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【UFC200】全試合がメイン? 〆は遠・ゼロ距離のJJ×中間距離で打開図るDC??=世界Lヘビー級王座統一戦

DC vs JJ【写真】史上最高のカードが並んだ試合のメインはダニエル・コーミエーとジョン・ジョーンズの王座統一戦(C)MMAPLANET

UFC史上初の3日連続イベント開催、その〆となるUFC200「Cormier vs Jones 2」が9日(土・現地時間)ネヴァダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナで開催される。


MGMグランド・ガーデンアリーナとマンダレイベイ・イベンツセンターがベガスのビッグショーとして長らく使用されてきたが、今大会は4月にオープンしたばかり2万人収容のTモバイル・アリーナで行われる。

通算363度目のイベント開催、ナンバーシリーズとして記念すべき200という数字がカウントされる今大会は正真正銘、UFC史上最高のラインナップが揃ったといえる。メインイベントに世界戦が3試合、その他の試合はブロック・レスナー×マーク・ハント、さらにケイン・ヴェラスケスも登場。プレリミ、ファイトパス・プレリミもFight Night大会ではメイン級のカードばかりが揃い、全世界のファンが楽しめるようユナイテッド・カラーが揃っている。

全12試合、24選手中──今回の世界戦を含めると、タイトルマッチ経験者が13名にも及ぶUFC内メガ・イベント。そんな史上最高の大会のメインは正規王者ダニエル・コーミエーと暫定王者ジョン・ジョーンズが対戦するUFC世界ライトヘビー級王座統一戦だ。

MMA戦績17勝1敗、UFC戦績が6勝1敗の王者DC。対して暫定王者JJはMMA全体で22勝1敗、オクタゴンでは16勝1敗という戦績を残している。この1敗もマウントから直角にヒジを落としてしまっての反則負けで、実質無敗だ。一方、DCの1敗は昨年1月にJJに判定負けを喫したもの。

純粋にレスリングでいえば、DCのテイクダウン能力──ダブルからシングル、ハイクロッチを織り交ぜたコンビネーションはJJを上回る。瞬発力とスピードにも長け、打撃の回転数も速く、ハイキックの破壊力も十分だ。真っ向勝負の肉弾戦となれば、DCは本当に強い。

ただし、JJは真っ向勝負をしない強さを持っている。それこそが215センチのリーチと、長い脚を生かした相手の良さを殺すファイトだ。左ジャブに右ロー、何よりも非常に危険な関節蹴りを多用する。一発で試合を終わらせるだけでなく、選手生命を脅かす蹴りを徹底して使用し、その精度が高い。

対戦相手の攻撃が届かない距離で、文字通りいたぶるファイトを展開するのがJJの持ち味。その結果、攻撃が大きくなった相手に対し、絶妙のクリンチワークからエルボー、ヒザを打ち込んでいく。正規王者DCもこのパターンに入ると、厳しい。テイクダウンディフェンスに長けたJJは、ディフェンスが即、前述したようにヒザやヒジへの攻撃手段と変わり、バックに回りたいDCの特性を理解した上で、離れ際のスピニング系のヒジやパンチを打ち込むだろう。

DCとすればいかに傷を少なくして組みつき、削るか。JJといえども、倒され~立たされを繰り返すと、疲労が重なるに違いない。ただし、前述したように組み際にヒジとヒザという武器を持つJJは、遠い距離とゼロ距離を支配できる。ならば肉を切らせて骨を断つではないが、DCの取るべき手段は中間距離で戦うこと。

そのためにローのカットは絶対。そしてミドルをブロックして腕がいかれるまでにパンチを効かせ、ダメージを与えてテイクダウン。グラウンドでも抑えようが、立たれようがパンチを入れてダメージを蓄積させることが勝利への絶対条件だ。最終的にはゼロ距離でも、JJが動けなくなるまで攻めるしかない。

まさにタフさとスタミナ、精神力をダメージと秤に賭けたような戦い。UFC史上、最高のカードが揃ったメインでJJを相手に王座を守るには、DCにはそれだけの覚悟が必要となる。

■ UFC200対戦カード

<UFC世界ライトヘビー級統一王座決定戦/5分5R>
[王者] ダニエル・コーミエー(米国/正規王者)
[挑戦者] ジョン・ジョーンズ(米国/暫定王者)

<ヘビー級/5分3R>
ブロック・レスナー(米国)
マーク・ハント(ニュージーランド/8位)

<UFC世界女子バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] ミーシャ・テイト(米国)
[挑戦者] アマンダ・ヌネス(ブラジル/4位)

<UFC世界フェザー級暫定王座決定戦/5分5R>
ジョゼ・アルド(ブラジル/1位)
フランク・エドガー(米国/2位)

<ヘビー級/5分3R>
ケイン・ヴェラスケス(米国/2位)
トラヴィス・ブラウン(米国/7位)

<女子バンタム級/5分3R>
キャット・ジンガーノ(米国/3位)
ジュリアナ・ペニャ(米国/5位)

<ウェルター級/5分3R>
ジョニー・ヘンドリックス(米国/6位)
ケルヴィン・ガステラム(米国/12位)

<バンタム級/5分3R>
TJ・ディラショー(米国/1位)
ハファエル・アスンソン(ブラジル/3位)

<ライト級/5分3R>
セイジ・ノースカット(米国)
エンリケ・マリーン(スペイン)

<ライト級/5分3R>
ディエゴ・サンチェス(米国)
ジョー・ローゾン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ゲガール・ムサシ(オランダ/8位)
チアゴ・サントス(ブラジル/15位)

<ライト級/5分3R>
ジム・ミラー(米国)
五味隆典(日本)

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