【KSW42】ミドル級×ライトヘビー級王者対決=ポーランドの英雄ハリドヴ×新時代の旗手ナルクン
【写真】ハリドヴ×ナルクン。フィニッシュ率が高いが故に判定にもつれ込むこともある。そうなるとイニシアチブ争いも大切になってくるチャンピオン対決だ(C)KSW
3日(土・現地時間)に東欧最大のMMAプロモーション、KSWが2018年度初イベントをポーランドはウッチのアトラス・アリーナで開催する。KSW42 「Narukun vs Khalidov」のメインは、大会名にある通りKSWライトヘビー級王者トマス・ナルクン×ミドル級王者マメッド・ハリドヴの階級を越えた王者対決が組まれている。
ハリドヴは昨年5月に5万8000人を集めたスタジアムショーで、当時のウェルター級王者ボリス・マンコフスキー(※昨年12月に王座陥落)と181ポンド契約マッチで対戦して判定勝ち。今回はライトヘビー級王者のナルクンと203ポンド契約で戦う。
マンコフスキー戦はハリドヴ寄りのウェイトで、今回はナルクンよりのキャッチウェイトとなる。ライトヘビー級だがスピードのあるナルクンは、距離の取り方も優れておりKSWにイメージされるゴツゴツファイターとは一味違う。打撃では打ち下ろしのローから、対角線コンビネーションを駆使するナルクンだが、彼の持ち味は絶対的に寝技にある。
テイクダウン防御に難があるというよりも、背中をつけて戦うことを厭わずガードからのコントロールを好むナルクンは14勝(2敗)のうち11試合が実に一本勝ちというポーランドのサブミッション・マスターだ。そのフィニッシュも三角絞め、ヒザ十字、腕十字、RNCにギロチンと多彩を究めている。
既にライトヘビー級王座を3度防衛している28歳のナルクンは、今回のチャンピオン対決に関して「僕は真のミックスマーシャルアーチスト、ハリドヴのようなレジェンドと戦うことは光栄だけど、自分の技術が彼を駆逐すると信じている」と語っている。
これだけの実績を持つナルクンがレジェンドと認めるハリドヴは、KSWが活動を始めた2004年にリトアニア・ブシドーMMAが行っていたプロ修斗公式戦でMMAデビューを果たした──ポーランドMMA界のパイオニアだ。
日本では戦極、米国でエリートXCでも活躍してきた37歳のハリドヴはキャリアは34勝4敗2分。これまでダニエル・アカーシオ、ジョルジ・サンチアゴ、マット・リンドランド、ジェシー・テイラー、ケンドール・グローブ、マイケル・ファルカォン、ブレット・クーパー、ルーク・バーネットという錚々たるファイターに勝利し、ポーランド人選手を相手にして負けたことはなく、KSWでは20勝無敗という恐るべき戦績を残している。
ハリドヴもまたナルクンと同様にフィニッシャー、13KO勝ちと17の一本勝ちでフィニッシュ率は88パーセントを誇る。立って良し、寝て良し。後ろ回し蹴りから、ハイキック、ヒザ蹴りと蹴り技も強烈な武器になっている。パンチはフック系だが、回転が速くボディと相まって、彼のパンチのプレッシャーを跳ね返すのは簡単ではない。
強烈無比なパウンドを打ち下ろすかと思えば、ヒザ十字やヒールまで極めてしまうのだから、ハリドヴがポーランドMMA界で英雄視されるのも理解できるというもの。体格差は明らかだが、ハリドヴがスタンドの打撃に関してナルクンを恐れることはないだろう。
ハリドヴにとっては、もう数少ない自己証明の一つの手段。一方ナルクンにとっては、同国のMMAに新しい時代の幕開けをもたらす意味を持つ大切なノンタイトル=チャンピオン、そして新旧対決となる。
■ KSW42対戦カード
<203ポンド契約/5分3R>
トマス・ナルクン(ポーランド)
マメッド・ハリドヴ(ポーランド)
<ミドル級/5分3R>
ミハウ・マテラ(ポーランド)
スコット・アスカム(英国)
<ライトヘビー級/5分3R>
ウカシュ・ユルコフスキ(ポーランド)
マルチン・ザワダ(ドイツ)
<KSWライト級選手権試合級/5分3R>
[王者] マテウス・ガムロ(ポーランド)
[挑戦者] グシェゴシュ・ジュラコウスキ(ポーランド)
<KSW女子フライ級選手権試合/5分5R>
[王者] アリアネ・リプスキ(ブラジル)
[挑戦者]シルヴァナ・フアレス(アルゼンチン)
<ライトヘビー級/5分3R>
マルチン・ボイチク(ポーランド)
クリス・フィールズ(アイルランド)
<女子フライ級/5分3R>
カロリーナ・オフタッシュ(ポーランド)
パウリナ・レシェウスカ(ポーランド)
<フェザー級/5分3R>
フィリップ・ウォランスキ(ポーランド)
バルトミ・コペラ(ポーランド)
<ウェルター級/5分3R>
クリスチャン・カスボロウスキ(ポーランド)
クリストファー・ヘンゼ(ドイツ)