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【WSOF34】モラエス×ジョゼナウド×リニャーレス×キム・スーチョル=四角定規でモラエス、実力査定

marlon-moraes【写真】マルロン・モラエスの真の実力はいかほどなのか。四段論法を用いることができるジョゼナウド戦で明らかとなる?? (C)WSOF

31日(土・現地時間)、ニューヨーク州ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデン内ザ・シアターで開催されるWSOF 34「Gaethje vs Firmino」。岡見勇信も出場する同大会ではメインイベントのWSOF世界ライト級選手権試合=ジャスティン・ゲイジー×ルイス・ブスカペ戦以外にも、世界ウェルター級選手権試合=王者ジョン・フィッチ×挑戦者ジェイク・シールズ戦、ライトヘビー級との二冠王デヴィッド・ブランチの持つミドル級王座にルイス・テイラーがチャレンジする一戦、さらにWSOF世界バンタム級王者マルロン・モラエスが、5度目の王座防衛戦として挑戦者ジョゼナウド・シウバを迎えうつ試合も組まれている。


そのモラエス、ライト級王者ジャスティン・ゲイジーと同様に、UFCリリース組でなくWSOFでキャリアを積み重ねてきたチャンピオンで、UFCでどれだけやれるかという見方が常になされるファイターだ。7月にジョシュ・ヒルを相手に完勝防衛を果たした際には、「UFCもオーナーが代わった。ドミニク・クルーズとダブルタイトル戦を戦いたい」と発言している。その後、UFCとの契約も念頭に置いていたモラエスは、高額契約を勝ち取りWSOF残留を決めた。

正直なところ、WSOFバンタム級現有勢力を考えると、モラエスの立場を危うくするファイターは見当たらないのが事実だ。よって今回のNY大会でWSOF首脳は初参戦となるブラジル人ファイターのジョゼナウドをチャレンジャーに仕立て上げた。

ジョゼナウドはキャリア25勝4敗で、ブラジル最大国内イベントのジャングルファイト・バンタム級王者。現在17連勝中で、今年の4月に昨年のRIZINでキム・スーチョルと対戦したマイケ・リニャーレスを判定で下し、王座に就いている。

キム・スーチョルのロープ際の巧みな首相撲と崩し、テイクダウンに敗れた感のあるリニャーレスを相手にジョゼナウドは序盤は徹底した打撃の目視戦を繰り広げ、終盤にテイクダウンを潰してバック奪取。パウンドで攻め込むも、一度は下にされてマウントを奪われる場面もあったが、そこからトップを取り返してパウンドの連打で試合を締めくくった。

そんなジョゼナウドに対し、モラエスがどのような試合を見せることができるのか。モラエスといえば、ゲイジーとは違った意味でのMMA界を代表するレッグキッカーだ。ゲイジーとの違いはローでダメージを与え、ハイキックやパンチという打撃のコンビでフィニッシュに結び付けている。加えて打撃戦の中からテイクダウンに持ち込むことはあるが、逆に組まれて倒されるという位置取りをまずはしない。

ジョゼナウドも正真正銘のストライカー。リニャーレス戦でこそスタンドで待ちの態勢を取り、懐の深さで組み付かせないというカウンターファイトを選択したが、元々はアグレッシブにパンチ、ハイやヒザを多用。ディフェンスに転じると厄介なリーチの長さと懐の深さを攻撃面でも生かすファイトが展開できる攻撃型ストライカーだ。

キャリア25勝中、15のKO勝ちを誇るジョゼナウドに対し、モラエスがステップ&ローからのコンビネーションで遠距離&中間距離を支配できるのか。あるいは打撃戦ではなく組みも含めた総合力勝負となるのか。奇しくもリニャーレスを破ったジョゼナウド、そしてキム・スーチョルはともに組みの展開で勝利を手繰り寄せている。

リニャーレスを物差しにモラエスとキム・スーチョルと比較する四角論法には無理があるが……リニャーレス戦において打撃では甲乙つけ難く組みで勝利したジョゼナルドを相手に、モラエスがスタンドで完封するようなことあれば……。

UFCを選択しない、ワールドクラスのファイターの力はこのような手段をこうじて、想像するしか実力を測りようがない。果たして、モラエスのジョゼナウドの相手で打撃だけで勝利できるのか。それがならば、我々はマルロン・モラエスを非UFCバンタム級最強ファイターと認めるしかない。

■WSOF34対戦カード

<WSOF世界ライト級選手権試合/5分5R>
[王者] ジャスティン・ゲイジー(米国)
[挑戦者] ルイス・ブスカペ(ブラジル)

<WSOF世界ウェルター級選手権試合/5分5R>
[王者] ジョン・フィッチ(米国)
[挑戦者] ジェイク・シールズ(米国)

<WSOF世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] マルロン・モラエス(ブラジル)
[挑戦者] ジョゼナウド・シウバ(ブラジル)

<WSOF世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者] デヴィッド・ブランチ(米国)
[挑戦者] ルイス・テイラー(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ジャレッド・ロショルト(米国)
カイオ・アレンカ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
岡見勇信(日本)
ポール・ブラッドリー(米国)

<150ポンド(68.04キロ)契約/5分3R>
シェーン・クルシュテン(米国)
ジェレミー・メイハン(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
スメリーニョ・ラマ(ブラジル)
ジェイク・ヒューン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ブルーノ・サントス(ブラジル)
ヴァガウ・ヴァガボフ(ロシア)

<フェザー級/5分3R>
アンドレ・ハリソン(米国)
ブルース・ボーイントン(米国)

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