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【UFN132】豪州MMA界の希望、ジェイク・マシューズと戦う安西信昌─01 ─「ようやく名前のある相手と」

Shinsho Anzai【写真】あれだけ激しいスパーリングをして、すぐに息が整う安西。「試合は出し切っちゃうので、疲れます」と言いつつも体調はすこぶる良さそうだった (C)MMAPLANET

23日(土・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるUFC Fight Night132「Cowboy vs Edwards」。

日本人選手が5人出場する今大会。アシュカン・モクタリアンの代役でジネル・ラウサと対戦する佐々木憂流迦以外は、格上と見ておかしくない相手と戦う。石原夜叉坊がピョートル・ヤン、阿部大治がリー・ジンリャン、井上直樹がマット・シュネルという厳しい勝負に挑むなか、安西信昌がジェイク・マシューズと戦う。

豪州の親子鷹ファイター、キャリア11勝1敗から連敗を喫し、ライト級からウェルター級に戻したマシューズは現在2連勝中と調子を取り戻している。この23歳、豪州MMA界の希望と対戦する安西は『ようやく名前のある相手と戦える』と胸を躍らせ、GENスポーツアカデミーでの激しいスパーリングに取り組んでいた。


──かなり激しいスパーリングで驚きました。試合まで2週間を切っているのですが、まだこれだけ顔面に入れる練習をしているのですね。

01「16オンスですし。それに、このグローブでも殴りをここまで入れてのスパーリングは週に一度だけなので。試合前は週に2度することもありますが、貰わないように心がけていますし、16オンスですから大きなダメージを残ることはほとんどないです」

──ストラッサー起一選手と削り合い、三浦広光選手と殴り合うというハードなスパーでした。5分刻みですし、攻め時など試合を意識して動いているのでしょうか。

02「試合直前はもう考えないです。試合まで時間がある時は、どういう風に攻めるのかなど考えながらやっていますが、試合前になると戦いのなかでどう仕上げていくかを一番重視しています。

ただ、岡見(勇信)さんだとか周りで見てくれている人たちが、寝技で膠着したりするとブレイクを掛けて早目にスタンドに戻してくれます。16オンスをつけてのトレーニングなので、その目的を考えてくれてのことですね。

ここまでの練習も次の金曜日(※取材は12日(火)に行われた)に仕上げて、それで土曜日からシンガポールへ行きます」

──前回の試合が昨年9月の日本大会でしたが、9カ月空いてしまいました。

「2月にサクサクと日本人選手の試合が決まったの、自分もそろそろかなって思っていたのですが(苦笑)。ただ、5月にもオファーが来ていましたが、プライベートな理由で受けることができなくて、6月にしてもらった形です」

──ジェイク・マシューズの名前を聞いた時には、どう思いましたか。

「やっと知っている選手だって(笑)」

──簡単ではない相手かと思いますが……。

「ちょっと考えると厳しい相手なんですけど、UFCに楽な相手なんていないですし。UFCはトーナメント表のないトーナメントで、チャンピオンになるために一つずつ上がっていくしかない。そういうなかで、9月に勝ったことでようやくジェイク・マシューズ級の選手と戦えるんだって嬉しかったです。

ここで勝てば、また上の山で戦えるだろうし。勝ったら相手のレベルが上がっていくという心構えは、UFCと契約してからずっとしてきました。なので、ここでジェイク・マシューズが相手というのは『よしッ!!』って感じです。それにどうせ強いなら、名前のある選手の方が良いですし。チャレンジとかでなく、自分の力を試すことができる相手と戦いたいので。

ジェイク・マシューズのような名前のある選手と戦っても、『勝てるんだ』という気持ちを出せるところを見てもらえる。そういう相手とようやく戦うことができるなという気持ちです」

──そのマシューズに対して、どのような印象を持っていますか。

「乗ってくると、竜巻がデカくなるような(笑)。風力を増してくるので、そこは自分の方から前に出て、早め早めに攻撃の芽を刈らないといけないです。

そういう相手の得意なところでも、こっちの方が気持ちも負けないで潰していきます。『前に出られないな』、『面倒くさいな』とマシューズに思わせるようなファイトを心掛けます……そういうタフな試合がしたいですね」

──デビュー以来無敗で9連勝と乗りに乗っていた時期がある選手が、その後連敗を喫し沈むかと危惧されたのですが、ウェルター級に階級を戻し連勝中です。

「あの初めての敗北から、落ち着いたところが出たかとは思います。何よりウェルター級で戦うようになって、体の大きさが変わりましたよね。自分のフィジカルだとか、攻撃にまた自信を持って戦っているように見えます。

ただ、その自信を持った攻撃を出させる前にこっちの形にして、マシューズのリズムには付き合わないです。そういうところが今回の試合の鍵を握って来るかと思います」

──スクランブルMMAが確立してから、このスポーツを始めた若いのに出来上がっている感のある、アグレッシブなウェルラウンダーかと。

「その若さが見え隠れする点が、ジェイク・マシューズだと思います。それが良くもあり、悪くもあるので」

<この項、続く

■ UFN132対戦カード

<ウェルター級/5分5R>
ドナルド・セラーニ(米国)
レオン・エドワーズ(英国)

<ライトヘビー級/5分3R>
タイソン・ペドロ(豪州)
オヴァンス・サンプレー(ハイチ)

<女子フライ級/5分3R>
ジェシカ・ローズクラーク(豪州)
ジェシカ・アイ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
阿部大治(日本)
リー・ジンリャン(中国)

<バンタム級/5分3R>
ピョートル・ヤン(ロシア)
石原夜叉坊(日本)

<フェザー級/5分3R>
フィリッピ・アランテス(ブラジル)
ソン・ヤードン(中国)

<フェザー級/5分3R>
ロランド・ディ(フィリピン)
ショーン・ヤング(ニュージーランド)

<ウェルター級/5分3R>
エクトル・アルダナ(メキシコ)
ソン・ケナン(中国)

<ウェルター級/5分3R>
ジェイク・マシューズ(豪州)
安西信昌(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
イェン・シャオナン(中国)
ヴィヴィアニ・ペレイラ(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
マット・シュネル(米国)
井上直樹(日本)

<フライ級/5分3R>
ジネル・ラウサ(フィリピン)
佐々木憂流迦(日本)

<女子フライ級/5分3R>
メリンダ・ファビアン(ハンガリー)
キム・ジヨン(韓国)

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