【UFC101】秘蔵っ子サダロー&インジオ、神の階級へ
8日(土・現地時間)に、米国ペンシルベニア州フィラデルフィアのワコビア・センターで行われるUFC101『DECLARATION』。全試合がサバイバル戦のUFCらしく、PPVカード&プレリミナリーのアンダーカードにも好勝負が期待できる試合が揃った。
【写真】負傷欠場中もTUFの枠内で、PPV大会の見所のコーナー(CM)に出演し続けるなど、米国内での露出は続いていたサダロー。1年1ヶ月振り、2度目のMMA戦を迎える (C) ZUFFA
ミドル級のケンドール・グローブ×ヒカルド・アルメイダ、ライト級のジョシュ・ニアー×カート・ペルグリーノ、同じくライト級のTUFファイター対決=ジョージ・ソティロパロス×ロブ・エマーソンなど、勝てばステップアップ、負ければリリースという厳しいカードが並ぶなか、ウェルター級の2試合に注目したい。
強すぎるGSP王朝の下、どれだけ強いファイターが育ってくるかが今後のウェルター級の見所だが、TUF出身者が少ないのもこの階級だ。敗者復活のシーズン4を除くと、この階級でサバイバル戦が繰り広げられたシーズン2&4のウィナー=ジョー・スティーブンソンとマック・ダンジグは共にライト級に転向し、その後もUFCで活躍を続けるファイターもメルヴィン・ギラード、同大会に出場するソティロパロスなど、階級を下げるファイターが目立っている。
ウェルター級のTUFに出場していたファイターでは、マーカス・デイヴィスやベン・サンダースが今も同階級に留まっているのが目立つぐらい。他方、シーズン1の生き残りマイク・スウィックが、王者挑戦に近づいているようにライトヘビー級やミドル級から、ウェルターに下げるファイターにはマット・ブラウンなどが存在する。
そのブラウンが出演したシーズン7ウィナーのアミール・サダローが今大会でウェルター級転向を果たし、ジョン・ヘンドリックスと対戦する。昨年7月にTUFシーズン7でCB・ダラウェーを破り優勝を果たしたサダローにとって、この試合が2度目のUFC、そしてプロMMAもこれが2試合目となる。
アマチュアで4戦を経験したサダローは、昨年活動を停止したIFLがシカゴで開催したドラフト(250名以上がエントリーし、合格は50名)に選ばれた際、ズッファ・スタッフの目に留まってTUFに抜擢された。
「サンボの黒帯だけど、ブラジリアン柔術じゃないし、柔術じゃあ白帯だよ」というサダローは、オランダのキック・トレーナーであるマルコ・ヴァンデンブロークに師事し、ムエタイのスキルをアップさせている。いわばズッファの秘蔵っ子といえるサダローの実力のほどは、このウェルター級転向により再確認されることとなるだろう。
【写真】スタンドでラバーを見せるダニーロ・ビルフォート・インジオ。ウェルター級2試合目で、最強GSPが君臨するUFCウェルター級戦線に加わる (C) MMAPLANET
また、オープニングファイトのウェルター級戦はWEC移籍組同士の顔合わせ、ジェシー・レノックス×ダニーロ・ビルフォートの一戦だ。父親がカーウソン・グレイシーの時代のバーリトゥード・ファイターだったビルフォートは、柔道と柔術を幼少のころから習い、今はフロリダのATTに所属している。力技ではなく、タイミングで投げる柔道スローは密かにMMAワールドで注目を浴び、その腰投げには一見の価値がある。
UFCではテイクダウンの攻防がケージ際でよくみられるが、ワキの差し合いから一瞬にして、サイドを奪うことができる彼の投げは大きな武器となるに違いない。それ以降の寝技の展開も得意とするが、課題は組みつくまでの打撃だ。実弟がタイで修業したこともあるムエタイ・ファイターだけに、苦手分野の克服には余念がないが、1月のWECデビュー戦ではまだ対応しきれていなかった。
半年の準備期間を経て、どのようにグレードアップされているか。父のリングネームと同じ、インジオの愛称を持つ親子鷹ファイターがいよいよUFCデビューを迎える。
■UFC101対戦予定カード
<UFC世界ライト級選手権試合/5分5R>
[王者]BJ・ペン(米国)
[挑戦者]ケニー・フロリアン(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
アンデウソン・シウバ(ブラジル)
フォレスト・グリフィン(米国)
<ウェルター級/5分3R>
アミール・サダロー(米国)
ジョニー・ヘンドリックス(米国)
<ミドル級/5分3R>
ヒカルド・アルメイダ(ブラジル)
ケンドール・グローブ(米国)
<ライト級/5分3R>
ジョシュ・ニアー(米国)
カート・ペルグリーノ(米国)
<ライト級/5分3R>
シェーン・ネルソン(米国)
アーロン・ライリー(米国)
<ウェルター級/5分3R>
タムダン・マックローリー(米国)
ジョン・ハワード(米国)
<ミドル級/5分3R>
ターレス・レイチ(ブラジル)
アレッシオ・サカラ(イタリア)
<ウェルター級/5分3R>
マット・リデル(米国)
ダン・クレーマー(米国)
<ライト級/5分3R>
ジョージ・ソティロパロス(豪州)
ロブ・エマーソン(米国)
<ウェルター級/5分3R>
ダニーロ・ビルフォート(ブラジル)
ジェシー・レノックス(米国)