【HEAT43】バンタム級王座挑戦──春日井までもが、4Rにキム・ミョンギュのRNCで一本負け
【写真】赤尾に続き、春日井が一本負け。日本人ファイターが倒すべき韓国人チャンピオンが存在する (C)MMAPLANET
昨日17日(月・祝)に愛知県刈谷市の刈谷市産業振興センターあいおいホールで開催されるHEAT43レビュー。第3回は春日井たけしが、キム・ミョンギュの持つHEATバンタム級王座に挑戦した一戦をお伝えしたい。
<HEAT総合バンタム級選手権試合/5分5R>
キム・ミョンギュ(韓国)
Def.4R3分42秒by RNC
春日井たけし(日本)
右リードフックを振るいながら前に出る春日井が、ケージ際に下がったキム・ミョンギュにダブルレッグを仕掛ける。ボディロックに移行しバックを伺う春日井、キム・ミョンギュはウィザードで真後ろに回らせない。
春日井は後方に引き出しながら、ワキを潜るように背中につき足を一本フックする。キム・ミョンギュもペースを譲ることなく、春日井の右手首を掴んで襷掛けを許さず胸を合わせることに成功する。
右腕を差し上げ、再びバックに回った春日井だがキム・ミョンギュもすぐに胸を合わせ、逆に春日井をケージに押し込むとダブルレッグを仕掛ける。今度はチャンピオンがバックに回り、春日井が胸を合わせていくという展開に。春日井が体を入れ替えたところで初回が終了した。
2R、すぐに組んで後方へのボディロックテイクダウンに成功した春日井が、スクランブルに持ち込もうとしたキム・ミョンギュのバックを取り、ワンフックをセットする。春日井は背中に乗り過ぎて右肩をマットにつけている状況で、何とか乗り直そうとする。王者が胸を合わせて来ると、左手をついてトップをキープした春日井が、ニアマウントからパンチを落とす。
頭を抱え背中を見せたキム・ミョンギュ、春日井はついに両足をフックすること成功。下でも動き続ける王者に対し、春日井はパンチを入れ立ち上がられそうになるとネルソンで落下を防ぐ。
ここでワンフックになっていた春日井が、ハムストリングス系のヒザ十字を狙う。しかし、両足フックでないためぶら下がるような形になり、フックが外れキム・ミョンギュが立ち上がる。
すかさず春日井をケージに押し込み、ダブルレッグで尻餅をつかせたキム・ミョンギュ。春日井も一気の逆転を許さず、ケージを背にして立ち上がり逆に押し込む。ここでブレイクが入り、試合はケージ中央で再開へ。
春日井が左から右を伸ばして組みつき、シングルレッグ。クリンチの攻防に入るや、またもブレイクが命じられ打撃戦に転じたところで2Rが終わった。
3R、右オーバーハンドを当てた春日井は右アッパーを入れてダブルレッグへ。尻餅をつきながらも下からシングルに出た王者のサイドバックについた春日井が、左のパンチを顔面に打ち込む。殴られながら立ち上がり、左腕を差してきたキム・ミョンギュに対して、春日井は首相撲に入って離れる。
打撃の交換で勢いがあるのは春日井。左アッパーを当て、右ストレートを放つ。その後もスタンドの展開で右アッパーを2度ヒットさせた春日井はキム・ミョンギュの左ジャブを被弾しても、首相撲からヒザを突き上げる。しかし、重心が浮き気味で力がない。その後、クリンチに持ち込むも、打撃戦に戻した春日井はすぐに首相撲からダブルレッグを仕掛けた。
シングルに移行した春日井だが、キム・ミョンギュが切って、エルボーを頭部に落として立ち上がると、体を入れ替えて逆にケージに押し込んでいく。疲れが感じられる春日井は、離れたキム・ミョンギュに右ストレートを当てた直後に左目尻のカットでドクターチェックが入る。
再開後、ワンツーを入れた春日井はシングルでチャンピオンをドライブするも、がぶられてバック取られそうにんる。ここを耐えて立ち上がった春日井が、ケージを背負ったキム・ミョンギュに首相撲&ヒザを突き上げ、左右のフックを放ちラウンド終了を迎えた。
4R、右ストレート、左ジャブを当てた春日井が組んでケージへ。バックを伺い、崩しを仕掛ける春日井に対して、キム・ミョンギュは序盤より余裕をもって対処し胸を合わせるとダブルレッグで春日井を削っていく。
ハイクロッチで抱え上げられそうになりながらも、ヒザ立ち、手をマットについて耐える春日井が立ち上がりブレイクが命じられた。
かなり疲弊してきた春日井だが、右アッパー、右ストレート、そして右ハイと打撃で優勢だが、組みに行きまたもブレイクが入る。パンチの交換のなかでチャンピオンは春日井のダブルレッグを切ると、一気にバックに回り込む。背中に乗り、後方に自ら倒れたキム・ミョンギュは両足フックを完成させ、RNCへ。
アゴを引き、手首を掴んで凌ぐ春日井。キム・ミョンギュは左腕から、滑り込ませる腕を右に変えてRNCクラッチを完成させる。春日井の頭の左側に、自らの頭を置いたキム・ミョンギュがコンパクトな形で絞めあげると、春日井がタップし勝負は決した。
キム・ミョンギュは5月にタイトルを奪取した赤尾セイジ戦と同様に、序盤の劣勢を跳ね返しての一本勝ち。赤尾と同じく、攻めることで削られた春日井はバックを制せられると一気のRNCに敗れた。しかも、4Rというラウンド数も同じだった。
タップを奪った直後に、首をかき切ってみろ──ポーズを見せKTTのハ・ドンシン監督に抱え上げられたキム・ミョンギュ。HEATではライト級のオク・レユンに続き、日本人MMAファイターが倒すべき韓国人王者がバンタム級にも存在することとなった。