【Grandslam05】チェ・ヨンジュンと対戦する山田哲也<03>「タイガー・ムエタイはスパーが全てガチ」
【写真】タイガー・ムエタイでの日々が、如何に山田哲也を変えたのか。そこが明らかになるまで、あと1週間だ(C)MMAPLANET
11月3日(木・祝)、東京都江東区ディファ有明で行われるGrandslam05でチェ・ヨンジュンとの対戦が決まったONEファイター山田哲也インタビュー第3弾。
タイガー・ムエタイでの日々が、山田をどのように変えたのか。試合と練習は違う。しかし、練習で積んだことが試合で出る。強力なトレーニング・パートナーと過ごした日々を山田に語ってもらった。
<山田哲也インタビューPart.01はコチラから>
<山田哲也インタビューPart.02はコチラから>
──タイガー・ムエタイでは名前がある選手だと、どのようなファイターと練習をしてきましたか。
「UFCに出ている選手だと、まずはマイルベク・タイスモフですね」
──オーストリア籍のロシア人ファイター。バン・テヒョン(ハン・スーファン)に勝っていて、UFCで4勝1敗ですね。
「ハイ。あとはUFCデビューが決まったアレックス・ヴォルカノフスキーやダニエル・フッカーとか……ですね」
──つまり矢地祐介選手や日沖発選手をフィニッシュしているファイターと練習してきたということですね。
「そうなります……ね。あとはブルーノ・ミランダともガンガンやっていました」
──それはヤバいメンバーです。
「強度の高いスパーリングができるのと同時に、ケガをするリスクももの凄く高いです。こういうとアレなんですけど……死を感じることがある練習です」
──うわぁ……。ではフォラヤン戦のトラウマはいつ頃に払拭できたのですか。
「タイガー・ムエタイは基本、スパーリングが全てガチなんですよ(苦笑)。ほんと、よく無事に帰国できたなって自分でも思います。運が良かったって(笑)。そういうガチ・スパーをやっていると、1カ月ぐらいで体が固まらなくなりました」
──では最初の1カ月は体が固まっていたと?今、名前を挙げた練習パートナーだと、毎日のようにフォラヤンと向かいあっているようなものですよね。
「まず自分のなかでテーマを決めて練習に臨んでいました。失神してしまったら意味がないので、アゴをしっかりと引いて額でパンチを受けることを心掛けていたんです。それを続けていると、段々と大丈夫だと思えるようになりました。
最初の頃はダニエル・フッカーとか、かなり潰しにきていましたけどね(笑)。でも、本当に凄い選手たちと練習をさせてもらっていました」
──ケガをしなかったまでも、かなり心身ともに疲弊しなかったですか。
「多い日は3部練をするのですが、一つの練習が終わるともう疲れがドッと来ます。常に疲れた状態で練習をしていて、週末になると帯状疱疹みたいなモノができたりとかもしました」
──練習で自分の良さが出ることも大切だと思うのですが、気持ち良く終われる練習などは存在したのでしょうか。
「やる、やられるというだけでなく、先ほども言いましたが練習ではテーマを決めて、そこだけはやり抜くということを常に頭n置いてやっていました。
それにコーチからは足らない部分は呼び出しを食らって、できるようになるまで徹底してやらされました」
──それも自主性が重んじられることが多い、日本のMMAの練習環境ではあまりないことですね。この間、ONEから試合のオファーはあれば受けるつもりだったのでしょうか。
「最初の1カ月は体が固まっている状態だったので、試合はできないかなって思っていました。その恐怖の部分を克服できてからはオファーがあれば出るつもりでした」
──打撃で恐怖を克服した時、グラップリングやMMAトレも含めで手応えはどれぐらい感じられるようになりましたか。
「う~ん、そうですね……どうにもならないということはなかったです。ただし、僕はタイガー・ムエタイ最弱の男だと思います。UFCファイターの数も半端ないジムです。そこでバリバリやれるなら今、僕はこの位置にいないはずですし」
──なるほど……。そんな状況でホームシックには?
「なんていうんですか……、日々を過ごすのに必死過ぎて日本のことを気にする余裕すらなかったです」
──それも凄まじい話です。このままずっとタイガー・ムエタイの所属でやっていくつもりですか。
「タイガー・ムエタイに今のような形で所属するには、1年ごとに更新が必要です。なので更新される限りはタイガー・ムエタイでやっていきたいです」
──一度、帰国した際に日本で練習して自らの成長を感じることはできましたか。
「8月の時点では心肺機能や体力面ぐらいですね」
──それからさらに1カ月以上、タイガー・ムエタイで過ごしました。やはり気になるのはフォラヤン戦からどれだけ変わったかということです。
「それが分るのは試合だと思います。だから、早く試合がしたいんです」
──おお、既に頼もしい発言です。チェ・ヨンジュンとの戦いで山田選手が何を見せてくれるのか。対戦相手にはどのような印象を持っていますか。
「試合の映像をチェックしたのですが、強いというよりもタフでしたね。気持ちが凄く強いけど、ファイターとして強いという感じではなくて……そう失神しない選手(笑)。ゾンビ系ですね、めげないです」
──なるほど。この間の成長を確かめるためには、恰好の相手かもしれません。では今回のグランドスラムでの試合を通して、ファンにどのようなところを見せたいですか。
「1月の試合でヘタレのイメージがついてしまったので、そんなもんじゃないというところを見てほしいです。タイガー・ムエタイで全てにおいてスキルアップをしてきたので、そこも見てもらえればと思います。そうですね……これまでバラバラだった部分がつながって来たという自信はあります。それと……ムエタイのテイクダウン。そこを見てください!!」
■Grandslam05対戦カード
<フライ級/5分3R>
伊藤盛一郎(日本)
内藤頌貴(日本)
<70.3キロ契約/5分2R+EXR>
竹内幸司(日本)
鈴木淑徳(日本)
<ライト級/5分3R>
山田哲也(日本)
チョ・ヨンジュン(韓国)
<ライト級/5分3R>
星野大介(日本)
クイントン・アレンサ(南アフリカ)
<ライト級/5分2R+EXR>
上田厚志(日本)
高橋了介(日本)
<バンタム級/5分2R+EXR>
論田愛空隆(日本)
平田純一(日本)
<ミドル級/5分2R+EXR>
YOSUKE(日本)
降矢浩希(日本)