【UFC221】バンタム級でキニョネスと対戦、石原夜叉坊 「優作さん、ノリピー。俺、大丈夫やから」
【写真】パースにあるフォンズ・タイ・マーシャルアーツ・センターにて。以前のバンタム級時代とまるで違うボディの夜叉坊。バンタム級開眼だ(C)TERUTO ISHIHARA
11日(日・現地時間)、豪州はパースのパース・アリーナで開催されるUFC 221「Romero vs Rockhold」で石原夜叉坊がホセ・キニョネスと3年7カ月ぶりのバンタム級戦に臨む。
試合を3日後に控えた夜、現地の夜叉坊にインタビューを試みた。バスルームから、弾む声は調子の良さを伺わせた。
──日曜日の朝に試合を控えた、夜叉坊選手です。今の調子はいかがですか。
「結構、良い感じできています。あぁ~(※後方でチャッポンと水が跳ねる音がする)」
──アレッ、今、入浴タイムですか。
「半身浴で水をだしています」
──計量の2日前からドライアウトをしているのですか!!
「いえ、水抜きの練習をやるという名目でリラックスしているだけです(笑)」
──なるほど、ホッとしました。何を危ないことをしているのかとビックリしましたので。
「もう僕は135(ポンド=バンタム級)の人間なんやってつくづく思っています(笑)。皆、そう思っていたんでしょうけど……やっと向き合えましたね」
──体重の方も順調に落ちていますか。
「そうですね、今日の朝イチで64.5キロとかでした」
──もうリミットまで2.4キロ。水抜きで落とす量としては、他の選手より少ないですね。
「僕、水抜きはめっちゃ嫌いなんでたくさんの飲料とたくさんの放尿で体重を落としていっている感じです」
──なるほどッ。今回の開催地であるパースはサクラメントからの移動でいえば、太平洋を斜めに突っ切る感じで、かなりの長旅だったと思います。
「まずLAに行き、そこからシドニー、ほんでパースと23時間掛かりました」
──では日本からブラジルへ行くのよりは、まだマシという感じなのですね。
「ブラジルは絶対に行きたぁないですね。サクラメントからでも。ブラジル大会のブラジル人って、皆が同じ体形しているじゃないですかッ!!」
──もう何を言わんかということは察知できます(笑)。
「アハハハハ。あんなもん、何かやっていますね? 今になってですけど、こないだの大会を見て僕も『おかしいやろう』って感じるようになって」
──盟友の田中路教選手はだからと言って避けているから、日本人は勝てない。ブラジルでブラジル人に勝てないと、チャンピオンにはなれないとかつて宣言していましたよ。
「あの人はそういうスタイルなんですよ。ノリピーは常に険しい道を選択する。次はロシアやし、それがノリピーなんです」
──ところでブラジルといえば、先日のパンクラスにバーバラ・アシオリが来日し……。
「あの質問、アレ、高島さんでしょ。僕が手が早いとかっていうの(笑)。あの子、よく話も一緒にしていましたし仲良いんですよ。多分、本気で狙ったら落とせますよ(笑)」
──そうだと思います(笑)。試合以外だと夜叉坊選手はブラジルが合うと思いますが、今はパースの話に戻しましょう。北米とは季節も違い、時差もある街です。
「こっちが夏やから、豪州で試合をしたいってUFCに伝えたんですよ。1階級下げる時に夏で、大きな大会っていうのは俺に合ってるなって。
時差も取れてきましたし、サクラメントでは練習が朝の9時スタートやから6時には起きていますし。だから時差が取れると、朝の8時とかの試合で会場入りが早くても大丈夫ッスね」
──声にも張りがありますね。
「でしょう?(笑)。調子がエェっていうか、しっかりとやってきたんで自分に自信があります。慢心はしていないけど、やってきたことを試合で出す。気負っていないです。
──ホセ・キニョネス、改めてどのような選手でしょうか。
「打撃も組みも。タイプ的には距離を取って戦うタイプで。蹴りで距離を作ってボクシングとテイクダウン、テイクダウンは強いですね」
──重心が高くてもワキを差してボディロック&小外で倒す。
「組みたいでしょうね。組みに関しては大丈夫、十分にやりこんできたので」
──ではサウスポー対策は?
「サウスポーっていうより、オーソにも構えるしごちゃごちゃしている。外を取りたい嫌がらせの打撃で、相手が前に出てきたらテイクダウンを狙うような」
──確かにガチャガチャした展開が多いです。
「何でもできますよね、ただし怖くはない。アイツは怖さがないんです。だから食ってかかってやろうと思います。3連勝で調子に乗っているし、今朝も顔を合わせて。向うもやる気満々、エェ試合になりますよ。
勝つイメージはできていますし、何よりもこれまではそのイメージが崩れた時に止ってしまっていたのが、そうならないように積んできました。使いたいモノが使えなくなった時、そういうパターンの練習もやってきたので……うん、大丈夫です。もう迷うことはないです」
──覚悟も決まっているようですね。
「ここがスタートですから。(中村)優作さんとか、ノリピーに『もう俺、心配いらんで』ってところを見せたいですね。僕はずっと2人の世話になってきました。9月の試合は優作さんがサクラメントまで来てくれて……。
だいたいRoad to UFC JAPANなんてノリピーがいてくれなかったら、絶対に生き残れなかった。東京に出て来て遊びまくっている時に話があって、そこからはトレーナーもおらへんで状況でノリピーが僕の面倒を見て、仕上げてくれました。
それ以来、ずっと気に2人には気にかけてもらっている。優作さんにもノリピーにも……だから、もうそろそろ『俺、大丈夫やぞ。お前ら、置いていかれんなよ』っていうところを見せないとアカンし、ソレを今回は見せます」
──試合前の忙しいなか、インタビューを受けて頂きありがとうございました。ところでパースの後はサクラメントに戻るのですか。
「そうですね。本当はタイとかミャンマーに行って、日本に寄ろうかと思っていたのですが、一旦はサクラメントに戻って20日ぐらいに日本に行こうかと」
──その時期に今、国名が出たミャンマーで同じ関西の竹中大地選手がONEで戦いますね。
「えっ、そうなんですか!! 海外、初めてですよね。ついにっ!! 竹中君は強いですよ」
──大阪の選手は口を揃えてそう言います。
「強いです。気持ちも強いし、やることを決めてとことんやり抜く。芯があるんですよね。復帰で海外って、勝負賭けていますね。きっと、やってくれますわ」
──その前に『きっとやってくれる』選手が日曜日にいるので、最後に一言お願いします。
「ホンマにやったりますよぉ!! ベストな試合を見せます。んで、キレーな英語でマイクアピールして、オージーガールズ──行きますッ!!」
■UFC211対戦カード
<UFC暫定世界ミドル級王座決定戦/5分5R>
ルーク・ロックホールド(米国)
ヨエル・ロメロ(キューバ)
<ヘビー級/5分3R>
マーク・ハント(ニュージーランド)
カーティス・ブレイズ(米国)
<ヘビー級/5分3R>
タイ・ツイバサ(豪州)
シリル・アスケア(フランス)
<ウェルター級/5分3R>
ジェイク・マシューズ(豪州)
リー・ジンリャン(中国)
<ライトヘビー級/5分3R>
タイソン・ペドロ(豪州)
サパルベク・サファロフ(ロシア)
<ライト級/5分3R>
ダミアン・ブラウン(豪州)
キム・ドンヒョン(韓国)
<ミドル級/5分3R>
ロブ・ウィルキンソン(豪州)
イスラエル・アデサニャ(ニュージーランド)
<フェザー級/5分3R>
アレキサンダー・ヴォルカノフスキー(豪州)
ジェレミー・ケネディ(カナダ)
<フライ級/5分3R>
ベン・ヌグエン(米国)
ジョズエ・フォルミーガ(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
ロス・ピアソン(英国)
廣田瑞人(日本)
<バンタム級/5分3R>
石原夜叉坊(日本)
ホセ・キニョネス(メキシコ)
<ウェルター級/5分3R>
ルーク・ジュモー(ニュージーランド)
阿部大治(日本)