【WEC43】不可解レフェリングも、ジャンセンがデビュー飾る
第9試合ライト級/5分3R
デイブ・ジャンセン(米国)
Def.3R終了/判定
リチャード・クランキルトン(米国)
【写真】何度もテイクダウンを決め、勝負をつけたジャンセンだったが、レフェリーの不可解なブレイクにも悩まされる内容に (C) ZUFFA
右ローからパンチ、テイクダウンを狙ったクランキルトン。バービーでしっかり切り、スタンドに戻ったジャンセンは、ボディロックからテイクダウンへ。すぐに立ち上がったクランキルトンがシングルレッグを仕掛けると、素晴らしいスイッチからバックへ回ったジャンセンが、ケージに抑え込むようにテイクダウンを奪う。
ヒールフックを仕掛けたクランキルトンに、反転しながら足を引き抜いたジャンセンがサイドへ。ガードからアナコンダチョークをクランキルトンが仕掛けると、首を抜いたジャンセンはノースサウスチョークへ。目まぐるしいMMAグラップリングが繰り広げられる。
ジャンセンは立ち上がり、パウンドを落としバックからリアネイキドチョークへ。胸を合わせて向き合ったクランキルトンは、直後に立ち上がる。クランキルトンは荒いフックを左右連続でヒットさせると、ジャンセンは腰が崩れ落ちるが、テイクダウンでごまかし立ち上がる。テイクダウンとパウンドでジャンセン、サブミッションとスタンドの打撃でクランキルトン――。ジャッジの判断が難しい初回となった。
2R、バランスの悪いフックを続けるクランキルトンにハイキックから、テイクダウンにつなげたジャンセン。パスに成功し、クランキルトンが戻したところでパウンド。直後にリバーサルでトップを取ったクランキルトンだったが、ジャンセンのヒザ蹴りがもろに急所を直撃し、うめき声をあげながらテイクダウンを奪われる。
レフェリーが試合を中断し、リカバリータイムを与えると、試合は再開。クランキルトンのローに、ジャンセンは左フックから、返しの右ストレートを放っていく。首相撲からヒザを二発顔面に蹴りあげたクランキルトン。直後にジャンセンはシングルレッグからバックへと回り込む。向かい合ったクランキルトンだったが、打撃に意識がいったところで、簡単にダブルレッグで倒されてしまう。
鉄槌とパンチを合わせて落とすジャンセンに、いつの間にか外れたマウスピースをジャンセンに返すため、ブレイクを掛けたレフェリーは、ここでなぜかスタンドでの再開を命じた。不可解なレフェリングもお構いなく、すぐにテイクダウンを奪ったジャンセンはブレイク前と同じ態勢で2R終了を迎えた。
最終ラウンド、序盤から動き続けた両者は呼吸同様に、動きも荒くなるが、それでも攻めることをやめない。パンチを打ち込むクランキルトンを、ジャンセンがテイクダウン。向きを変えたところでギロチンを狙うが、クランキルトンはすぐに距離をとる。遠い距離からシングルレッグをジャンセンが仕掛けてくると、クランキルトンはすかさずダースチョークへ。しかし、疲弊したクランキルトンは締め続けることができずに、自ら立ち上がる。
疲弊しているのはジャンセンも同じ。勢いのなくなったシングルレッグをかわされ、鉄槌を落とされると目尻をカットし、流血に追い込まれる。それでも次のシングルレッグには踏みとどまることができず倒されると、クランキルトンはそのままパスからマウントを奪われてしまう。
と、ここで信じられないことに、レフェリーは鉄槌を落とすジャンセンにブレイクを命じ、またも試合はスタンドへ戻ってしまう。寝技で足が利かない状態のクランキルトンに、もうレスリングで争える力は残っておらず、またも簡単に倒されると、今度はパスからアームロックを狙われる。必死の形相でガードに戻したクランキルトンは、腕十字を仕掛けるも、すぐにジャンセンに察知され、シングルレッグを狙ったところで潰されてしまいタイムアップ。序盤の飛ばし過ぎか、スタミナ不足か、疲労困憊の両者。ジャッジは3-0でジャンセンを支持し、チーム・クエスト所属・30歳のWECルーキーが、そのデビュー戦で勝利を手にした。