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【ONE78】初陣でマラット・ガフロフと戦う松嶋こよみ─02─「試合のなかで成長できるかどうか」

Koyomi & Aoki【写真】ガフロフの組技対策として、青木真也のコーチングも受けた松嶋 (C)MMAPLAET

22日(土・現地時間)にインドネシアはジャカルタのジャカルタ・コンベンションセンターで開催されるONE78「Conquest of Heroes」で前ONE世界フェザー級王者ムラット・ガフロフと対戦する松嶋こよみインタビュー後編。

インタビュー前編で、松嶋はキャリア最強といって過言でないガフロフを相手に、いつも通りの試合ができれば勝てると断言した。その自信は日々、強くなっている。成長している自分を感じることができている──そんあ裏付けがあるからこそ得られるモノだった。

<松嶋こよみインタビューPart.01はコチラから>


──いつも通りに戦えば勝てる。力強い言葉です。

「そのために(ロッキー)川村さんや北岡さん、マモルさんに試合動画を見てもらって、対策練習もしてきました。自分の距離を如何に作ることができるか。それが一つの鍵になって来ると思います。正直、組んで勝てる相手ではないと思っています。ただ、その組みに関しても、良い形……自分の形で組むことができれば倒すことができない相手ではない」

──怖いのはフックでしょうか。横田一則選手も、序盤はフックを避けてジャブを当てることができていましたが、テイクダウンからバックチョークを取られてしまいました。

「あのプレッシャーが強いから、打撃でやり合っていたら精神的に疲れてきてしまうかと思います。そこも最初から凄いプレッシャーがあるんだって割り切ることができれば、もっと気持ち的に楽に戦えるかもしれないです」

──ガフロフ自身は昨年8月に初黒星を喫し、1月に青木真也選手とのグラップリングマッチではRNCで敗れ、4月にエミリオ・ウルーシアに肩固めで一本勝ち。ただ、この試合は以前とはリズムが違って見えました。

「蹴り足をキャッチしてテイクダウンをしていました。距離を詰め切られて、嫌々出した蹴りだったので掴まれていましたね。あれもプレッシャーにやられていた感じなので、そこは練習してきたことを出せればと大丈夫だと思います」

──この試合に向けて、どのような練習をしてきたのでしょうか。

「打撃の打ち込みというか……、距離と角度を意識してやってきました。オーソドックスと戦うのは久しぶりなので、とにかくプレッシャーを掛けてもらい、そのなかでどれだけ動けるのかを意識して練習してきました」

──それほど綺麗でないローも、気にしてしまうと姿勢を乱し、距離を詰められる原因になるのかと。

「あれは回られたくないから、蹴っているんだと思います。ただ、それも近いから蹴ることができるんですよね。その蹴りに関しても作戦を考えています」

──そこは極真を幼少期からやってきた松嶋選手は受けができるのではないですか。

「それはないです(苦笑)。受けることに関しては、できないです。反応できれば、受けることもできるのでしょうが、反応をさせられている時点で、僕の動きが遅いということなので」

──相手に蹴られてからではなく、それを無効にする動きが大切になってくるのだと。

「ハイ、位置取りですね。蹴られない位置にいれば。結局、右のフックと組みを重要視しているので、回られたくない。さっきも言いましたが、そのための蹴りです。それは分かり切っているので、どう戦うかですね」

──修斗時代はライト級で戦っていました。尿酸値を測る計量方法において、70キロで戦うことに関しては?

「あの頃より筋肉がついているので、計量方法が変わるということで、減量に関しては様子を見ながらって感じでやっています。サウナスーツを着て走っている人もいるし。色々とやり方はあるんだろうなって(笑)」

──カナダ、グアム、フィリピン、そして今回がインドネシアのジャカルタ。キャリア4度目の海外遠征です。

「海外で戦うことは、どうともないです。ただし、会場の雰囲気にはテンションが上がってしまうかもしれないので……気を付けます。5月にシンガポール大会を観戦したのですが、あんな場で戦うということで意気込んでしまうかもしれないです。だからこそ、どれだけ冷静に戦えるのかが大切になってきます。そうはいっても冷静でないのが、僕なので(笑)」

──冷静だけど、思い切りも大切。MMAは難しいですね。

「結局、試合で出し切れるかどうか。試合のなかで成長できるかどうかが重要です。今回は自分が成長していないと勝てない相手です。目覚めるモノがあるんじゃないかと思っています。でも、もう26歳ですからね。どんどん若い選手ができているし」

──松嶋こよみも、そんな風に思うようになってきたと。

「それでも結局、色々な人を見ていて思うのは、年齢ではなくて如何に成長していくのか。UFCで戦うとなれば、悠長なことはいっていられないですが、とにかく日々強くなっていくことが大切で。

4月にISAO選手と戦った時より、僕は強くなっています。1年前より強くなっている。若いとはいえなくなった分だけで、強くなっています」

──今回はさらに一皮剥けないといけない試合になると思います。

「そうですね、もう一つ殻を破らないといけないです」

──それが可能だと期待しているファンの皆さんに一言、お願いします。

「僕にファンがいてくれますかね?」

──もちろんです(笑)。

「ISAO選手との試合の失敗を取り返すつもりで、全力で臨むので……僕が勝つところをしっかりと見てください!!」

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