【Grachan23】ライト級王座決定戦で阪本洋平と対戦する宇良健吾 「ボクシングを見直した」
【写真】ザ・強面といっても過言でない宇良健吾は、インタビューを読んでもらうと分かるように、とても礼儀正しい人物だ(C)MMAPLANET
22日(日)、東京都江東区のディファ有明でGRACHAN23が開催される。メインでフェザー級とバンタム級、階級を超えたチャンピオン対決=大澤茂樹×手塚基伸が組まれた同大会ではライト級王座決定戦も行われる。
昨年11月に戦う予定だった宇良健吾と阪本洋平。坂本の負傷で対戦が同大会までずれ込んだ。アマ修斗出身もその後は米国に渡り、逆輸入の形でKOPウェルター級の頂点に就いたこともあった宇良だが、ライト級転向後は浮き沈みの激しいキャリアを積んでいる。
現在は、生まれ故郷の石川県小松をベースに再生を目指す宇良にGrachanのタイトルに賭ける気持ちを訊いた。
──5月22日、坂本選手とGrachanライト級王座を賭けて戦う宇良選手です。
「そうですね。本来は11月に戦う予定だったのですが、坂本選手の負傷で延期になっていました」
──半年間の延期、この間は試合をすることもできませんでした。
「Grachanからは基本的に他のイベントで戦って良いと言われていまして、実際にオファーもありました。ただ、体重やケガもあってタイミングも合わなくて受けることができなかったんです。ケガをしては、治してまたぶり返して──という悪循環に陥っていました」
──ではあまり練習もできなかった状態ですか。
「治りも早いのですが、癖になっている部分もあり、負傷箇所をかばうとまた違う箇所を痛めるような感じで」
──まさに悪循環ですね。
「でももう大丈夫ですし、ケアもしています、その間もできる練習はしっかりと積んできました」
──ライト級トーナメント戦を共に勝ち上がりました。阪本選手は準決勝で山本勇気選手に勝っています。印象を教えて下さい。
「ハイ。自分が代役出場だった渡辺和幸選手と戦った直後で、その試合を見ていたのですが、まず体がデカいですね。同じジムの川尻さんと同じようなタイプに感じました。パワーもあるし、テイクダウンを執拗に仕掛ける。決して得意なタイプの相手ではないです」
──だからこそ、この半年間の過ごし方が問われることになりますね。
「ハイ。このところ、自分は当てよう、当てようという気持ちが強くなりすぎていました。結果、不用意に近づき、距離とか考えることが二の次になって。思い起こせば、考えていた時期はやっぱりテイクダウンも切れていたんです。
でも最近の試合は、まず当てたいということで不用意に近づいていました。プレッシャーの掛け方も、大きくパンチを振って圧力を与えようとするだけで」
──そこに気付き、克服するためにどのような取り組みをしてきたのでしょうか。
「ボクシングを見直して、トレーナーの下についてパワーや勢いでない圧力の掛け方をまた積んできました。地元の小松ボクシングジムの高橋(清仁)さんは元アマチュア・ボクサーで、五輪を狙っていた柏崎刀翔選手のトレーナーを務めていたこともある方で。
ボクシングはMMAと違い、パンチに特化し攻撃できる部分も限られているので、凄く精巧でセンチ、ミリ単位で指導してもらっています。凄くロジカルに教えてくださるので、自分のパンチを見つめ直すことができました。米国でもアマ出身でプロになった方に教えてもらっていたのですが、あの頃の感覚を改めて思い出すことができています」
──つまり宇良選手が飛ぶ鳥を落とす勢いだった当時のパンチ、ボクシングも戻っていると考えて良いですか。
「ハイ。このところ、パンチの精度は落ちていたし。ガードも下がっていました。そこも高橋さんに指摘されています。安易にプレッシャーを掛けて、フェイントもただ頭を振るだけで。こういっちゃうとアレですが、偽物でした」
──隙が大きくなっていたようには感じました。
「その通りだと思います。相手の動きを見て、そこに自分を合わせて行こうとしていました。本当は自分の動きで、相手を反応させないといけないのに」
──ボクシング技術をMMAに落とし込む、永遠のテーマではあります。
「そのためにはボクシング、ボクシングせずにボクシングを使うことなんですよね。そうしないと、ボクシングではないので蹴られてしまいますし、もちろん組みつかれてしまいます」
<この項、続く>
■Grachan23対戦カード
<GRACHANフェザー級/5分2R>
大澤茂樹(日本/フェザー級王者)
手塚基伸(日本/バンタム級王者)
<ウェルター級/5分2R>
秀虎(日本)
武士正(日本)
<フライ級/5分2R>
植木新(日本)
山本聖悟(日本)
<フェザー級/5分2R>
崎山勲(日本)
なおKING(日本)
<フェザー級/5分2R>
阿仁鬼(日本)
直斗(日本)
<GRACHAN初代ライト級王座決定戦/5分3R>
宇良健吾(日本)
阪本洋平(日本)
<フェザー級/5分2R>
島村裕(日本)
小澤龍一(日本)
<フライ級/5分2R>
板谷一樹(日本)
吉岡弘晃(日本)
<ミドル級/5分2R>
佐々木克義(日本)
ジョシュア・ロビソン(米国)
<キックLOKルール59キロ契約/3分2R>
高見澤章光(日本)
山崎コリンチャンス(日本)
<フェザー級/5分2R>
豚ラーメン翔太(日本)
星野一磨(日本)
<バンタム級/5分2R>
小林亮太(日本)
遠藤来生(日本)
<キックLOKルール57キロ契約/3分2R>
花塚智雄(日本)
大岩翔大(日本)
<ライト級/5分2R>
竹川光一朗(日本)
鋼入りの戸田 (日本)