【Shooto】世界バンタム級王者を破る番狂わせ、齋藤曜 「堀口選手やヌルマゴメドフを意識」
【写真】世界王者を破るアップセットにより、何を得ることができるか。次の試合が楽しみなギロチンだ(C) MMAPLANET
1月28日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されたプロ修斗公式戦で、齋藤曜がノンタイトル戦ながら世界バンタム級王者・佐藤将光から判定勝利を収めた。
試合は1Rから齋藤がケージレスリング&スクランブルの強さを存分に発揮。佐藤の打撃を被弾することなく組みの攻防に持ち込み、必殺のギロチンチョークを狙いつつ、完璧に佐藤をコントロールし続けた。
かつて“Theギロチン”を名乗っていた一芸ファイターからMMAグラップラーへの進化について語った。
──ノンタイトル戦で世界バンタム級王者の佐藤将光選手に判定勝利した齋藤曜選手です。試合を終えた直後ですが、今の心境は?
「……疲れましたね(苦笑)」
──試合はテイクダウンした齋藤選手がケージレスリング&スクランブルの攻防で攻め続けるという展開が続きましたが、ああいった展開は想定されていたのですか。
「まあ状況によってという感じですけど、ああなるかなというのは想像していました」
──実際に佐藤選手と戦ってみて、どこが勝因だったと思いますか。
「最初に前蹴りが何かすげえ速さで、ノーモーションで飛んできて(苦笑)。ちょっと接近戦だとやばいかなって思いました。それで少し距離を取って、自分だけいける戦い方をしようと思って、何とか上手くいったかなって感じです」
──一旦、組んでクリンチまで持ち込めば、どうやってもテイクダウンを取れるという自信はありましたか。
「そうっスね。練習でも大体は相手をコントロール出来ていたので、自信はありました。でも技術だけで抑え込まない分、力も使っちゃって。佐藤選手も力が強かったので、それで疲れちゃいましたね」
──試合展開だけでいえば、完全に佐藤選手を自分の型にはめた試合だったと思います。あの展開は齋藤選手の得意な形ですか。
「はい。練習でもそこを意識してずっとやってきていたので。ただ佐藤選手も同じだったと思いますけど、マットがすごく滑っちゃって。自分もダッシュする力が弱くなったし、佐藤選手も踏み込みがイマイチだったのかなって思いました」
──結果的には齋藤選手の完封勝利だったと思いますが、あれだけケージレスリング&スクランブルの攻防を続けると、攻めている齋藤選手の消耗の激しかったと思います。途中で攻防を妥協しそうになる場面はなかったですか。
「もっと面白い試合をしたかったので、最終的に一本を取りにいければ良かったんですけど、一本を取り切れずに反撃されるのが怖くて押さえ込みを重視しちゃいました(苦笑)。そこが何か心残りですね」
──とはいえ修斗世界バンタム級王者を完封といって良い内容で破りました。そういう試合が出来たことは自信にはなりませんか。
「最近になって抑え込みとかコントロールを色々と勉強して、練習ではすごく上手くいっていたので。試合ではそこまで出せてなかったですけど、佐藤選手を相手に抑え込める試合が出来たことで、コントロールという意味では自信になりました」
──コントロールを磨いたという部分で、齋藤選手自身、得意技のギロチンチョークだけではトップに行けないという考えもあったのですか。
「そうっスね。さすがにギロチンだけじゃ厳しいなと思って。それで色々な人にケージレスリングを教わったり、自分でも映像を見て勉強をして、打ち込みやスパーリングでの動きに落とし込む感じで練習していました」
──特に真似した選手や、誰かに教わったアドバイスが効いたというのはありますか。
「青木(真也)さんのハーフガードだったり、足の上に座る動きが一番勉強になりました。あとは最近になって、まだ全然なんですけど、距離感だったら堀口(恭司)選手を見てステップの練習をしたり、グラウンドになったらヌルマゴ(カビブ・ヌルマゴメドフ)を意識していました。
そんな感じで自分で勉強したことをミックスして、打ち込みで自分なりに重ね合わせていくことで今のスタイルが少しずつ出来てきましたね」
──2018年の初陣で勝利しました。今年の目標を聞かせてもらえますか。
「とりあえず今回の試合に勝つことだけを考えていたので、まだ先のことは何も考えられないですね……。とりあえず一度、今後のことはじっくり考えて、どうしていくかを決めたいと思います」