【UFC168】ヴォルカーを翻弄、パトリーノがUFC初勝利挙げる
<ウェルター級/5分3R>
ヴィリアム・パトリーノ(ブラジル)
Def.3-0: 30-27, 30-27, 30-27
ボビー・ヴォルカー(米国)
TUFブラジル02準優勝のパトリーノが緊張の面持ちでラスベガスのオクタゴンに立つ。ポルトガル語の声援を受けたパトリーノは、ヴォルカーのパンチに距離を取りローから右ストレートを打ち込む。左フックは空振りになったパトリーノだが、直後に右ストレートからアッパーを打ち込む。ヴォルカーも右フックを打ち返すも、パトリーノのパンチの速さが目立つ。パトリーノは左ボディストレートからロー、さらに右でヴォルカーをケージに押し込む。
パトリーノはエルボーからヒザでヴォルカーを追い込み、オクタゴン中央に下がると勢いのある左ボディストレートをヒットさせる。鼻血を気にするヴォルカーに右ストレートからヒザ、右エルボーと猛攻を仕掛けるパトリーノ。さらに首相撲から右ヒザをヴォルカーの顔面に突き上げると、距離を取り直す。残り2分を切ってテイクダウンを奪ったパトリーノはケージを背にして立ち上がったところでも距離を取る。初戦のガスアウトを糧としたのか、ペースをコントロールしながら戦うパトリーノは残り20秒を切ってからヴォルカーのパンチをスウェイでかわし、ラッシュを掛けることなく初回を戦い切った。
2R、右のオーバーハンドを振りながら前に出るヴォルカー。パトリーノは上下にパンチを打ち分け右フックを振るうが、序盤のような勢いは薄れたか。左をガードしながらも下がるパトリーノに対し、ヴォルカーがフックを振るって前に出ていく。前に出るのはヴォルカー。パトリーノは下がりながら左フックを振るい、ダブルレッグでテイクダウンを奪う。
それでもペースダウンは明らかなパトリーノは、ヴォルカーをスタンドも返すと、ショートの左を受ける。パトリーノの左エルボーを被弾したヴォルカーは右ローに右ストレートを合わされ、動きが止る。パトリーノはここを勝負と睨んだか、右ストレート、ヒザ、アッパーにエルボーと猛攻を仕掛ける。ケージ際を下がるヴォルカーはエルボーを受け、ドクターのチェックを受ける。
再開後、左フックで前に出たヴォルカーは蹴りも見せるが距離が合わない。大量の鼻血を流しながら、アグレッシブになり続けるヴォルカーはダブルレッグで倒されそうになりながら2Rを戦い抜いた。
最終回、鼻を気にしながら前に出るヴォルカーが右フックを振るう。ムキにならず冷静に左ジャブから右ストレートを伸ばすパトリーノ、ハンドスピードはキープしている。ヴォルカーのダブルレッグを切ったパトリーノは、ワンツーを打ち込む。懸命に手を出すヴォルカーだが、クリーンヒットはない。
パトリーノはガードもしっかりしており、下がりながら左フックをヒットさせる。再び動きが止ったヴォルカーにスピニングエルボーを見せる余裕もあるパトリーノは、左ボディストレート、関節蹴り前蹴りで距離を取ると、前のりになったヴォルカーからダブルレッグでテイクダウンを奪う。寝技に固執しないパトリーノは、そのまま制空権を維持したまま、試合終了までヴォルカーを翻弄。文句なしの判定勝ちで、UFC初勝利を挙げた