【WEF Global14&Arzalet】我慢に我慢を重ねた藤巻が、腕十字でラキエフから一本勝ち。ライト級王者に
【写真】今後はキルギスで防衛戦を行なっていくことになるのか(C)MMAPLANET
10日(土・現地時間)にキルギスはビシュケクのスポルトパラス・コズホムクルで開催されたWEF Global14&Arzalet。試合レポート第3弾は藤巻優が挑んだWEF Globalライト級選手権試合の模様をお伝えしたい。
<WEF Globalライト級選手権試合/5分5R>
藤巻優(日本)
Def.4R3分01秒 by 腕十字
バイザック・ラキエフ(キルギス)
2度ばかりか3度目の対戦相手変更となった藤巻。ラキエフはほぼ前情報のないファイターだ。サウスポーのラキエフが左ロー、左オーバーハンドを見せる。さらに左ミドルを放ったラキエフはハイも放ち、藤巻の右には距離をスッと取る。藤巻は左ジャブを当て、プレシャーを強めようと前に出る。
左のロー&ハイを放ったラキエフは左ロングフックを伸ばし、ダブルレッグで一気にテイクダウンに成功する。ケージを背負い立ち上がった藤巻はシングルからバックを許しそうになるが、反応して胸を合わせる。ケージに藤巻を詰めるラキエフは再びダブルレッグで尻餅をつかせ、スクランブルでバックへ。
藤巻は背中を譲らず四つ組みから小外掛けを仕掛けたが、潰されて背中をキャンバスにつかさせる。ケージにもたれ、座った状態で藤巻は初回終了を迎えた。
2R、ラキエフは左を見せてシングルレッグ、藤巻をケージに押し込みテイクダウンに成功する。ケージを背負って尻をつけた藤巻が立ち上がり両ワキを差し返す。それでも崩れないラキエフがヒザ蹴りを突き刺して離れると、左フックを連続で振るい3発目が藤巻の顔面を捉える。
後方に倒れた藤巻は、スクランブルに持ち込もうと右腕を差す。ラキエフはパンチでなくレスリングで対応し、シングルレッグでまたも藤巻に尻餅をつかせる。
立ち上がった藤巻は右腕を差して体を入れ替える。ラキエフは押し込み返すと、相四つからの小外掛けを再び切り返された藤巻が足をきかせて立ち上がる。ラキエフはケージに藤巻を詰めてシングルでテイクダウン、ビッグラウンドとした。
3R、インターバルの様子を見る限り急遽出場で疲弊が目立つラキエフが左に回りつつ蹴りやパンチを繰り出す。藤巻は左リードフック、右ハイを見せて前へ。鼻血を流すラキエフに左ジャブが当たるようになった藤巻だったが、残り2分にシングルレッグでテイクダウンを奪われる。
マットに背中をつけたもののすぐにケージを背負ってセコンドを見やる藤巻は、アンクルピックで立ち上がることを防がれる。何とか立ち上がったところでダブルレッグを決められ厳しい状況が続く藤巻は、背中を譲って立ち上がる。小手を巻く藤巻に対し、ラキエフが胸を合わせたところでラウンド終了に。
4R、開始直後に左ハイを蹴っていったラキエフが、続いて左ミドルも決める。さらに左ロングを伸ばし、左ミドルにつなげるなど主導権を握るために動く。藤巻は左を返すが、逆に左を被弾。ラキエフは左フックをヒットさせ、ここでスリップ。
WEFではインターバル中に主催者が椅子を用意しておらず、キャンバスに座ったファイターに水を掛けるために非常にキャンバスが滑りやすくなっている。
マットが拭かれて試合が再開されると、ラキエフは左ハイを放つ。さらにダブルの左ジャブ、右フック、ローと手数が衰えないラキエフに対し、藤巻がワンツーで前に出る。ラキエフはここにダブルレッグを合わせテイクダウンに成功。ケージ中央で背中をつけた藤巻はクローズドと左腕を抱えてカンヌキの態勢に。
ラキエフが腰をあげると、ガードを解いた藤巻が腰を切って腕十字へ。右腕が伸びたラキエフが即タップ。我慢を重ねた藤巻がワンチャンスをモノにし、WEF Globalライト級王者となった。
「キルギス、ラフマット(ありがとう)。凄く強かったです。ありがとう。キルギス人は日本人と同じようにとても強いです」と話した藤巻に大きな拍手が贈られた。