【CAGERAGE】今成、足関一閃!シャムロックはKO負け
英国ナンバーワンMMAプロモーション、プロエリート傘下となり米国でのTV中継も実現したケージレイジ。その25度目の大会、「BRING IT ON」が8日(土・現地時間)に満員の観客をロンドン・ウェンブリー・アリーナに集め行われた。
【写真】英国MMAナンバーワン・プロモーション、ケージレイジ (C) CAGERAGE
全11試合が行われた同大会のセミファイナルに出場した今成正和、自らが持つケージレイジ世界フェザー級王座の防衛戦でジーン・シウバと対戦した。
「ハイスピード・グラップリング・チェス・マッチになるだろう」、MMAワールドの重鎮ステファン・クワッドロの事前予想が流された直後、まずジーン・シウバが柔術衣を着て入場。続いてマサカズ・アシカンジューダン・イマナリというリングアナのコールに、ベルトを左肩にかけて今成がケージに上がる。座ったままで試合開始を待つという序盤から趣のある展開を見せた両者、ローカル・ファイターにはない雰囲気をウェンブリー・アリーナにまき散らす。
ブラジル人×日本人という対決で、英国のファンも今成に露骨なブーイングを送ることはない。
試合は今成のローキック2発でスタートした。続いて放ったハイキックを空振りした今成。まっすぐ前に進む今成にシウバのパンチがヒット。二発目の左ストレートを受けた今成はタックルから、引き込むようにガードをとる。
クローズドガードからラバーガードへ移行した今成、そのまま三角絞め、さらにオモプラッタからバックへ回り、スイープに成功する。下から今成のボディを蹴り上げたシウバだが、今成はすぐに距離を詰めて足関節へ。シウバも負けじとレッグロックをしかけ、今成が回転して逃れたところでスタンドへ戻る。
再び引き込んだ今成に対し、果敢にグランド戦を挑んだシウバは、足関勝負を仕掛ける。しかし、この勝負は無謀だった。今成のヒールホールドで左へ回転しエスケープを図ったシウバだが、2度目の回転の直後に今成がフックを組み直し、タイトにロックする。さらにケージ方向へ体を捩じり、回転した直後にシウバは声をあげながらタップアウト。2分30分、ヒールホールドで今成がケージレイジ世界フェザー級王座の防衛を果たし、そのベルトはEXC代表ゲーリー・ショーから再び今成の手に戻された。
EXCの実力者の眼前で、見事な一本勝ちを挙げた今成。この勝利は彼のキャリアで最も大切な勝利になるかもしれない。
今成の勝利後、ケージレイジの共同プロモーターであるアンディ・ギアとデイブ・オドネルが、マイクを握りはしゃいだ様子でメインイベントを煽る。
観客の大声援を浴びてケン・シャムロックが、ケージレイジに初出場。ケージの中央で、ロバート・ベリーを見上げる。
左ジャブからプレッシャーをかけるケン・シャム、ベリーはローから右ストレートを見せる。下がりながらの左ロー、左ジェブを放つベリーは、徐々にケージに押し込まれていく。自ら仕掛けないシャムロックだが、そのプレッシャーは相当のようだ。
それでも左ジャブを2発放ち、前進を図るベリー。続いて放ったパンチに、ケン・シャムもカウンターを合わせるが決まらない。大きな左フックを空振りしたケン・シャム、組みついてテイクダウンを狙うが、ベリーのヒザをボディに浴びてしまう。
再び距離を取った両者。左フックをヒットさせたケン・シャムだが、容易に距離をつめずに慎重なファイトを展開する。場内からブーイングが起こり始めたころ、ベリーが歩を前へ進め、左右のパンチを放つとケン・シャムが初めてケージに追い込まれる。と、直後にベリーが放った左フック、そして右ストレートが彼の顔面を捉えた。ケージ際でダウンを喫したケン・シャム、レフェリーが試合をストップしてベリーの1R3分26秒KO勝ちが決定した。
息子のライアンも拳を負傷し、1R終了後にドクターストップでケージを下りたこの日、MMAの厳しさを親子で体験。そして、44歳、シビアな現実を見せつけられたケン・シャム、彼の名声をMMA普及に利しようとしているプロモーション。現役続行を宣言し、EXCもキンボ戦を予定しているが――。レジェンドという異名を持つ老兵が、そのネームバリューを第一としてケージに上がり続けることは、今後極めて厳しいといわざるをえないだろう。
なおケージレイジ、次回大会は5月10日バーミングガムで行われ、イアン・フリーマンとポール・カフーンの対戦が決定している。
■全試合結果は下記の通り
ケン・シャムロック vs ロバート・ベリー
×[1R3分26秒/KO]○
・ケージレイジ世界フェザー級タイトルマッチ
今成正和 vs ジーン・シウバ
○[1R2分30秒/ヒールホールド]×
ロブ・ブロートン vs ネイル・グローブ
○[3R終了/判定]×
トム・ワトソン vs ピエール・ギエ
○[1R2分5秒/TKO]×
ムスターファ・アルターク vs ローマン・ウェバー
○[1R48秒/TKO]×
エンリッキ・サンタナ vs マイケル・ジョンション
○[3R終了/判定]×
アイリング・デリー vs エイセン・ベーリック
○[1R1分49秒/TKO]×
ジョージ・アンドリュー vs ライアン・シャムロック
○[1R終了/TKO]×
ジョン・ハサウェイ vs マーヴィン・アーノルド
○[1R1分32秒/TKO]×
ジョン・フィリップス vs ジャック・ボストウィック
○[1R4分10秒/TKO]×