【UFC215】五輪金メダリスト=セフード×ムンジ茶帯世界王者ヘイスの対戦は、組み方&組み伏せ方が鍵
【写真】組み勝つのはどちらかセフード×ヘイス (C) KEITH MILLS & GONGKAKUTOGI
9日(土・現地時間)、カナダ・アルバータ州のエドモントンにあるロジャース・プレイスで行われるUFC215「Johnson vs Borg」。プレリミナリーファイトで、同大会のメインで組まれる世界戦と同じフライ級の注目カードが組まれている。
この日、UFC最多記録となる11度目の世界王座防衛戦をレイ・ボーグと戦うUFC世界フライ級王者デメトリウス・ジョンソン。そのDJの8度目の防衛戦の相手ヘンリー・セフードと10人目のチャレンジャーだったウィルソン・ヘイスとの戦いがマッチアップされた。
北京五輪フリースタイルレスリング55キロ級ゴールドメダリストのセフードは、リオ五輪への道が閉ざされるとMMAへ転向、6連勝を果たしUFCと契約を果たした。そしてオクタゴンでも4連勝を挙げてDJへ挑戦──も、ボディへのヒザ蹴りで初回TKO負けを喫し、キャリは初黒星を経験している。
再起をかけた一戦でも、無冠の帝王と呼ぶべきジョセフ・ベナビデスにスプリット判定負け。レスリングで鍛えた強靭なフィジカルも、遠目のレンジで間合いを図るファイターに跳ね返された形となっている。
いずれにせよ、五輪金メダリストからエリート街道を突き進んできたセフードとは、対照的なキャリアを積んできたのがヘイスだ。2004年にまだブラジルで開催されていたブラジリアン柔術世界選手権=ムンジアルの茶帯プルーマ(ライトフェザー)級で、当時同門だったBTTのブルーノ・バルボーサとクローズアウトで優勝を果たし、その後はペンシルヴァニアに移り住む。
MMAのキャリア自体は米国でスタートさせ、僅か6戦目でエリートXCのバンタム級王者になると、団体消滅後はベラトールへ。ジムもアライアンスMMAへ移籍したが、ここではフェザー級とバンタム級で4度トーナメントに出場し、優勝を勝ち取ることはできなかった。
ハーフガードから潜ってトップを奪う──卓越した技術を持っていたが、スクランブル時代にトップを取り切れないスタイルが飛躍を阻んでいた。それでも代役でUFCデビューを決め、フライ級に転向に成功。6勝3敗の戦績を残し、先に記したように世界挑戦も果たしている。
ヘイスの現在のスタイルは、昨年2月に勝利している佐々木憂流迦戦を見ても明確だ。打撃を餌にテイクダウンを取り切るスタイルを確立させた。ただし、この真正面からのぶつかり合いでは先のデミアン・マイア×タイロン・ウッドリー戦のように、柔術家が一流レスラーを組み伏せることは難しい。
ただし、高校卒業後からフリースタイルレスリングに特化してきたセフードは、カレッジでもまれてきたレスラーと違い、それほどタイトなグラウンドコントロールは持たない。この辺りを考えるとかつての得意技=ハーフからの潜りスイープを、汗をかく前に仕掛けるのもありだろう。
一方、セフードとしては組み勝つのではなく、相手に組ませず裏をかいてテイクダウンからトップキープ。この辺りをタイトル・コンテンダー対決で見せることができれば、MMAファイターとして完成度が挙がっていることの証となる。
■ UFC215対戦カード
<UFC世界フライ級選手権試合/5分5R>
[王者]デメトリウス・ジョンソン(米国)
[挑戦者]レイ・ボーグ(米国)
<UFC世界女子バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]アマンダ・ヌネス(ブラジル)
[挑戦者]ヴァレンチーナ・シェフチェンコ(ペルー)
<ウェルター級/5分3R>
ニール・マグニー(米国)
ハファエル・ドスアンジョス(ブラジル)
<ライトヘビー級/5分3R>
イリル・ラティフィ(スウェーデン)
タイソン・ペドロ(豪州)
<フェザー級/5分3R>
ジェレミー・スティーブンス(米国)
ギルバート・メレンデス(米国)
<女子バンタム級/5分3R>
サラ・マクマン(米国)
ケトレン・ヴィエイラ(ブラジル)
<フライ級/5分3R>
ヘンリー・セフード(米国)
ウィルソン・ヘイス(ブラジル)
<女子バンタム級/5分3R>
サラ・モラス(カナダ)
アシュリー・エヴァンズスミス(米国)
<フェザー級/5分3R>
ギャビン・タッカー(カナダ)
リック・グレン(米国)
<ライト級/5分3R>
ミッチ・クラーク(カナダ)
アレックス・ホワイト(米国)
<ヘビー級/5分3R>
ルイス・エンヒッキ(ブラジル)
アージャン・ブララ(カナダ)
<ライト級/5分3R>
ケイジャン・ジョンソン(カナダ)
アドリアーノ・マルチンス(ブラジル)