【Bellator186】フィル・デイヴィスの再起戦、×柔道→柔術=ミスター・ポスチャー=レオ・レイチ
【写真】真っ向勝負、いなす勝負、どちらも見所があるレイチとデイヴィスの一戦だ (C)BELLATOR & MMAPLANET
3日(金・現地時間)、ペンシルバニア州ユニバーシティパークのブライス・ジョーダン・センターでBellator186「Barder vs Vassell」が開催される。同大会のメインではライアン・ベイダーが6月に奪取したベラトール世界ライトヘビー級王座、初防衛戦をリントン・ヴァッセルを相手に行う一戦が用意されている。
そのベイダーに敗れベルトを手放したフィル・デイヴィスも今大会で再起戦が組まれ、レオ・レイチと対戦する。2015年9月のベラトール移籍移行、試合内容においても納得の強さを見せ、ライトヘビー級GP優勝から世界のベルトを巻いたデイヴィスだが、元UFCファイター同士のタイトルディフェンド戦では、サークリング&間合いを図る打撃からテイクダウン狙いという地味な戦い終始してしまった。
タイトル奪回へ向け、デイヴィスが再起を図る一歩、その相手はキャリア10勝0敗のブラジリアン=レイチとなった。2013年6月のMMAデビュー以来、勝ち星を積み重ね2014年9月には5戦目で米国進出を果たし、その初戦でLegacy FCライトヘビー級王座を奪取。さらに翌2015年2月にレガシーFCミドル級王座を獲得すると、11月には後のDWTNCS=UFCの人材発掘大会に出場することになるライアン・スパンを相手に初防衛にも成功している。
ここ2戦は母国ブラジルで戦い、満を持してのメジャーデビューを迎えるレイチは、既に39歳。柔道出身のブラジリアン柔術家として注目を浴びてきたファイターだ。柔道では1997年にブラジル選手権で優勝、パンナムで3位、五輪や世界大会の出場はないが南米選手権やブラジル学生選手権でも頂点に立っている。
レイチは柔術ではアリアンシ・リオ代表のアレッシャンドリ・パイヴァの黒帯で1999年と2000年にムンジアルでスーパーヘビー級&ウルトラヘビー級で世界王者となった。その後も2008年に世界準優勝、2013年頃まで世界選手権、プロ柔術のコパ・ポジオで柔術を戦いつつ、MMAのキャリアを積んできた。
MMAファイターとしてのレイチはシングルレッグやダブルレッグでテイクダウンを奪い、トップからパウンド、スクランブルでバックを制すという至って平均的な動きが目立つ。その一方で、やはり強さを感じさせるのは相手の首を抱えた状態での軸の強さ。ダーティーボクシングでのパンチの強さはデイヴィスも警戒が必要だ。
また、首を取るかワキを差した状態で小内刈りからシングルレッグへ移行するなど、柔道家の片鱗もやはり見せている。寝技に関しては柔術時代からそうであったが、いわゆる柔術家的なガードワークではなくトップからパス、サイドからのコントロールを得意としており、代名詞の腰絞め(クロックチョーク)の抑え方などは、バックコントロール&パンチに応用されているといっても間違っていないだろう。
そして柔道らしいといえば、亀の相手への横三角もまたレイチのフェイバリットテクニックの一つに挙げられる。打撃はオーソの構えで立ちポスチャーというべきしっかりとした体幹から、やや力み気味のジャブやストレートを繰り出す。デイヴィスに対して、足を使われた場合に、どれだけ追い足があるのかはレイチの課題だ。同様にどうしても動きが前後に限られる点でも、蹴りを交えた突き放し系のサークリング、ステップワークとレンジ・コントロールに長けたデイヴィスに翻弄される恐れがある。
常に攻める姿勢、これは柔道出身のMMAファイターの特徴ともいえ、そこをつかれステップとテイクダウンの揺さぶりでデイヴィスが削って来ることは十分に考えられる。より柔軟に力を使わず、そして抑えた時にスクランブルを許さないトップコントロールを駆使する──ことがレイチには必要になって来る。逆をいえば、倒されてもスクランブルに持ち込み、離れることでデイヴィスは復帰戦の勝利が近づくだろう。
■ Bellator186対戦カード
<Bellator世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者]ライアン・ベイダー(米国)
[挑戦者]リントン・ヴァッセル(英国)
<Bellator女子フライ級王座決定戦/5分5R>
イリマレイ・マクファーレン(米国)
エミリー・ダコート(米国)
<ライト級/5分3R>
ザック・フリーマン(米国)
サヤッド・アワッド(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
フィル・デイヴィス(米国)
レオ・レイチ(ブラジル)
<ミドル級/5分3R>
エド・ルース(米国)
クリス・デンプシー(米国)
<ウェルター級/5分3R>
ローガン・ストーレー(米国)
マット・シーカー(米国)
<フェザー級/5分3R>
ティワン・クラックストン(米国)
ジョニー・ボニーヤ・ボーマン(米国)
<フェザー級/5分3R>
マイク・トリザノ(米国)
マイク・オットウェル(米国)
<ミドル級/5分3R>
ライアン・パーカー(米国)
ジョシュア・フレンド(米国)
<フェザー級/5分3R>
アンドリュー・サラス(米国)
イーサン・ゴス(米国)
<フェザー級/5分3R>
フランク・ブエナフエンテ(米国)
フランシス・ヒーリー(米国)
<バンタム級/5分3R>
マット・ラザーノ(米国)
ドミニク・マゾッタ(米国)
<160ポンド契約/5分3R>
マイク・ウィルキンス(米国)
ブレット・マルチネス(米国)
<150ポンド契約/5分3R>
マイク・プットナム(米国)
スコット・クリーマー(米国)