この星の格闘技を追いかける

ドナルド・セラーニ 「WEC世界王者からUFCへ」

(C) MMAPLANET6月7 日(日・現地時間)、WECサクラメント大会でジェイムス・クラウスと対戦するドナルド・セラーニ。今年1月にWEC世界ライト級王者ジェイミー・バーナーに挑戦した一戦では、グラウンドでのヒザ攻撃により試合が中断、その時点でのポイントで後れを取っており判定で敗れた。試合後半は得意の打撃で王者を追い込んでいただけに、悔しい一戦となったセラーニが、半年ぶりにケージに戻り、再び世界王座を目指す。

【写真】ライト級としては長身、得意のガードワークにもう少し幅が広がれば、WEC王座はもちろんとしてUFC王座も射程距離に入ってくるドナルド・セラーニ (C) MMAPLANET

ズッファ期待のライト級ファイター=セラーニを、グレッグ・ジャクソンMMAアカデミーに訪ね、初インタビューを試みた。

Interview by Manabu Takashima

――半年ぶりの試合が近づいてきました。

「対戦相手について知っているのは、10戦10勝で9つの一本勝ちと一つのKO勝ちっていうパーフェクト・レコードを持っていることだけだよ。一番最近の試合でKO勝ちをしているみたいだから、自信をつけてスタンドで試合を組み立ててくるかもしれないし、グラウンド勝負を挑んでくるかもしれない。僕はどちらでも構わないよ」


――実は既にケージフォースで来日経験があるセラーニ選手ですが、キャリアなど詳しいことは日本のファンは分かっていません。

「21歳のときにファイトナイト・ボクシングっていう1R制の殴り合いのような大会に出ていて、本格的に練習がしたくなりドウェイン・ラドウィックのいるキックのジムでムエタイを始めたんだ。本格的に練習するようになってからは、短期間で何度も試合を重ねてムエタイは28試合経験したよ。

そして、ケージでの試合を見て、まぁ戦いは戦いだってMMAも始めたんだ。キックボクシングは今も僕のパッションだよ。だから今も試合の有無に関係なくキックのスパーリングは続けている。あとは、柔術だね。MMAには欠かせないから。でも、本当にキックボクシングが大好きなんだ」

――キックボクシングのビジネスがMMAのように隆盛を究めていれば、そのままキックを続けていたかもしれないですね。

「う~ん、米国ではキック人気はほぼないから現実味のない話だし、日本のように人気が高ければ良かったんだけどね。マネージャーのスヴェン・ビーンはK-1とも良い関係だし、もし、K-1MAXから声が掛かるようなことがあれば、半年から1年間はキックの練習だけに励んでMAXに出てみたいよ。かつてドゥエインが活躍したようにね。でも、今はMMAビジネスが良好で、まさにファイトマネーが良かったから、MMAを始めたわけだし・・・」

――セラーニ選手のファイトは一本勝ち決着も多いですし、ガードワークを多用する印象もあります。

「僕の最初の柔術の指導者はカーロス・カルヴァホという友人だったけど、本格的に寝技を習得したのは、このグレッグ・ジャクソンMMAにやってきてからだよ。僕はあまりレスリングをせずに、ガードを取ることを心がけている。ガードには自信があるし、レスリングでスタミナをロスしたくないんだ。タイ・クリンチはMMAで有効だから、使うのは大好きだよ」

――1月のタイトルショットでは、惜しくも敗れてしまいましたが、WECのライト級で戦う意義を教えてもらえますか。

「同じズッファのUFCには、もっと層の厚いUFCがあるけど、今、僕はWECで戦っているからその頂点に立つことだけを考えている。WECのオクタゴンに上がっている間に、レスリングスキルを上げ、タイトルを取り、そしてUFCに上がりたい。UFCで戦うことは、誰もが願っていることだよ」

――次の試合で、どのようなアピールをしたいですか。

「KOで勝つ。それだけさ。ライブ中継だし、しっかり勝って8月にでもジェイミー・バーナーにチャレンジしたいと思っている。日本からも良いファイターがWECにやってきているし、いつの日かまた日本で戦いたいね」

PR
PR

関連記事

Movie