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【WJJC2017】重量3階級 ロ、ファリア、ブシェシャ=怪物が本命。シュレックは2回でブシェシャと

Lo【写真】4階級目で6年連続の世界チャンピオンとなれるか、レアンドロ・ロ(C)MMAPLANET

既に1日(木・現地時間)から開幕し、4(日・同)まで米国カリフォルニア州ロングビーチのカリフォルニア大ロングビーチ校内ピラミッドにて激闘が繰り広げられるIBJJF主催のブラジリアン柔術世界選手権。プレビュー最終回は、ヘビー、スーパーヘビー、ウルトラヘビー、そして無差別級の見所をお届けしたい。


【ヘビー級】
大本命は世界5連覇中の怪物レアンドロ・ロ(N’sブラザーフッド)。2012&2013年にライト級を制して以来、ミドル(2014年)、ミディアムヘビー(2015&2016年)と徐々に階級を上げてことごとく世界制覇している。今年からはついにヘビー級に進出し、以前と変わらない凄まじい勢いで試合出場を続けると、アブダビ・ワールドプロこそ負傷欠場したものの、ヨーロピアン大会、パン大会、ブラジレイロでこの階級と無差別を完全制覇している。この間にもう一人の怪物エルベース・サントスに3連勝するなど、4階級制覇に向けて死角は見当たらない。

打倒ロという大仕事をやってのける可能性のある選手たちとしては、昨年のこの階級でフィリッピ・ペナを倒して決勝進出、アンドレ・ガルバォンと紙一重の大接戦の末にレフェリー判定で涙を飲んだジャクソン・ソウザ、一昨年準優勝のハーフガードの名手ルーカス・レイチのチェッキマット勢が挙げられるだろう。さらにヨーロピアンとパンでロと決勝を争ったタナー・ライス(ソウルファイターズ)、昨年の茶帯世界王者にして、今年モハメッド・アリーに一本勝ちしているニコラス・マレガリ、マテウス・ディニスといったアリアンシ勢も参加。上位入賞を狙う。

Faria【スーパーヘビー級】
この階級においてもっとも注目が集まるのは、なんといってもベウナウド・ファリア(アリアンシ)とエルベース・サントス(アトス)の再戦だろう。

狙いは明白、にもかかわらず誰も防げない──まさに必殺と呼ぶに相応しいハーフガードスイープからオーバーアンダーパスという黄金パターンを磨き上げ、一昨年の世界大会で階級別と無差別の両方を圧倒的に制したことで、世界一の競技柔術家の座を勝ち取ったファリア。昨年もその勢いを全く失わぬままムンジアルに臨み、無差別級の準決勝で超新星サントスと対戦。ハーフガードからのスイープを狙うも、サントスは強靭な足腰と上半身の力で投げ捨てた挙句、なおもしがみつくファリアの脇を掬って腕十字一閃!  一瞬でファリアの上半身を破壊してみせ、その連覇の野望を阻むとともに長期欠場に追い込んだのだった。

一方、恐るべき力を見せつけたサントスは、無差別級決勝でブシェシャことトーマス・アウメイダ相手に息詰まる攻防を展開。敗れたものの世界最強に肉薄していることを証明してみせた。さらにその後も驚異的なペースで試合に出続けているサントス。今年すでに記録に残っているだけでも49試合を消化しており、フィリッピ・ペナやレアンドロ・ロ、そしてホセ・ジュニオールといった強豪には敗れているものの高い勝率を誇り、戦闘マシーンぶりを発揮している。

ファリアとしては、この惨劇以来の復帰戦となる今大会、当時のあの無敵の強さは戻っているのか。そしてサントスとの再戦は実現するのか。前回は、サントスの爆発的な極めに屈したファリア。特殊な運動能力に恵まれているわけでもなく、誰もが可能な身体の運用を練り上げたその戦い方で、驚異的な身体能力を誇るサントスを制することは可能なのか。両者の再戦が実現すれば、それは力無き者が強者を制する術と言われジェントル・アートと訳される柔術の真実を問う戦いとなるだろう。

さらにこの階級には、決め技師ルイス・パンザ(チェッキマット)、元チームメイトのサントスとパン大会で感情むき出しの死闘を繰り広げたモハメッド・アリー(ロイド・アーヴィン)、ジャレド・ドップ(ヒベイロ)らの強豪が参戦している。

Almeida【ウルトラヘビー級&無差別級】
大本命は、12、13、14、16年と最重量級と無差別級を完全制覇している現在世界最強の競技柔術家、ブシェシャことマーカス・アウメイダ(チェッキマット)。一昨年の世界柔術の試合中に膝を負傷して長期欠場に追い込まれたものの、一年後の世界柔術に復帰。以前とまったく変わらぬダイナミックかつ豪快な動きを見せて2階級制覇を果たしている。

ブシェシャの圧倒的な有利が否めないこの最重量級における他の有力選手としては、元チームメイトのガード後者アレクサンダー・トランス(GFチーム)、昨年準優勝のジェームズ・プオポロとグスタヴォ・ディアスのヒベイロ柔術勢、昨年3位のガブリエル・ホシャ(ソウルファイターズ)、15年のスーパーヘビー級王者ガブリエル・ルーカス(チェッキマット)らが挙げられる。

Sekineそしてここに日本からシュレックこと関根秀樹(ブルテリア・ボンサイ)も参戦。昨年末、43歳にして「死ぬ時に後悔しないために」と警察官を辞職し、ONE世界ヘビー級王者のブランドン・ベラに挑戦して大きな反響を呼んだ根。ベラには及ばなかったが、柔道と柔術をベースにするグラップラー関根にとっては、このムンジアル制覇こそ、最大の目標だ。初戦をクリアすれば、日曜日にブシェシャと対戦する関根――その生き様をしかと目に焼き付けたい。

さてこの世界柔術、今まで紹介してきた各階級に加えて、年に一度地上最強の競技柔術家を決定する無差別級もまた大きな見所だ。昨年期待されつつも実現しなかったブシェシャとベウナウド・ファリアの頂上対決は実現するのか。そこに今年とうとうヘビー級に進出し、無差別でもヨーロピアンとパンの無差別級を制しているレアンドロ・ロ、エルベース・サントス、フィリッピン・ペナらがどう絡むのか。興味は尽きない。残る期待が高まる。

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