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【UFC211】ワンチャンスをモノにできるデミアン・マイア、マスヴィダルは博打に出るしかない??

Maia vs Masvidal【写真】ワンチャンスをモノにできるマイア。まずは、そこを凌ぐことがマスヴィダルは絶対となる (C)Zuffa LLC/Getty Images

13日(土・現地時間)、テキサス州ダラスのアメリカンエアライン・センターで開催されるUFC211「Miocic vs Dos Santos 2」。今大会ではスタイプ・ミオシッチ×ジュニオール・ドスサントスのUFC世界ヘビー級選手権試合、そしてUFC世界女子ストロー級の絶対王者ヨアナ・イェンジェチック×ジェシカ・アンドレジという2階級の世界戦が組まれている。


10日(水・同)にヘンリー・セフードの負傷欠場でセルジオ・ペティス戦が消滅し、WSOF世界2冠王デヴィッド・ブランチとクリシュトフ・ヨッコのミドル級戦がPPVに加わった。世界戦2試合、ブランチ×ヨッコ、そしてフランキー・エドガー×ジャイー・ロドリゲスとともにメインカードに組まれているのが、ウェルター級戦=デミアン・マイア×ホルヘ・マスヴィダルだ。

昨年8月にカーロス・コンディットをワン・テイクダウン、ワン・テイクバックからRNCを極めたマイアは現在6連勝中で3試合をRNCで勝っている。これでタイトル挑戦当確と見られたマイアだったが、9カ月振りのファイトでマスヴィダルと相対することとなった。マイア自身、コンディット戦の直後にタイロン・ウッドリー×スティーブン・トンプソン戦の勝者に挑戦し、それまで他のファイターとは戦わないと明言していたが、11月に行われたウッドリー×トンプソン戦はまさかのドロー。そして3月のダイレクトリマッチとなり(結果はウッドリーの勝利)、さすがにマイアもこれ以上のブランクを空けたくなかったということか。

キャリア32勝11敗、32歳とピークに向かうマスヴィダルは、若い頃から老練なファイターで、今や職人という風情を醸し出すようになった。戦極、Bellator、Strikeforceを経て2013年4月にUFCと契約、ライト級からウェルター級に転向し現在は3連勝中だ。

1月には絶好調ドナルド・セラーニを2RでTKOし、マイア戦を手繰り寄せた。マスヴィダルの老獪さは、打撃戦における受けの強さに見られる。セラーニ戦でも好調のセラーニは、いつものようにローやミドル、ジャブを中心で前に出るファイトを心掛けたが、マスヴィダルは前に出られないようにプレッシャーを与えるのではなく、踏み込ませ、攻撃を出させておいて、自らは少しの前後の動きで真正面から攻撃を受けなかった。その繰り返しで、手を出すのに効果がないセラーニは迷いが生じ、リズムを失っていった。

もちろん、この受けの強さは打撃に対して、だ。ブラジルを本拠にNYとNJでエッジ・レスリング、そしてマルセロ・ガウッシアの元で硬度なレスリングと高度な柔術を融合させてきたマイアのテイクダウンとトランジッションが一体化した攻撃を、マスヴィダルが捌き切ることは難しい。では組ませないために、どのような動きがあるのか。

蹴りは捕まれる可能性が高い。ヒザを合わせるのも、組まれてテイクダウンに直結する。そして、マイアのシングルは非常に低い姿勢から放たれる。テイクダウンに失敗しても、ガードワークからすぐにスクランブルに持ち込める技量があるので、平気で低く組みつくことができるのもマイアの強さの一端にある。

スプロールに関してはある程度の強さを持つマスヴィダルだけ、ケージを背負って組みつかれても一呼吸おける位置をキープしつつ、組まれ際のヒザ狙い──博打的な攻撃が必要になる。つまりマスヴィダルは博打が必要、それだけマイアが有利な試合といえる。

■ UFC211対戦カード

<UFC世界ヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者]スタイプ・ミオシッチ(米国)
[挑戦者]ジュニオール・ドスサントス(ブラジル)

<UFC世界女子ストロー級選手権試合/5分5R>
[王者]ヨアナ・イェンジェチック(ポーランド)
[挑戦者]ジェシカ・アンドレジ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
デミアン・マイア(ブラジル)
ホルヘ・マスヴィダル(米国)

<フェザー級/5分3R>
フランキー・エドガー(米国)
ジャイー・ロドリゲス(メキシコ)

<ミドル級/5分3R>
デヴィッド・ブランチ(米国)
クリシュトフ・ヨッコ(ポーランド)

<ライト級/5分3R>
エディ・アルバレス(米国)
ダスティン・ポイエー(米国)

<フェザー級/5分3R>
チャス・スケリー(米国)
ジェイソン・ナイト(米国)

<フェザー級/5分3R>
ジャレッド・ゴードン(米国)
マイケル・キニョネス(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
ジェシカ・アギラー(米国)
コートニー・ケイシー(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ラシャド・コールター(米国)
チェイス・シャーマン(米国)

<フェザー級/5分3R>
エンリケ・バルゾラ(ペルー)
ガブリエル・ベニテス(カナダ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ガジムラッド・アンディグロフ(ロシア)
ヨアキム・クリステンセン(デンマーク)

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