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【TUF23】ベラトールでライト級の頂点を究めたウィル・ブルックスが、UFC初戦。ロス・ピアソン戦へ

Brooks【写真】鋭い打撃、テイクダウンは防御とも強いブルックス。いよいよUFCでのキャリアが始まる (C)MMAPLANET

UFC Three days!──その中日=8日(金・現地時間)に行われるのはTUF23 Finale「Team Joanna vs Team Claudia」。MGMグランド・ガーデンアリーナで開催される同大会はイベント名にあるように世界女子ストロー級王者ヨアナ・ヨアナ・イェンジェチックとクラウジア・ガデーリャがコーチを務めたTUF23のフィナーレ大会だ。

12週間に渡って放送され──ファンの間で顔馴染となったTUF出演者以上に注目の新顔が同大会でオクタゴンに足を踏み入れる。それがウィル・ブルックスだ。

前Bellator世界ライト級王者、そのベルトを投げ打って世界最高峰に挑む。UFCはリーボックとのライセンス契約以来、スポンサーマネーを失うビッグネームの戦線離脱が見られるなか、Spikeという安定した中継母体を持つBellatorからブルックスは血気盛んにUFC出場に転じた。

日本では全く無名だった2012年の大晦日に来日し、北岡悟にTKO勝ち。豪快な打撃、バックスローからパウンド連打という衝撃的な戦いっぷりであった。その後、Bellatorと契約したブルックスは9勝1敗というレコード(通算18勝1敗)を残し、7戦目で彼が去ったBellatorで再びライト級の頂点に立ったマイケル・チャンドラーを破り、王座戴冠。そのチャンドラーだけでなく、マーチン・ヘルド、デイブ・ジャンセン、タイガー・サルナフスキーと世界で2番目に層の厚いBellatorライト級の精鋭をことごとく倒してきた。

ブルックスは豪快なファイトの印象を残しつつ、その実はジャブや前蹴りで相手を突き放し、相手にフラストレーションを与えクリンチからテイクダウンを取るという試合巧者でもある。何よりも防御力が高く、チャンドラーの打撃、テイクダウン、ヘルドの足関節にも見事に対応してきた。その彼の強さの根幹にあるのは豊富なスタミナと、そこを生かしたペース配分。決して無理することなく、行くときは行くというメリハリがきいたファイトが信条だ。

対するロス・ピアソンはUFC在籍7年、TUF09ウィナーからライト級とフェザー級で活躍し続けてきた古参のファイターだ。小刻みなステップと、回転数の早いパンチを武器に戦ってきたピアソン。オクタゴン戦績は11勝7敗1NC、何と2014年7月から負けと勝ちを繰り返し、この間は4勝4敗という五分の星となっている。

6試合の長期契約を結んだブルックスだが、ズッファ首脳がピアソン戦のパフォーマンスを見て、彼の真価を見極める腹積もりであることは間違いない。だからこそ、ピアソンは意地の固まりのようなファイトを見せるはず。

過去エディ・アルバレス、そしてヘクター・ロンバードというベラトール世界王者がUFC初戦で躓いている。果たしてブルックスは、その大切な初戦でどのようなパフォーマンスを見せることができるのか。今後のライト級戦線を占う上でも要注目の一戦だ。


■ TUF23現時点での対戦発表カード

<UFC世界女子ストロー級選手権試合/5分5R>
[王者] ヨアナ・イェンジェチック(ポーランド)
[挑戦者] クラウジア・ガデーリャ(ブラジル/1位)

<TUF23ライトヘビー級T決勝/5分3R>
アンドリュー・サンチェス(米国)
TBD

<TUF23女子ストロー級T決勝/5分3R>
アマンダ・クーパー(米国)
TBD

<ライト級/5分3R>
ロス・ピアソン(英国)
ウィル・ブルックス(米国)

<フェザー級/5分3R>
チェ・ドゥホ(韓国)
チアゴ・タバレス(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
ジョアキム・シウバ(ブラジル)
アンドリュー・ホルブルック(米国)

<フェザー級/5分3R>
グレイ・メイナード(米国)
フェルナンド・ブルーノ(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
ジョン・モラガ(米国/6位)
マテウス・ニコロウ(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
セザール・フェレイラ(ブラジル)
アンソニー・スミス(米国)

<ライト級/5分3R>
ジェイク・マシューズ(豪州)
ケビン・リー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
リー・ジンリャン(中国)
アントン・ザフィア(豪州)

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