【RFC13】フェザー級T準決勝出場、梅田恒介「自分の形に――」
【写真】クォン・ベヨン戦まで2週間。東京、大久保のDEEPジムで梅田は練習を行っていた(C)MMAPLANET
12日(土・現地時間)に韓国キョンサンプクト・クミのパク・チョンヒ体育館で開催されるROAD FC13。同大会で梅田恒介がフェザー級トーナメント準決勝でクォン・ベヨンと戦う。
6月大会が対戦相手の減量失敗で、試合が消滅した梅田。41歳の大舞台を前にして、現在の心境を尋ねた。
――2週間後にようやくRFCへの出場があります。前回はキム・チャンヒョンが計量にパスしなくて、試合がなくなりました。
「一度、日本で戦った時に試合がオファーの1週間前ぐらいで、あのとき(※2010年4月)は72キロぐらいの契約だったのにギリギリみたいな感じだったんです。だから、65キロで試合が決ったときに、チームの皆も『落せるのかな?』って言っていたんです。そうしたら計量前日にホテルで見かけた時も、サウナスーツを着ているままで、あまり生気も感じられなくて。
計量の日の朝は全く動けていなかったし、大丈夫なのかなって思っていたんです、本当に。あの状態で試合をするのは……、(試合が)なくなって良かったと思います。自分はずっと体重だけは守らないといけないって、R-BLOODやT-BLOODではプロとしてそこは絶対だと教えられてきたので……。それまで練習も積んで来たし、もう笑うしかなかったですね(苦笑)」
――そういう前回の無念さもあり、今回のクォン・ベヨンとのトーナメント準決勝を迎えるわけですが、小見川道大選手に勝ったクォン・ベヨンの力はどのように捉えていますか。
「小見川選手との試合、OFCでの試合もチェックしました。フィジカルも強くて、実力のあるファイターだと思います。ただ、自分の形に持っていけば勝負にはなるかなって。川尻(達也)君もそういう風に言ってくれていますし。そう戦えるように練習をしています」
――梅田選手にとって、自分の形とは?
「やっぱり……つまらない試合です。自分はつまらない試合でしか勝てないんで。負けるときは派手で(笑)。ご存じのように“漬け”試合なんで、そこに持っていきます。日本で戦った時に使われているケージよりも大きいので、如何に距離を詰めていくことができるか。その位置取りが大切になってくると思います。クォン・ベヨン選手は柔道でも強かったらしいし、どうやって自分の形に持ち込めるか。でも、自分もテイクダウンできる自信はあるので、そこから先が勝負になります」
――梅田選手はこれまでアームバー・キムことキム・チャンヒョン選手に始まり、パーキーことパク・ウォンシクと韓国のトップ選手に勝利しています。
「特別、韓国人選手だから手が合うということはないのですが、向こうが俺のことを知らないので向かってくるので戦いやすいというのはあるのかもしれないです(笑)。試合前の予想でいえば、番狂わせで勝っているので。パーキーの時なんて、自分でも勝てると思えなかったぐらいで。
あの時もパーキーがDREAMに出ることになりそうで、試運転のようなファイトで。で、誰も試合を受けなくて自分のところに話が回ってきたんです。あの時は自分ももう65キロで戦おうと決めていたので、体重も落していて殆ど減量もない状態だったので受けました」
――そういう状況で勝てるっていうのは何かを持っていると。
「いやいやいや……、そんなことはないです(苦笑)。たまには良い目を見ないと、やっていられないですからね(笑)。まぁ、開き直ってできるというはあります。実力的には彼らより下の日本人選手でも、自分のことを研究してくる方が戦い辛いですしね」
――ただし、今回はトーナメント戦で前々から対戦相手が決まっているということもあり、クォン・ベヨンも梅田選手のことを研究しているのではないでしょうか。
「よく皆と『舐めてかかって来てくれねぇかな』って言っているんですけどね(笑)。さすがにパーキーやチェ・ドゥホと戦っている映像なんてネットにあがっているだろうし、研究はされているでしょうね。それでも自分の形に持っていける自信はあります。
そういえばクォン・ベヨン選手がDEEPジムに出稽古に来たらしいですよ。修斗の後楽園ホール大会のセコンドに来ていて。慧舟會とかで練習しているみたいですね。修斗の会場でも自分が児山(佳宏)君のセコンドについていて、彼がブライアン・チョイのセコンドで、ばったり顔を合わせたんで握手しました。まさか、この時期に日本で会うなんて思っていなかったです(笑)」
――トーナメント枠としては、事実上の決勝戦という見方もできます。
「まぁ、1回戦で負けたオランダの選手とかは、決してレベルは高くなかったですよね。川尻選手とも、『あの選手は何?』って話していたんです。クォン・ベヨン選手は勝ち上がってきた他の2選手とは力が違うというのは分かっています。ただ、6月に彼が勝った時点で、次は自分が戦うことになるだろうって思っていました。1回戦で小見川君とやらせるということは、彼が日本人を倒していくっていうシナリオなんでしょうし、それはもう覚悟していました」