【UFN106】ムンジアル優勝モラエスが、オクタゴン初陣のアブダビ・ウィナー=ダヴィ・ハモスと対戦
【写真】ADCCウィナーのUFC出場は2009年大会優勝のファブシリオ・ヴェウドゥム以来となるダヴィ・ハモス (C)GLEIDSON VENGA
11日(土・現地時間)、ブラジルはセアラー州フォルタレーザのセントロ・ジ・フォルマサォン・オリンピカ・ド・ノルジスチで開催されるUFC Fight Night 106「Belfort vs Gastelum」。同大会のメインはミドル級、ヴィトー・ベウフォート×ケルヴィン・ガステラムの超々世代対決が組まれている。
この他、ブラジリアンMMAマニアにとっては、これ以上ない見所の多いカードが出揃っている今大会。アーリー・プレリムのメインに出場するTUF ブラジル01フェザー級優勝のホニー・ジェイソンを始め、同じくオリジナルTUF BRメンバーのフランシスコ・トリナルド、ジウベルト・バーンズを破ったザ・タンク=ミシェウ・プラゼレスが出場、今やオクタゴンの職人と化した──スーパー地味強&日本人キラーのハニ・ヤヒーラがジョー・ソトと、またも勝ってゲインのないファイトに臨む。
このような実力者で脇を固め、メインカードには上位出場のヴィトー、そしてマウリシオ・ショーグンといったビッグネームが並び、さらに女子世界バンタム級挑戦権経験のあるベチ・コヘイアに、アレックス・オリヴェイラ×ティム・ミーンズの確か実力と狡猾さを持つ者対決。さらにさらにエジソン・バルボーサ×ベニール・ダリューシュのマーク・ヘンリー門下×ハファエル・コルデイロの教え子が相対するなど、見所の多いカードが続いている。
そんななか、ここではセルジオ・モラエス×ダヴィ・ハモスの一戦を要注目カードとして取り上げたい。モラエスはTUF BR01のミドル級準優勝からUFCで活躍中、柔術家としては2008年のミドル級と2011年のミッドヘビー級と黒帯でムンジアル制覇。2009年もアリアンシの同門マルセリーニョ・ガウッシアとミドル級をクローズアウト=準優勝しているという、正真正銘のワールドトップクラスの柔術家だ。
UFCではデビュー戦となったTUF BRフィナーレで敗れたものの以降は1つの引き分けを挟み5連勝中で、うち2つの一本勝ちと1つのTKO勝ちが含まれるという堂々のレコードを残している。そんなモラエスと対戦するラモスはこれがオクタゴン初陣、キャリア6勝1敗のファイターだ。
この何でもないような戦績で何が注目なのかとはいうなかれ。ハモスは、彼もまた──ADCC世界サブミッションレスリング選手権、前回大会=2015年で77キロ級を制したトップ柔術家だ。そのADCC決勝でシッティングガードを取るルーカス・レプリ=現・世界最強のライト級柔術家に飛び込んで極めた腕十字は、グラップリング界のハイライトリールとなっている。
柔術&グラップリングシーンで名を成す以前からMMAに挑戦していたハモスだが、キャリア4連勝でBellatorに出場。デヴィッド・リッケルズに敗れ、それが唯一の敗北なっている。その後、前述したように砂漠の組み技の祭典を制したことで一躍注目度が上がった彼は、RFAと契約しマイク・フラックをRNCで倒し、昨年12月にレバノンで開かれたフェニックスFC(キックとの混合イベントで、メインはブアカーオ・バンチャメークがアンドレ・クルビンに勝利)でライト級王座を獲得している。
いってみれば道着とノーギの組み技最高峰を制した者が、MMAで戦うというこの一戦。強豪組み技系ファイター同士が戦うと、防御能力の高さ故に寝技がスイングしないケースが多いが、それも当然。柔術やグラップリングは動きの止まらないノンストップアクションが続くようなことはない。ここぞという時の動きに相手が反応し、瞬発系の目まぐるしい攻防が起こることもあるが、まずは足場を崩していくのがグラップリング競技だ。
その足場を崩す作業に打撃を用いることができれば、彼らの柔術力もMMAで最大限に発揮できる。果たしてモラエスとハモス、どちらがその部分でより有効な武器を有しているのか。守り重視の組み技ファイトを展開すれば、成績関係なしに切られる可能性もあるUFC現体制下、2人の最強グラップラーがどのような試合を見せるのか──やはり要注目といわざるを得ない。
■ UFN106対戦カード
<ミドル級/5分5R>
ヴィトー・ベウフォート(ブラジル/8位)
ケルヴィン・ガステラム(米国/10位)
<ライトヘビー級/5分3R>
マウリシオ・”ショーグン”・フア(ブラジル/6位)
ジャン・ヴィランテ(米国/12位)
<ライト級/5分3R>
エジソン・バルボーサ(ブラジル/5位)
ベニール・ダリューシュ(米国/9位)
<フライ級/5分3R>
ジュズエ・フォルミーガ(ブラジル/3位)
レイ・ボーグ(米国/8位)
<女子バンタム級/5分3R>
ベチ・コヘイア(ブラジル/9位)
マリオン・ルノー(米国/13位)
<ウェルター級/5分3R>
ティム・ミーンズ(米国)
アレックス・オリヴェイラ(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
フランシスコ・トリナルド(ブラジル/11位)
ケビン・リー(米国)
<ウェルター級/5分3R>
セルジオ・モラエス(ブラジル)
ダヴィ・ハモス(米国)
<バンタム級/5分3R>
ジョー・ソト(米国)
ハニ・ヤヒーラ(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
ジョシュ・バークマン(米国)
ミシェウ・プラゼレス(ブラジル)
<フェザー級/5分3R>
ホニー・ジェイソン(ブラジル)
ジェレミー・ケネディ(カナダ)
<ミドル級/5分3R>
ギャリス・マクレラン(南アフリカ)
パウロ・ボハンチーニャ(ブラジル