【UFN98】前世界王者ドスアンジョスの中間距離の圧力を如何にファーガソンが打ち破るか
【写真】圧力×突破力、ドスアンジョス×ファーガソン戦は結果的にド派手な打撃にある可能性が十分にある (C)MMAPLANET
5日(土・現地時間)、メキシコはメキシコシティのアレナ・シウダ・デ・メヒコで開催されるUFC Fight Night 98-TUF Latin America03 Finale「dos Anjos vs Ferguson」。メインイベントは大会名にある通り、ハファエル・ドスアンジョス×トニー・ファーガソンのライト級戦だ。
いわずと知れた前UFC世界ライト級王者ドスアンジョスは、7月にエディ・アルバレスに敗れ王座を失って以来、このファーガソン戦が復帰戦となる。対するファーガソンは現在8連勝中で前王者を破って、王座挑戦権を確実にしたい一戦だ。
フランキー・エドガーやドミニクル・クルーズがレンジの外のMMAディスタンスを持ち込み、このスポーツに革命をもたらした一方で、ドスアンジョスは誰もディフェンス能力が上がるなかで中間距離革命といっても過言でない戦いをUFCに持ち込んだ。サウスポーの構えからプレッシャーを与え、蹴りやパンチの届く距離で対戦相手を追い込んでいく。そんな戦いを世界最高峰で実現できたのは、左ストレート、左ボディ、そしてミドルやハイという攻撃手段によって、頭の位置が変わることなく対戦相手は何が来るのか予測できず、反応が遅れ矢継ぎ早にケージに押し込まれてしまうからだ。
さらにここから距離を詰めて首相撲&ヒザ、あるいはダブルレッグからテイクダウン。スクランブルに持ち込まれても、また中間距離で削っていく。寝技になるとホベルト・ゴルドの黒帯はマットに根を張ったようなポスチャーの強さと、対照的に柔軟な上半身を合わせてもっており、相手の反応に合わせてパンチやエルボー、パス狙いと自在に動くことができる。
そんな圧力をかけた戦いでベンソン・ヘンダーソン、ネイト・ディアズ、そして王座を獲得した一戦=アンソニー・ペティスを下してきた。ただし、どれだけプレッシャーを与え、自分の距離で戦っていても、相手の一発を受けることも当然ある。その一発の威力で、このミドルレンジのグライディングを打ち破ったのが現王者アルバレスであった。この点を考えると、一撃必倒、菊野克紀の突きを受けてなお、下がることなく前に出て打ち勝った試合からもファーガソンは手強さは想像がつく。
昨年12月のエジソン・バルボーサ戦でもボディ打ちを繰り返され、顔面をエルボーで切り裂かれながら、全く下がることなく左ジャブ、左フック、そして右ストレートやハイキックで真っ向から打ちあった。その結果、組みに来たバルボーサをがぶってからのダースチョークで破っている。ファーガソンは打ち負けない打撃に加え、現代MMAの正統手段といえるスクランブルのなかでのカウンターのフロント系チョークやバックに回ってのRNCを使いこなし、かつスライディング&足関節というトリッキーな手段も駆使できる。
エディ・ブラボーの下で、ストレート・ヒール系の技の習得にも余念がないなど、ウェルラウンダー振りを発揮するファーガソンを相手に、ドスアンジョスがどれだけ中間距離でのプレッシャーでストレスを与えることができるのか。
現代MMAの最先端の技術を有したうえで、肉弾相打つ殴り合いに発展する可能性が高いメインイベントだ。
■ UFN98対戦カード
<ライト級/5分5R>
ハファエル・ドスアンジョス(ブラジル/2位)
トニー・ファーガソン(米国/3位)
<TUF Latin Americaライト級T決勝/5分3R>
マルティン・ブラボー(メキシコ)
クラウディオ・プエレス(ペルー)
<ライト級/5分3R>
ディエゴ・サンチェス(米国)
マーチン・ヘルド(ポーランド)
<フェザー級/5分3R>
リカルド・ラマス(米国/4位)
シャーウス・オリベイラ(ブラジル/8位)
<ライト級/5分3R>
ベニール・ダリューシュ(米国/9位)
ラシッド・マゴメドフ(ロシア/15位)
<女子ストロー級/5分3R>
アレクサ・グラッソ(メキシコ)
ヘザー・クラーク(米国)
<バンタム級/5分3R>
エリック・ペレス(メキシコ)
フィリッピ・アランテス(ブラジル)
<ウェルター級/5分3R>
エリック・モンターニョ(メキシコ)
マックス・グリフィン(米国)
<バンタム級/5分3R>
エンリケ・ブリオネス(メキシコ)
ドゥグラス・シウバ・ジ・アンドレージ(ブラジル)
<ミドル級/5分3R>
サム・アルヴィー(米国)
アレックス・ニコルソン(米国)
<ライト級/5分3R>
ポロ・レイジェス(メキシコ)
ジェイソン・ノヴェリ(米国)
<フェザー級/5分3R>
エンリケ・バルゾラ(ペルー)
クリス・アヴィラ(米国)