【UFN29】マイアとの激戦制したシールズ、タイトル戦線に
<ウェルター級/5分5R>
ジェイク・シールズ(米国)
Def.2-1: 48-47, 47-48, 48-47
デミアン・マイア(ブラジル/4位)
プレッシャーを与えるマイアに対し、左腕を伸ばすシールズ。シールズの左ローに合せて組みついたマイアだが、すぐにテイクダウンは奪えない。逆に一度は下になりそうになったが、それでもインサイドトリップでトップを奪取する。シールズはフックガードから左ワキを差すが、勢いのあるパンチを受ける。パンチを受けながら立ち上がったシールズはボディロックから、テイクダウン狙ったが、差し返され再びテイクダウンを許してしまう。
マイアは左のパウンドを落とし、シールズが立ち上がるところでバックへ。シールズは前方に落して、トップを奪取する。ケージを背にするマイア、その肩を潰して立たせないシールズが、細かいエルボーを落す。バタフライガードを越えようとするシールズの背中が伸びると、すかさずリバーサルを仕掛けるマイア、期待通りの質の高いグラウンド戦が繰り広げられる。
残り20秒、マイアは立てないがガードコントロールもできており、ほぼ無傷で乗り切った。テイクダウンが2回、マイアが初回を制したか。2R、シールズのテイクダウン狙いに頭を落して逆にシングルを仕掛けたマイアだが、シールズがハイクロッチから前方に崩してテイクダウンを奪う。シールズは左のエルボーを落とし、パスを狙う。ハーフから脇を差し、尻餅状態に戻したマイアだが、シールズが肩を押して背中をつかせる。その動きさえ利用し、マイアもスウィープを仕掛ける。ハーフから左腕で、マイアの左脇を差すという動きを見せたシールズに対し、マイアは立ち上がることができない。
ハーフから懐にマイアを入れさせないシールズのトップキープが続く。寝技を得意としている者同士、しっかりと攻防になっておりブレイクの必要はない。マイアはケージを蹴りにいくと、足が開きシールズが一本足を抜いていく。懸命に潜るマイアだが、シールズは入らせない。残り30秒、エルボーを顔面に受けるマイアはついにクローズドガードに。このままタイムアップとなり、シールズが取り返した。
3R、左を伸ばすマイア、続いて右フックを振るうがスピードはない。シールズは右ローから左ジャブを伸ばす。シールズのローの左を合わせたマイアは、テイクダウン狙いを潰して逆にケージに押し込む。右ワキを差しているマイアだが小手投げで腹這いになり、背中を跨がれてしまう。すぐに両者が立ち上ると、今度はマイアが組んでバックに。シールズは左にロールして、トップを取り返す。左は足を一本抜いたシールズは、マイアに手繰らせない。残り1分、左ワキを差して、右でパウンドを落すシールズ。マイアはここでもクローズドに一旦戻す。背中をつけたままのマイア、シールズがここもトップからマイアの良さを潰したラウンドとなった。
4R、まずは左足に組みついてドライブ、ケージに押し込んで右足をクラッチし、さらにダブルに移行するシールズ。マイアは体を入れ替えて、両脇を差してヒザを突き上げる。一本差し返したシールズが、押し返してマイアをケージに詰める。シールズはマイアの右足を取りにいくが、マイアも右ワキを差してこれを許さない。と、レフェリーがブレイクを命じる。両者が持ち味を発揮しているなかで、打撃に誘導するブレイクだが、直後にシールズがシングルへ。これを切ったマイア、両者が距離を取る。とシールズは、シングルにつられて引き込みを見せる。
ここまでのトップキープでスタミナをロスしたのか、5Rを取るための戦略かシールズはクローズドで固め、このラウンドを失っても致し方ない状態を続ける。これは膠着誘発で、レフェリーがブレイク。残り40秒、マイアが左を伸ばすが、彼もまた息が荒い。シールズはローを放ち、距離をキープしようとしたまま4Rを戦い終える。
最終回、初回はマイア、2Rと3Rはシールズ。4Rはマイア。勝負の5分間、シールズは右ハイを2発見せる。右ローに左フックを合せようとするマイアは、自分から組みつくことがない。シールズは右ローを続け組みつくが、マイアが切る。パンチのカウンター狙い、待ちの姿勢のマイアは、続くシングルでケージを背にすると、左足を大きく広げてディフェンス。両脇を差して、逆にケージにシールズを押し込む。エルボーから離れるマイア。シールズは右ハイを蹴り込む。
残り2分、シールズのダブルを切ったマイアが距離を取るが、やや待ちすぎか。ここでマイアが左を伸ばす。打撃でプレッシャーを与えるマイアは、シールズのシングルから、ダブルで腰をマットにつかされそうになるが、何とかケージ際に移動する。頭を下げて、足首を取りにいくシールズ。残り30秒でレフェリーがブレイクを命じる。マイアの左、シールズの右ローが交錯する。と、マイアは左を振りながら前へ。死力を尽くした5Rが終了し、両者が高々と両手を掲げた。ジャッジの裁定はスプリットでシールズへ。マイアのタイトル挑戦を潰し、自らがタイトル戦線に残る――首の皮一枚を残した判定勝ちを手にした。