【Gladiator005】ライト級王座防衛戦で岸本泰昭と戦う濱村健─02─「関西の諸先輩方は皆、敵」
【写真】アキラとスパーリング。インタビューの受け答えと同様に絶好調といくか (C) MMAPLANET
21日(日)に大阪市阿倍野区の阿倍野区民センター大ホールで開催されるGLADIATOR005で、グラジエイター・ライト級王座の防衛戦を岸本泰昭を相手に行う濱村健インタビュー後編。
もともと関西畑の濱村は、今回の試合を前にして関西系の先輩ファイターたちに言いたいことがかなりあったようだ。
防衛戦前のインタビューにも関わらず、岸本に関してよりもその方面の方が雄弁になった舌好調、本領発揮のハマケンであった。
<濱村健インタビューPart.01はコチララから>
──ライト級の選手も集まりつつあるのですね。
「特に水曜日はそういうパターンが多いですね。GSAは組み伏せる人が多くて、体格差はあったとしてもそうでない部分でやられています。組みの対処、組んでくる人を殴る。そういう部分は当然のように身に付きますし、それだけでなくて自分の組み方という部分も成長できます。やられつつも、そういう感じになっていますね」
──足で捌ける域に達していますか。
「う~ん、できている時とできていない時がありますね。でも、ここでいつもできていたら国内だったら、ほぼどこでもできることになりますよ」
──確かに。
「どうしても組みのプレッシャーの強い人とやっていると、疲れてきて見る展開が増えて、最後は転がされるということは多いです」
──それも岸本選手との戦いに当てはまることですよね。
「ハイ。でも試合になると、どれだけ組みが強くて元気な人も腹が効いてくると組めなくなってきますよね。ホンマは顔にパパーンって決まったらエェんですけど、そう上手くはいかないので腹から攻めて、組みの能力を落とそうと思います。
岸本っちゃんも死なない、ゾンビみたいファイターで最後まで粘ってくるので。頑張りマンとの頑張り合いで、あなたがダメージを負っているよねっていう戦いが痺れる展開ですね」
──阿倍野区民センター──関西での試合というのは、今も特別な想いはありますか。
「まぁ、昔からの友達が『頑張ってんねんな』って応援に来てくれる。そういう場所ですね。ちなみに阿倍野区民センターは釜谷(真)がイ・ギルウと戦ったところです」
──マメ情報ありがとうございます(笑)。今回の防衛戦の先にファイターとして、どこを目指すような形で濱村選手はいるのでしょうか。
「どうしましょう?」
──こういうとアレですが、永遠の中堅にならないために勝利が必要ではないでしょうか。
「そうですよね。惰性で続けるには、しんどいことをやっていますし。どこを目指すというより、強くなりたい。どんな感情か分からないですけど、もっと腕を上げたいというのはありますよね。だから、岸本さんと戦いたいという気持ちになったし。
強い選手と戦うことが、自分の腕を上げるということに通じるでしょうし。かといって、ACBに行って16勝0敗の人と戦うという気持ちはサラサラないですけどね。それはサラサラないです。でも、自分のなかでの次のハードルを越えたい──みたいなのはあるんですよ。
長岡(弘樹)選手に負けているし、花澤大介に負けている。その辺の自分の中の壁じゃないですけど、エェ加減そこを越えようぜって。永遠の中堅ファイターはしんどいじゃないですか。だから、組みの強いおっさんのところに飛び込んで、おじさま方に相手してもらっているんですよねぇ」
──グラジエイター、HEATというところで勝って次へ進む。ストラッサー・メソッドを我が手でも、というのはありますか。
「いや、それはないんです。実は」
──ではDEEPの5分×2Rで戦うことも構わない?
「いやっ、それは嫌ですけど……。でも、グラジエイターとかで勝って上へということではなくて、岸本選手に勝てばまた良い試合が回って来るだろうし。そういうことなんですよ。次のステージに行きたいですね」
──引き続き、グラジエイターに出場していくという気持ちもありますか。
「こんなこと言うと、怒られるかもしれないですけど……相手次第ですッ」
──そこはファイターとして、当然だと思います。
「ただ、今回の試合はメインイベントだし、『出して良かった』とイベントの方にも思われたいというのはありますよ。それに試合決定から時間もあったし、岸本選手対策というよりも、地力をあげる時間がありました。だから、腕は上がっているはずです」
──どのような試合をしたいと思っていますか。
「自分がやりたいと思って目指している形になる、そういう試合をしたいですね。足さばきもそうだし、LUIZの呪いを解くために右を思い切り打ち込みたいですし。大前提としてテイクダウンされないこと。倒れて下から仕掛けるほど、柔術の精度を持ち合わせていないですから。
結局、岸本選手は打撃が良くなっても組みで勝負。僕は壁の練習をしても、武器は打撃。弱点を補っても、強味は変らない。それが主軸にあるはずですから」
──なるほど。では、最後に一言お願いできますか。
「一言ですか? 違う意味ですけど──一言あります。あの中尾受太郎さんのインタビューの『濱村とやるより良い』っていう発言(笑)。そりゃ、僕とやるより近藤有己選手とやる方がエェでしょう。それは皆そうやし、僕もそう思いますよ。でも、ケガをして試合をなくした張本人が言うなよって(笑)。己やろ、ケガしたのはッ!!
でも凄いですね、相変わらずジョギングだけで試合に出るって。僕より一回りも上やのに。だから体もフレッシュなんですよ。じゃあ、なんで俺との試合の前だけ骨折したんやって(笑)」
──濱村選手には意地でも負けたくないから、練習したのではないですか(笑)。
「そういうことか……」
──中尾選手のインタビューを気にしている濱村選手でしたって……、綺麗にまとめようとは思わないですか?
「受太郎さんよりも、僕がもっと言いたいのは桜木さんのことです」
──エッ? 桜木さんとは、桜木裕司選手のことですか。
「ハイ、ウチの少年部で指導をしている桜木さんです。寒川(慶一)さんと士道館の縁があるからって、神戸まで行って岸本さんに打撃の指導しているって、ホンマ何してんの?」
──そこですか、本当に言いたかったことは!!
「だってウチのジムで火曜日に指導をしてもらっている人がですよ……」
──つまり濱村選手が指導料を支払って?
「左様でございます」
──その桜木選手が対戦相手の岸本選手に打撃の指導をしていた?
「左様でございます(笑)」
──ギャハハハハ。それは一言、言いたくなる(笑)。
「どういうことやねんと。まぁ、僕は桜木先生に習ったことはないですけど、スーパー天然なんで何の悪気もないんですよ。寒川さんが誘ったんか……、もう寒川選手のフェイスブックも『次の岸本選手の試合の対策をやっています』っていうのが連日ですよ。いや、待て、待てと」
──寒川代表にも一言ある?
「オタク様の自主興行のとき、成蹊館のリングを使っていて、ワシがリング組み立てていましたよって(笑)。エェ加減にせぇよと」
──それは仕方のないコトでは?
「ハイ。寒川さんは仕方のないコトです(笑)。にしても桜木先生はぁ……」
──それが試合に向けて最後の一言で良いですか(笑)。
「まぁ、もうまとめてエェ加減にしぃや──ということです。僕のフェイスブックに出てくる諸先輩方、関西の先輩方、全員敵やと思っているので。
桜木さん、関西じゃな~い。関西じゃな~い──ですけどね(笑)」