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【WJJC2017】ルーカス・レプリにアドバン0-1の敗北の意味とは――岩崎正寛 「上版の吉岡さん」

Iwasaki【写真】悔しさと充実感、1年の成果が感じられた岩崎の2017年ムンジアルだった(C)MMAPLANT

4日に閉幕したブラジリアン柔術世界選手権=ムンジアル、世界王者3度、昨年はマルセロプラッタで一本負けを喫したルーカス・レプリを相手に岩崎正寛はアドバン0-1で惜敗を喫した。

初戦はディエゴ・コンセイソンを相手にアドバン1-0の勝利。このポイントの動かない試合こそ、岩崎が過去1年に磨いてきた成果だった。


――大会2日目を観客席から見ることに対して、忸怩たる想いだと思われる岩崎選手です。

「そうですね……本当はあの場に立っているつもりだったんですけどね」

――ルーカス・レプリにアドバン0-1の敗北以上に、レプリの術中にはまらなかった。これは成長の証ではないでしょうか。

「ありがとうございます。僕は彼を怪物だと思っているので、あれが自分のできるゲームでした。なりふり構っていられない状況なので、防戦一方になった面もありましたが、やられることをやった結果があの試合でした」

――レプリの下からの仕掛けにポイントを与えず、アドバンは三角絞めでした。この間、スイープの仕掛けに対してアドバンすら譲っていないことになります。

Iwasaki vs Lepri「レフェリー判定になったら、守勢に回っていて勝てない試合です。そうですね……昨年亡くなった吉岡大さんと昔、話をさせていただいた時に『守ることができないと勝てない』と言われていて。その通りだと僕も思っています。ただし、僕は下で守り切れる確率は低い。

上での守りが強いので、上にいた。上版の吉岡大さんという戦いをやらせてもらった形です。考えたゲームのなかで強者に勝つことをテーマに戦いました。あそこまでできたことで、自分のなかでディフェンスは一つ完成したという感じはあります」

――つまりレプリと戦うことを前提に1年間磨いてきたことだったのですね。

「ハイ、レプリを倒す、打倒レプリだけを考えていました。もちろんマイケル・ランギ、ガブリエル・ロロと強いライト級の選手はいっぱいます。そのなかで僕は去年、レプリに負けているのでレプリに勝つことだけを考えてレスリングをやったり、柔道の練習をしたりして、アイツが持っているテクニックにより近づこうとして、試行錯誤してきた結果が今なんだと思います」

――ではレプリと2回戦で当たるというトーナメント枠は、望んでいた形だったのですね。

「上等だって思いました。まぁ、噂にあるように恣意的なトーナメント枠作成だったとしても、舐められているんだろうなって。でも、そこでレプリは強いからと思うのではなくて、だったら潰してやるよという気持ちで臨んだ試合です。

そのなかで少しは冷や汗をかかせることができたのかな、とは思います。でも、結局のところ負けていますし、悔しいです。悔しさが残るなかでも自分の成長も見られた、成果が感じられたということです」

Iwasaki vs Lepri――となると、ディフェンスにいかに攻めを融合していくのかが、さらなる高みを目指すために重要になってきます。ディフェンス力を高めた結果、それは初戦の勝利にも表れているかと思います。

「一本取れよ、豪快に戦えよ――と思われるかもしれないですが、あれは僕のなかで安全パイの戦い方。いわゆるアウトボクシングみたいなものなんです」

<この項、続く>

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