【AJJC2018】夫唱婦随?! 芝本幸司・さおり夫妻─02─「どんなことも強要しない」(さおり)
【写真】生活の一部であっても、その比重は違う夫婦の柔術物語 (C)TSUBASA ITO
8月5日(日)、東京都大田区の大田区総合体育館で開催される第19回全日本ブラジリアン柔術選手権に夫婦でエントリーしている芝本幸司・さおり夫妻インタビュー後編。
柔術道を究めようという夫とともに生きるさおり夫人の柔術道とは。
Text by Tsubasa Ito
<芝本夫妻インタビューPart.01はコチラから>
――さおり選手はどの部分に柔術の魅力を感じますか。
さおり すごく困る質問です……。部活のように所属しているから練習するという感じなんですよね。
――生活の一部になっている?
さおり そうです、そうです。休むとスッキリしないので、練習していたいですね。
――では旦那さんのどの部分が柔術家として尊敬できる部分でしょうか。
さおり 生活もひっくるめてなんですけど、主人はどんなことも強要しないんですよね。『○○して』とかもまったくないですし。できた夫だなって(笑)。
幸司 ごはん作ってとか洗濯しろとか、そういうことがないということだと思います(笑)。
さおり 全部ひとりでやっちゃうので。
幸司 要するに、同じ家でお互いがひとり暮らしをしているようなものなんです。休みの日は一緒に食事もしますけどね。一般的な家庭は、奥さんが食事を作ったり掃除や洗濯をするイメージじゃないですか。私は自分の食べるものは自分で用意しますし、自分が掃除したいところは掃除しちゃいますし。
彼女は彼女で、自分の食べたいタイミングで食べたいものを食べて、彼女がしたいタイミングで洗濯して。私はあくまでもひとり暮らし派なんですよ(笑)。家事をやってもらうために結婚したわけではないので。
――ある種、相性がバッチリですね。
幸司 そうですね。結婚したらご飯を作らなきゃいけないとか、朝起きて弁当を作らないといけないのかなと思っていたら、何にも言われないから自由で良いなということでしょ?
さおり はい(笑)。
――食事は二人分作ろうとはならないものですか。
さおり 主人にとって食事も柔術の一部なんですよ。自分でコントロールしているので、逆に邪魔はできないですね。
幸司 彼女は一般の仕事をしているので、タイミングが合わないのもありますね。そこは割り切って自分の食べたい時に食べたいものを食べて、休みの日に外食に行こうか、という感じです。
――試合のお話に移りますと、さおり選手は全日本選手権の女子アダルト黒帯ライトフェザー級にエントリーしており、大会3連覇が掛かっています。
さおり 今はまだどうなるかわからないですね。今のところエントリーが一人で、相手もいなさそうなので。試合がないのであればキャンセルするかもしれないですし。
――対戦相手が少ないというのは、悩ましい問題ですね。
さおり 試合を目標にしているわけではないんですけど、練習している以上は出たいなと思いますね。
――さおり選手の柔術に関する夢や目標を教えてください。
さおり 一番聞かれたら困る質問です(笑)。何もないですね……。そもそも、そんなに柔術にどっぷり浸かっている感覚がないんですよ。
幸司 結論としては、最初のほうで話したように私との共通の話題を作りたいというのが彼女が柔術を始めた一番の動機だったということですかね。彼女の経験値やレベルが上がれば上がるほど、私との話が噛み合っていくんです」
さおり そう。話についていけるんですよ。最初は何言ってんの?という感じでまったくついていけなかったので。
幸司 結局は、私が柔術をやっている以上は辞める選択肢がないんですよ。結婚してから10年やってきたので、今さら辞めてもというのはあるみたいですね。だから目標うんぬんではなく、辞めないためにどうモチベーションを保っていこうかということだと思います。