【RFC13】田村一聖(03)「半端なヤツは残れない。皆、必死―」
【写真】週に一度、栃木県の足利市まで通って一期倶楽部で伝統派空手の稽古に参加。MMAは努力を争うモノではないが、この強さへの探求心が結果に繋がらないわけがないだろう
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10月12日(土・現地時間)、韓国のクミで開催されるRFC13に参戦する田村一聖インタビュー第3弾。
七夕に入籍していたことを打ち明けてくれた田村。より一層、責任感が増し、再びUFCを目指すという気持ちを強くした彼に、堀口恭司を育てた栃木の空手道場=一期倶楽部での稽古、そして以前はロータス世田谷などで頻繁に行っていた出稽古について尋ねた。
<田村一聖インタビュー、Part.01はコチラから>
<田村一聖インタビュー、Part.02はコチラから>
──結婚式は……、誤解を恐れずに申し上げると私も女性のためにあると思っています。決して、男が光り輝く場でない(笑)。ただし、その場で自分の責任を改めて感じ入り、周囲に宣言するという場ではないでしょうか。
「本当、そうっスね。色々と物入りですし……(苦笑)。でも、これだけサポートしてもらっているから、自分の全てをMMAに懸けることができるんです」
──お子さんの方は?
「いえ、子供はまだです」
──奥様一人の時から、お子さんが生まれると、一人ひとりにさらに責任が増してきますからね。だからといって、社会が甘くなってくることはないですが、結婚というケジメ、出産という契機は、経験者として自分を強くしてくれるモノだと感じています。
「ケジメ……、そうですよね。ちょっと、やってやりますよ。しっかりと成績を残して、またUFCへ」
──そういえば堀口恭司選手が育った空手の一期倶楽部で練習しているそうですね。
「アスンソンとの試合の後から通わせてもらっているんですが、本当に変わりました。足が凄く動くようになって、戦いやすくなりました。本当に楽にスパーやマスもできるようになったので、その成果を試合で出さないといけないと思っています」
──その打撃の進歩と共に、ケージ際の攻防の巧さも日本でも1位、2位を争う力の持ち主だと個人的にも思っているので、そこもぜひ試合で出してほしいです。
「いやいやいやいや(苦笑)。俺なんて……。でも、ゴング格闘技で恭司と戦った石渡選手のインタビュー、サクッと読んだんですけど、もっと嫌がらせをしたら違っていたのかなぁって感じました。恭司も凄く良くなっているけど、石渡選手の考えを読んで、自分も考えることが色々とありました。
単純に恭司は、寝かされないという部分では、本当に良くなっていて、練習でも寝かせることは簡単じゃないんです。ディフェンスが凄く上手くなっている。けど、石渡選手の話していたことを読んで、まだ必要なモノがあるって気付いたんです」
──その組みの方だと、最近ではKRAZYBEEで練習していて、出稽古を行う機会はないのでしょうか。
「出稽古は、行きたいですよ。ただ、新しいことをどんどん吸収していると、ジムでの練習でヘロヘロになってしまって。それでも、出稽古はしたいと思っています。う~ん、自分の練習、チームメイトの練習もあるので、どうしても時間が限られてきます。だから、KRAZYBEEに来てくれる人がいれば、それも大歓迎ッス。まぁ、朝練習って結構重なっていますからね……」
──日沖発選手が東京に解説の仕事にやってきたとき、グランドスラムやパラエストラ八王子、ロータス世田谷、DEEPジムと訪ねていますね。
「いやぁ、メチャクチャ来てほしいッスよ。本当に。俺がそんなこと言ったら、おこがましいですけど、日沖選手とか練習に来てくれるなら、めちゃ嬉しい。本当に一緒に練習してみたいです」
──日沖選手が、KRAZYBEEで出稽古というもの、本当にカラーが違って興味深いです。
「もう半端でMMAやっているヤツは残れないし。皆、必死じゃないですか。もう皆、オエって涎を垂らしながら練習していて。頭もメチャクチャ使いながらやらないといけないし、逆に頭を使わないと勝てない。もう後は限界突破ッスよね。正直、自分はメチャクチャ恵まれた環境にあるとは思っていないです。カレッジレスリングのコーチや柔術の黒帯が、ジムにいるわけじゃない。そんな米国みたいなコトできないです。
でも、日本にいても恭司とかみたいに黙って練習について来たら、ある程度のところまで絶対に行ける。そりゃあ、米国の方が環境はいいですよ。でも、そんなこと言ってもしょうがない。この国でやるしかない。次の試合まで、まだ時間はあるので、強さも追及できるし、とにかく……やります」