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【UFC165】ライト級3連勝中、マイルス・ジュリー インタビュー

Miles Jury

【写真】アマMMAで6勝0敗。プロMMAは12勝0敗、TUF内戦績1勝1敗というマイルズ・ジュリー。(C)MMAPLANET

21日(土)、カナダ・オンタリオ州トロントのエアーカナダ・センターで開催されるUFC165「Jones vs Gustafsson」で、マイク・リッチと対戦するマイルズ・ジュリー。

TUFシーズン13を負傷でリタイアした後、シーズン15に再参加。ハウス入り後、初戦で準優勝したアル・イアキンタに敗れたが、この試合はシーズン通してのベストバウトに選ばれUFCとの契約にこぎつけた。以来、3連勝と公式戦では負け知らずのジュリーをアライアンスMMAでインタビューした。

──マイク・リッチ戦が迫ってきました。

「準備は万全だよ。あとは実際に戦うだけさ」

──リッチの所属するトライスターはカナダの名門アカデミーです。アライアンスMMA所属のマイルズとしては、絶対に負けられない試合です。

「トライスターはグレード・キャンプだね。まぁ、試合はヒトとヒトが戦うもので、キャンプの対抗戦だとは思ってはいないよ。とはいっても、アライアンスがナンバーワン・ジムだと信じているし、そのことを世に知らしめる機会になると思っている」

──リッチはTUFシーズン17準優勝のカナダ人、声援は彼に集まりそうです。一方でTUFシーズン15という最もタフだったシーズンにマイルズは参加していました。

「全ての試合がライブだったのは、僕らだけだ(笑)。参加メンバーがタフだっただけでなく、収録期間も最長だったし、そういう面でも最もタフなシーズンだった。彼がシーズン17の準優勝者だったこと、僕がシーズン15というタフエスト・シーズンに参加したこと。これは、もう僕らの力では何もできない領域の話だからね(笑)。何も彼に対し思うことはないし、ただゲームプランを実行するだけだよ」

──彼の長所はどこにあると思いますか。

「オールラウンドであることが長所であり、短所でもある。穴がなくても、秀でたものもない。僕もオールラウンダーだけど、マイク・リッチを全ての局面において上回っている。打撃でもレスリングでも、柔術でも撲の方が上だ。コンディショニングも含めてね」

──ところでマイルズは、いつMMAに興味を持つようになったのですか。

「13歳のときから興味を持っていて、テコンドーや柔術を学ぶようになった。それからレスリングもやって、16歳になってボクシングも学ぶようになり、MMAを始めたんだ。その年に初めてアマMMAの試合に出て、それ以来、過去を振り返ることなくやってきたよ」

──出身は?

「ミシガン州のデトロイトだよ。ファミリーは今もデトロイトにいる。財政破たんして大変なことになっているけど、僕にとってはいつまでも大切な故郷、今でも一番の街なんだ。MMAもデトロイトで始めたし、さらに高いレベルでトレーニングを積みたくてサンディエゴに移ってきたんだ」

──つまりアライアンスMMAで練習するためにサンディエゴにやってきたということですね。

「その通りだよ。アライアンスでのトレーニングが、僕にとって全てだ。正直、練習相手に常に優位に立てるような状況じゃ強くなれない。仮にそういう風になれば、次のジムに移らないと。でも、アライアンスの環境は違う。トレーニング・パートナーの質、コーチの質がナンバーワンだ。

仮にここで練習相手に常に優位に立てるようになれば、いうことないよ。エリック・デルフィエロ、ドミニク・クルーズ、ジェレミー・スティーブンス、皆から学ぶことは本当に多い。ここに僕の生き方が詰まっている」

──ドミニク・クルーズのステップは、MMAをさらに進化させました。あのようなスタイルを取り入れようとするファイターもいます。マイルズは身近にドミニクを見ていて、あのステップを取り入れたいと思いますか。

「ドミニクとエリックがクリエイトしたあのステップは素晴らしい。ドミニクの財産だ。影響は受けるけど、僕には僕のスタイルがある。ただし、ヒントにはなる。そういう機会を求めて、ここで練習しているんだから。でも、僕には僕の戦い方があって、ドミニクと同じことをしても意味はないと思う。それでも一つのスタイルを構築したグランド・マスターのようなファイターと一緒に練習することの意味は、とてつもなく大きいよ」

──TUFシーズン15からUFC入りを果たしたマイルズですが、本来はシーズン13でホーム入りも決めていました。

「TUFシーズン13に出演できる機会を得たけど、トレーニングの最初の日に前十字靭帯をやってしまった。ダナ・ホワイトはショーからの撤退と同時に、もう一度参加させるって約束してくれた。でも、あの時はつらかったね。お金も残っていなかったし。1年後、TUF15にカムバックできてUFCとも契約が結べることになり本当に良かったと思っている」

──そして、デビュー後はUFCライト級で3連勝、この戦績を自身でどのように捉えていますか。

「常に世界のベストになるというビジョンを描いて、トレーニングし、試合で戦ってきた。もちろん、UFCで勝利することもそのビジョンに含まれているけど、3連勝というのはまぁ、良くやっていると思う(笑)。

急ぎ過ぎたくないから、この成績はデキすぎかもしれない。でも、この戦績を自分でしっかりと受け止め、ベストになるために努力を続けるのが僕の成すべきことだから」

──最後にUFC JAPANの時に来日したケニー・フロリアンが、これから期待のファイターはマイルズ・ジュリーだと、日本のメディアに語っていました。

「本当? 凄いよ。僕はケニー・フロリアンの大ファンだったから、凄く嬉しい。テクニックだけじゃなくて、彼の持つマーシャルアーツ哲学が大好きで。ケニー・フロリアンに学んだことは多かったんだ。

そうそうカオル・ウノがアライアンスで練習していたけど、手を合わす機会がなかった。彼とBJ・ペンの5Rに渡る試合は、マット・ヒューズとカーロス・ニュートン戦と同じように、いつまでも心に残る一戦なんだ。

まだ、子供だったけどPRIDEのファンだったし、日本のマーシャルアーツ文化に憧れを抱いていた。だから、ユーシン・オカミやヒデオ・トコロなど、日本の選手がアライアンスにやってくると、またファンだった頃の気持ちに戻りそうになるぐらい、ワクワクしてしまうんだよ」

■UFC165「Jones vs Gustafsson」対戦カード

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
ジョン・ジョーンズ(米国/王者)
アレクサンダー・グスタフソン(スウェーデン/1位)

<UFC暫定世界バンタム級選手権試合/5分5R>
ヘナン・バラォン(ブラジル/1位&暫定王者)
エディ・ワインランド(米国/4位)

<ヘビー級/5分3R>
ブレンダン・シャウブ(米国)
マット・ミトリオン(米国)

<ミドル級/5分3R>
コスタ・フィリッポウ(キプロス/7位)
フランソワ・カルモン(フランス)

<ライト級/5分3R>
パット・ヒーリー(米国/10位)
カビブ・ヌルマゴメドフ(ロシア)

<ライト級/5分3R>
マイク・リッチ(カナダ)
マイルズ・ジュリー(米国)

<バンタム級/5分3R>
アイヴァン・メンジヴァー(カナダ/10位)
ウィルソン・ヘイス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
クリス・クレメンツ(カナダ)
スティーブン・トンプソン(米国)

<バンタム級/5分3R>
ミッチ・ギャグノン(カナダ)
ダスティン・キムラ(米国)

<ライト級/5分3R>
ジョン・マクデッシ(カナダ)
ヘニー・フォルチ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
ジェシー・ロンソン(カナダ)
ミシェウ・プラゼレス(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
ローラン・デローム(カナダ)
アレックス・カサレス(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ナンドール・ゲルミーノ(オーストリア)
ダニエル・オミランチョク(ポーランド)

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