【UFN90】MMAの枝葉が強いムニョス×軸が強いドーン。どのような化学反応が起こるか!!
【写真】MMAファイターとして対局にあるドーンとムニョス、スタイルマッチアップ的に興味深い一戦だ(C)MMAPLANET
三夜連続のUFC、その初日となる7日(木・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのMGMグランド・ガーテンアリーナで開催されるUFC Fight Night 90「dos Anjos vs Alvarez」。UFC世界選手権試合=王者ハファエル・ドスアンジョス×挑戦者エディ・アルバレスが、メインの同大会では、プレリミにおいて興味深いバンタム級戦が組まれている。
ペドロ・ムニョス×ラッセル・ドゥーン。ムニョスはUFC1勝2敗1NC、このノーコンテストは禁止薬物使用で一本勝ちが消滅したもの。一方のドゥーンもオクタゴンで2勝2敗、現在は連敗中というファイターだ。厳しい戦況下にある両者の対戦が、なぜ注目されるのか。この両者はMMAという戦いにおいて、対局のスタイルの持ち主だからだ。
幼少期より極真空手を学び、その後は柔道、松濤館空手、そして柔術に辿り着き自ら空手ベースの柔術家と語っていたこともあるムニョス。マルコ・バルボーサの黒帯は2009年よりLAに移り、ブラックハウスでトレーニングを積みながらキャリアを重ねてきた。ノーギ柔術での強さは南カリフォルニアMMA界でも定評のあったムニョスはRFAバンタム級王者を獲得し、UFCと契約を果たした。
ムニョスは打撃、テイクダウン、寝技、全てに綺麗な動きができるトータルファイターだ。一方のドーンは日本のファンからするとPXCで山内慎人、田中路教と対戦したハワイアンという印象が強いのではないだろうか。レスリングベースで執拗にテイクダウンを奪っていたドーンも、その後は打撃からテイクダウンの流れ、そしてUFCであのレアンドロ・イッサに三角絞めを極めたように、サブミッションでも強味を発揮している。
いってみればドーンもムニョスと同様にウェルラウンダーだが、ムニョスの方が一つ一つの技の完成度が高い。ただし、ムニョスはその綺麗で精度の高い技をMMAとして落とし込めておらず、その接点がギロチンに限定されているように感じられる。
他方、ドーンは一つ一つの技の精度は低くとも、テイクダウン&スクランブルを軸に打撃と寝技がつながっている。泥臭く、動き続けているなかで全ての要素を出し切って戦うのが、ドーンのスタイルだ。
MMAとして、軸が強いのがドーン。格闘技として一つ一つ枝の部分が強いのがムニョス。これまでの戦いを見る限り、実力が拮抗していると判定勝ちできる要素が多いのがドーンだという見方が成り立つ。ただし、ムニョスに繋ぎの部分が増えていると、枝葉の部分の完成度の高さがモノをいうことになるだろう。
綺麗な勝利はムニョス、ドロドロの試合になるとドーン。その両者がぶつかり合うと、どのようなケミストリーが起こり、どんなMMAが見られるのか、非常に楽しみだ。
■ UFN90対戦カード
<ライト級/5分5R>
[王者] ハファエル・ドスアンジョス(ブラジル)
[挑戦者] エディ・アルバレス(米国/2位)
<ヘビー級/5分3R>
ロイ・ネルソン(米国/10位)
デリック・ルイス(米国/12位)
<ウェルター級/5分3R>
アラン・ジョバーン(米国)
ベラ・マハメッド(米国)
<ライト級/5分3R>
ジョセフ・ダフィー(アイルランド)
ミッチ・クラーク(カナダ)
<ウェルター級/5分3R>
マイク・パイル(米国)
アルベウト・ミナ(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
ジョン・マクデッシ(カナダ)
メディ・バグダッド(フランス)
<バンタム級/5分3R>
アンソニー・バーチャック(米国)
ジレノ・ロペス(ブラジル)
<バンタム級/5分3R>
ラッセル・ドーン(米国)
ペドロ・ムニョス(ブラジル)
<バンタム級/5分3R>
フィリッピ・アランテス(ブラジル)
ジェロッド・サンダース(米国)
<ライト級/5分3R>
ジルベウト・ドゥリーニョ(ブラジル)
ルカス・サエウスキ(ポーランド)
<バンタム級/5分3R>
マルコ・ベルトラン(メキシコ)
ヘジナウド・ヴィエラ(ブラジル)
<ウェルター級/5分3R>
ヴィセント・ルケ(ブラジル)
アルヴァロ・エレラ(メキシコ)