【UFC221】成長の跡は見せた──が、夜叉坊はキニョネスとの接戦を落とす……
<バンタム級/5分3R>
ホセ・キニョネス(メキシコ)
Def.3-0:30-27.29-28.29-28
石原夜叉坊(日本)
サウスポー同士、夜叉坊はジャブを見せるが、蹴りを繰り出した直後にキニョネスが組みつきテイクダウンへ。すぐに立ち上がり胸を合わせた夜叉坊はケージに押し込まれながらもヒザを返していく。強烈なテイクダウンのプレッシャーに、ウィザードでバックを許さない夜叉坊だったが、前方に崩され背中を取られる。
四の字フックでバックマウントを許した夜叉坊は、手首を掴み胸を合わせにいく。残り90秒で立ち上がることに成功した夜叉坊、ケージに押し込まれたがキネニョスのショーツかファールカップに問題があったのか、ブレイクが入る。
オクタゴン中央で再開となり、夜叉坊は圧力を変えて左を打ち込む。続く接近戦で首相撲からヒザ蹴り、アウトサイドトリップでキニョネスを転がせる。スタンドで離れた両者、最後に夜叉坊が左を打ち込みキニョネスが後方にバランスを崩す。追い打ちの飛び左ミドルを入れたところで初回が終わった。
2R、初回終盤のリズムを大切にしたい夜叉坊は左ハイから試合に入り、右ローを蹴っていく。さらに右ミドルハイを見せた夜叉坊は、キニョネスの右ハイをブロックするも、右ローで前足を払われそうになる。ローにはローを返す夜叉坊は首相撲にダブルレッグを合わせてテイクダウンに成功する。
夜叉坊は立ち上がり際にバックを取ることはならなかったものの、打撃の間合いで左フックを振るっていく。頭を振って前に出て左を狙った夜叉坊、イーブンなタフファイトのなかで成長の跡は如実に見せている。キニョネスのダブルレッグを切った夜叉坊は左クロスで足が泳いだところで、左を入れてついにダウンを奪った。
最終回、ユライア・フェイバーの叱咤激励を受けた夜叉坊はまずキニョネスとハグをする。戦闘再開、キニョネスの右ハイをかわし左ローを蹴りこむ夜叉は、テイクダウン狙いも切ってケージ際から離れる。キニョネスは嫌な左右のローを続けるが、それほどパンチの圧力はない。オーソで構えることが増えたキニョネスに対し、夜叉坊は右ジャブを伸ばし、タイミングを計る。
キニョネスは右ミドル、スイッチスタンスでワンツー、オーソに戻して右ハイを見せる。夜叉坊のテイクダウン狙いを切ったキニョネス、その前進に夜叉坊が左フックを合わせようとする。精神戦は終わり、爆発力が必要な最後の30秒──夜叉坊は左を見せたが、これは当たらず。そのままタイムアップを迎えた。
初回はキニョネスのバックと夜叉坊の終盤の打撃をジャッジがどのように判断するか。2Rは夜叉坊、最終回は非常に微妙だ。果たして、30-27というスコアが読み上げられた時点で夜叉坊の勝利かと思われたのだが……3‐0でキニョネスに凱歌が挙がった。