモプラッタ&腕十字の連係を見せる。セラーニは、かなりえげつない角度でヒジを折り曲げるが、ベン・ヘンは腕を引き抜くことに成功した。
残り30秒、再び上を取ったベン・ヘンだったが、セラーニの強引な腕関節から逃れるのに精いっぱい。5R終了のホーンが鳴り、勝利の行方はジャッジの裁定に委ねられることに。
ジャッジの裁定は三者とも48-47でベン・ヘンへ。またしても、仕掛けたものよりも逃げた者が評価される――、サブミッションに対して異常な低評価、接戦と圧倒的試合のなかでの1Pの格差が明らかになった裁定といえるだろう。
ともあれ、これでベン・ヘンダーソンが暫定王者となり、ジェイミー・バーナーとの対戦が決定した。
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