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【Bellator208】ヒョードル次第=ソネン戦。元KOPメイン。ヘンゾの27歳年下の弟ホビソンJrがMMA初陣

Bellator208【写真】ソネンのグッドシェイプさが、会見では目立っていた (C)BELLATOR

13日(土・現地時間)、前日のBellator207に引き続き、コネチカット州アンカスビルから200キロほど南下したニューヨーク州ロングアイランドのナッソー・コロシアムでBellator208「Feodor vs Sonnen」が開催される。


メインはヘビー級ワールドGP準決勝=エメリヤーエンコ・ヒョードル×チェール・ソネンの一戦だ。今大会のトレイラーにはロッキーのアポロか、おかだますだの岡田圭右=ハッピーボーイを思わせる星条旗をあしらった衣装で収まるなど、ソネンはショーマンに徹し切っている。ただし、試合が始まればヴァンダレイ・シウバ戦やランペイジ・ジャクソン戦では勝ちにこだわった戦いを貫いてきた。

シウバ戦では徹底してテイクダウンを取り続け、殴り合いたいシウバにフラストレーションを与え続けて判定勝ちしたように、ヒョードル相手に殴り合うという姿はあまり想像できない。一方、どこか勝負に淡泊になってきたヒョードルも、今回の試合に向けてオランダでキャンプを張り、スタミナ強化にも取り組んできたという。

「好きだから戦う」という皇帝が、執拗なテイクダウン狙いに気持ちが削られることなく、丁寧かつ体力を使って対処し続けることができるのか。それがなればテイクダウンを切って殴るという戦い方で決勝戦進出が見えて来る。

加えていえば「ミドル級、ライトヘビー級で世界王座に挑戦してきた。次はヘビー級だ」と言い切るソネンとヒョードルは、上背の差はそれほどないかもしれないが──動ける──体の厚味では明らかに違いがある。つまりは組んでもテイクダウンを取らない限り、削れるのはソネンになるということだ。

それても勝負が長引けばソネン優位という予想が成り立つのも、最近の試合ではヒョードルの闘争心の低下が伝わって来るからに他ならない、そんなヒョードル×ソネンを筆頭に5試合組まれたメインカードではアレキサンダー・シュレメンコとアナトリー・トコフ戦、そしてアンディ・メインのベラトール初出場も要注目だ。

元ベラトール世界ミドル級王者シュレメンコが、ヒョードル軍団の新鋭トコフとロシアン世代交代マッチをベラトールが組む必要があるのか。ここにどのようなドラマが生まれるのか、気になるところだ。

MainそしてTUFシーズン12出演から8年、元フェザー級KOPアンディ・メインがついに北米メジャーに到達した。TUF後は米国ローカルショーからパンクラスに転じフェザー級の頂点に立つも、負傷が重なり防衛戦を行う前にROAD FCライト級トーナメント出場を選択し、ベルトも手放した。

そのうえロードFCではまさかの国際予選で敗退。メインは9月14日にLFAで1年7カ月振りの実戦で判定勝ちし、1カ月のインターバルでベラトール出場となった。メインといえばベーシックな柔術テクニック、トラックポジションからの連携=10thPlanet系の技術、足関節も使いこなすテクニシャンだ。

対するヘンリー・コラレスはサークルケージで3連敗から3連勝と勢いに乗っているファイター。ボディフックにオーバーハンド、長いリーチを生かしてパンチを振り回すワイルドなコラレスに対し、如何にメインが自分のタイミングでテイクダウンを繰り出し、グラップリングマッチに持ち込むことができるか。

逃げのテイクダウン、そこからのガードワークでは北米MMAはまず評価の遡上にすら挙がらない。下になると極めない限り、ポイントでリードすることはできない北米ケージで、メインが如何に自分のスタイルを貫き通すか──も、この試合の鍵を握ってきそうだ。

また今大会のプレリミにはホビソン・グレイシーJrなるグレイシーが、MMA初陣に挑む。ホビソンといえばヘンゾの父、そのJrを語る彼はヘンゾ・グレイシーと24歳も離れた末弟だ。現在27歳のJrはヘンゾの実弟でありながら、グレイシーバッハではなくカーウソン・グレイシーのアカデミーで父ホビソンから柔術の手ほどきを受けるようになった。

15歳の時から3年間サンパウロの故ハイアンの下で過ごし、その後はリオでバッハ系のホベルト・ゴルド、BTTでムリーロ・ブスタマンチを師事。5年前からNYのヘンゾの下で練習をするようになったという。柔術での実績も不明のホビソンJrがどのようなMMAを戦うのか、気になるところだ。

■ Bellator208対戦カード

<ヘビー級ワールドGP準決勝/5分3R>
エメリヤーエンコ・ヒョードル(ロシア)
チェール・ソネン(米国)

<ライト級/5分3R>
ベンソン・ヘンダーソン(米国)
サヤッド・アワッド(米国)

<ヘビー級/5分3R>
チーク・カンゴ(フランス)
ティモシー・ジョンソン(米国)

<ミドル級/5分3R>
アレキサンダー・シュレメンコ(ロシア)
アナトリー・トコフ(ロシア)

<フェザー級/5分3R>
ヘンリー・コラレス(米国)
アンディ・メイン(米国)

<フライ級/5分3R>
トミー・エスピノーザ(米国)
スフロフ・アイダルベコフ(キルギス)

<フェザー級/5分3R>
フランク・ブエナフエンテ(米国)
ジェイムス・ゴンザレス(米国)

<ミドル級/5分3R>
ジャレミー・プグリア(米国)
エリック・オルセン(米国)

<ウェルター級/5分3R>
マイク・ディオリオ(米国)
アンドリューズ・ロドリゲス(米国)

<ライト級/5分3R>
ライアン・カストロ(米国)
デニス・ブズキア(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ホビソン・グレイシーJr(ブラジル)
ジャマル・ポッティンガー(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
ジェニファー・チェイン(米国)
ジェシカ・ルイス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
シャクアン・モア(米国)
デイヴィッド・メシュコラザ(米国)

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