【Arzalet FGC03】アルゼルトを経て日本とも交流、未知のキルギスMMAをWEFキジルミシェフ代表に尋ねる
【写真】キルギス共和国はウズベキスタン、カザフスタン、トルクメニスタン、タジキスタンらと中央アジアを形成している。ルスラン・キジルミシェフ氏率いるWEFも中央アジア各国や旧ソ連の国々との結びつきが強い(C)WEF
7日(土・現地時間)に韓国ソウルのカンナム区にあるクラブ・オクタゴンで開催されるArzalet FGC03にベキトベック・デュシュバイ・ウウル、トクトグロフ・イリンベック、ヌルスルタン・イルスバイ・ウルルという3人のキルギス人ファイターが出場する。
そのキリギスにはWEF=World Ertaymash FederationというMMA団体が存在する。今回、WEFのルスラン・キジルミシェフ代表をインタビューし、未知のキルギスMMA界、そしてREAL&Arzaletとの関係について尋ねた。
――キジルミシェフさん、WEFというMMA団体を興した理由を教えてください。
「私はテコンドー二段で格闘技が元々好きだったのですが、PRIDEやUFCの試合を見てMMAのファンになりました。そして私はホテルやレストラン経営、建築業を営んでおり、MMA好きが高じてファイターや大会のスポンサードをするようになったのです。
ただし、当時キルギスの選手は弱かったです。そんな彼らをロシア、カザフスタン、タジキスタンという中央アジアの国の試合に出て勝てるようにするために、2014年12月に第1回大会を開き、これまで55回以上のイベントを開催してきました。いまや中央アジアで一番の大会となり選手達も力をつけています」
──キルギスはMMA以前に格闘技が盛んだったのでしょうか。
「レスリングやサンボが盛んで、キックボクシングは2000年から2005年まで物凄く人気がありました。今はMMAが一番人気になるように変わってきました」
──ヴァレンチーナ・シェフチェンコ、アントニーナ・シェフチェンコ姉妹、男子ではラファエル・フィジエフなど世界的に名を成しているファイターはキルギスのジムの所属でなく、タイのタイガームエタイの所属です。
「彼らはムエタイやキック、コラトゥというMMA大会があり、そこで戦っていました」
──コラトゥという大会があったと?
「コラトゥの名称を使った大会もありました。ただし、コラトゥとはもともとキルギスの国技の名前です。我々の団体名にも使用しているエルティマッシュと呼ばれる組み技と打撃のある戦い、組み技だけのトゥルトショ、ファイト哲学の3つの根幹からコラトゥは成っています。エルティマッシュは漢の戦い、戦士の戦いという意味があります」
──なるほど、シェフチェンコ姉妹らはコラトゥを戦うことで、MMAの素養を高めていたのですね。
「そこで彼らはMMAで戦うための良い経験を積み、その後の成功があります。先ほどの質問の返答ですが、その3選手だけでなく、キルギスのファイターは世界から強い選手が集まる練習環境を求めて、試合前はタイでキャンプを張ることが多いです。でも、彼らはキルギス人です。シェフチェンコ姉妹はペルー国籍も取得しましたが、第一にキルギス人であります。今回、アルゼルトに出場するベキトベック・デュシュバイ・ウウル、トクトグロフ・イリンベック、ヌルスルタン・イルスバイ・ウルルの3人に関しては、私も自信を持って送り出します。彼らは国際戦で負けたことは一度もありません」
──やはりメインでリアルのチャンピオンであるマルコス・ソウザと戦う、ヌルスルタン・イリスバイ・ウウルは非常に気になるファイターです。
「77キロのWEFのチャンピオンで、パワーのあるストライカーですが、寝技も弱くないです。期待してください」
──アルゼルトを舞台にキルギスのファイターがどのような活躍をするのか楽しみです。
「私たちは中央アジアでイベントを開いていますが、キルギスの選手たちも日本や韓国のアルゼルト、REALで試合をし、逆に日本、韓国、アルゼルトで活躍しているブラジル人選手をWEFの大会に招聘し、交流を深めていきたいです。
まだ日時は決定していないですが、9月にキルギスで開く大会にアルゼルトで戦っている選手を招聘します。WEFではウズベキスタン、タジキスタン、カザフスタン、ロシア、イラン、ジョージアの選手たちが多いので、日本や韓国の選手たちにとても興味を持っています。ぜひとも、選手交流を深めていきたいと思っています」
──それは楽しみです。では最後にキジルミシェフさんからキリギス人ファイターの強さをアピールしてください。
「キルギスの選手たちはMMAでも、戦争のような戦いをします。ケージには戦争をしにいきます。キルギスの男は血を流すことを恐れていません。勇敢なキルギスの選手の試合を楽しみにしてください」