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【UFC205】タイロン・ウッドリー、1‐0のドローでトンプソン相手に防衛成功

<UFC世界ウェルター級選手権試合/5分5R>
タイロン・ウッドリー(米国)
Draw.48-47.47-47.47-47
スティーブン・トンプソン(米国)

ワイドスタンスの挑戦者が構えを変え、手を下げてプレッシャーを強める。待ちの態勢のウッドリーは、左に回って間合いを外して右移動に転じる。サイドキックを放ったトンプソンは左ハイ。大きく踏み込み素振りを見せたウッドリーだが、手は出さない。と、トンプソンの右ローをキャッしたウッドリーが一気にテイクダウンに成功する。

ハーフのトンプソンに右エルボーを入れ、しっかりと固めて立たせないチャンピオン。右腕を差してもヒジを落とされ背中をマットにつけたチャレンジャーに、ウッドリーがワキ腹にパンチを続ける。残り1分、細かいパンチで削る王者に、リバーサル狙いからフルガードに戻したトンプソンだが、ボディに鉄槌、顔面へのエルボーで鼻を折ったから、大量の鼻血に見舞われ初回を終えた。

2R、ケージを背にしたウッドリーにトンプソンが左ハイ。初回はキャッチを許したせいか、ワンツーを繰り出して組まれてしまう。ケージに押し込まれた挑戦者は、一度は体を入れ替えるがまたも金網に押し付けられる。ボディをヒザを入れたトンプソン、王者は押し込み続けようとしたがいなして離れる。右を振るいながら前に出てきた王者に対し、バックステップでかわしたチャレンジャーが逆にスピニングバックフィストを繰り出す。

慎重なのか、動きが落ちたのか、待ちの姿勢を続ける王者にトンプソンがワンツーからスリーまでパンチを入れる。王者のローにも連打を返したトンプソンは、テイクダウン狙いを見切って右ボディストレート、さらにワンツーを顔面にヒットさせる。後ろ回し蹴りを腹に突き刺した挑戦者がラウンドを取り返した。

3R、流れを見極まる大切なラウンド。王者がワンツーで前に出るが、トンプソンはかわして右ジャブから右サイドキック。すぐにケージを背にしたウッドリーが前に出ても、パンチは空を切るばかりだ。抜群の距離感を発揮するトンプソンは、左のフェイクから、右をボディに打ち込む。明らかに混乱しているウッドリーは前に出るも、常に大振りになる。

トンプソンは右ロー、ボディからワンツーを入れた挑戦者はまたも右ボディをヒット。続いて左フック、ウッドリーの左ジャブが鼻先を掠めるも後ろ回し蹴りを見せて、右ストレートをヒット。右を打ち込み、ショートに距離を取ったトンプソンをウッドリーが初めてケージ際に追い込みローを蹴っていく。

バランスを崩したトンプソンだが、起き上がって前に出てケージ際から脱する。互いに踏み込んでの右の相打ちも、チャンピオンは打ち勝つまでは至らなかった。

まだ勝負の行方は見えない4R、ジリジリと前に出るウッドリーにトンプソンが右ローを入れる。ウッドリーの左ジャブの打ち終わりに右ストレートをヒットさせたトンプソンが、ここもウッドリーを下げさせる。しかし、次の前進で右をヒットさせダウンを奪ったウッドリーは、再び右を入れて倒れたトンプソンにパウンドを連打する。

ヒザ蹴り、パンチの猛攻を受けたトンプソンがテイクダウンを狙うと、ウッドリーはギロチンチョークへ。起き上がってケージにウッドリーを押し込んだ挑戦者だったが、ウッドリーはここで引き込んでギロチンへ。タイトに絞め上げたウッドリー。挑戦者が耐える。力を入れられないようになったウッドリーに対し、頭を抜いたトンプソンがパウンドを入れていく。ガードの中からパンチを続けたトンプソン、チャンピオンも下から鉄槌を返し4Rが終了。ポイントは間違いなくウッドリーだが、終盤の反撃で10-9に収めたか。

最終回、ハイタッチを見せた両者。トンプソンがガードの上から左ハイ、続いて空中二段蹴りで左ハイを繰り出す。挑戦者は引き続き右ストレート&右ハイ、王者は4Rで攻めつかれたのか動けない。トンプソンの左ジャブで下がったウッドリーは右ストレートを受け、続いて右ボディも被弾する。ここで後ろ回し蹴りを見せた挑戦者。ウッドリーはブロックし、右を伸ばすも空振りに。

トンプソンが左ジャブを放って、チャンピオンの前進に右を当てる。さらにワンツーを入れた挑戦者が右ロー。トンプソンは右を振るうが、足がついてこない。右ボディを打ち込んだトンプソンがワンツーへ。ウッドリーも前に出るが、パンチは当たらない。ウッドリーの右の打ち終わりに左を入れたトンプソンは、左から右をヒットさせる。ここで試合はタイムアップに。

1Rと4Rは王者ウッドリー。2Rと3R、そして最終回は挑戦者か。4Rが10-9か10-8になったかも勝敗を左右する。結果、判定を読み上げようとしたブルース・バッファーだが、一度オクタゴンの外に出てスコアを確かめる。

そしてポイントは47‐47、47‐47、48‐47のスプリットでウィナーはウッドリーとコールされたか、このスコアでマジョリティ・ドローで王座防衛ではないだろうか。挑戦者は何も不満の様子も見せず、ウッドリーのインタビューが続く。と、途中でマジョリティ・ドローという裁定が読み上げられ、ウッドリーはギョッとしてから安堵の表情を浮かべた。

「彼はモンスターで、クリンチのパワーはすさまじかった。また、戦いたい。ここでMSGでね」と挑戦者は語った。


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