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【Special】格闘技のためのLIFE 細川顕<03>「選択肢は広がったので、環境を整えてチャレンジしたい」

Akira Hosokawa【写真】世界の舞台を現実的に考えた時、東京でのADCCがキーとなる細川(C)MARTIAL WORLD

昨夏、岐阜にカルペディエム・ホープがオープン、杉江(白木)大輔とともに細川顕がスタッフとして指導するようになった。

安定した職を捨て、柔術を生業をとした細川インタビュー最終回は現役柔術家としての活動に焦点を当てた。世界と戦う、そしてノーギという選択肢も細川には存在する。
<細川顕インタビューPART.01はコチラから>
<細川顕インタビューPART.02 はコチラから>

──2015年の細川選手は現役柔術家としては全日本柔術はライト級が準優勝、無差別が優勝。そして10月にはプロ柔術のGround Impactに於いてノーギマッチで五味隆典選手に勝利しました。それにカルペディエム・ホープ正式オープン前には一騎打ちのワンマッチで勝利しています。この戦績については?

「本当はワールドに出ていきたいのですが、今は制度が変わってポイントが必要になってくるので、なかなか簡単にはいかないですね。大会に出続けないとポイントを確保できないうえに、アジアや名古屋国際もどうしても出ることができなかった。そうなるとワールド出場は難しい。

一度はしっかりと挑戦したいと思っていますが、ならワールドでなくてもアブダビ・ワールド・プロやグランドスラムにも世界的に見てもかなりの面々が出場していますから、そういう部分でも勝負していければと思っています。そっちも面白そうですね」

──世界と戦う取捨選択は、人生の取捨選択になってくるのが日本の柔術家の現状ですね。

「本当にそうなので、ならポイント制のないワールド・マスターだって十分に為になると思いますし、一度は杉江さんと一緒に出てみたいという気持ちもあります。そうなったら道場は──という話になってしまうのですが(笑)。

杉江さんとは一緒に海外の試合に出てみたいんですよね。でもマスターだと試合タイムが6分、パワーがあってテイクダウンできる柔術家が有利になる」

──年を取ってもさらにフィジカル勝負と(笑)。

「先制すれば守って勝てるので、パワー系の柔術は勝ちやすいと思います。なので、僕としては10分の方が好きです」

──話は堂々巡りとなってしまいますが、そうなると世界と戦うならIBJJF系の国際トーナメントに落ち着きませんか。

「そうなんです。だからタイミングをみて、パンナムに挑戦とか考えています。ヨーロピアンは間に合わないので。名古屋オープンが2016年もあるのか。ソウル・オープンもMARSの影響で中止になりましたが、韓国でポイントを狙うというのも手ですしね。言ってしまえば全日本でなく東京オープンとかジャパン・オープンになってポイントがあれば……なんて思ってしまいます(笑)」

──そうなると国際連盟に吸い取られて、JBJJFの金庫が空になってしまう(笑)。では2016年は現役として、どこを目指していくつもりですか。

「う~ん、ワールドと言い切れないのが歯がゆいのですが(苦笑)、海外には挑戦したいです。それと次のADCCの世界大会が東京で開催されるのであれば、ノーギにもチャレンジして行こうと思います」

──五味選手にも勝ちましたし。

「RIZINのグラップリングに出ようと思います(※準決勝で八隅孝平に敗北)。そこもアブダビコンバットを視野に入れてのモノです。ADCCは興味がありますね。僕はノーギをやっているほうなので、五味選手に勝てたことは自信になりましたし。

ただし、あの試合はIBJJFのノーギ柔術ルール。引き込みにマイナスもないですし、ルールが違うというのは頭にあります。ADCCはテイクダウン勝負という部分もあるので、実はノーギ・ワールドというのも選択肢の一つです。

それなのに……ノーギはノーギで輪を掛けて練習環境を整えるのに苦戦します。柔術だと出稽古でできますが、ノーギはない」

──ADCCではスクランブルは欠かせないです。そうなると……。

「ALIVEですか(苦笑)。久米とかこっちに来てくれないかなぁって──五味さんと戦う前にチラッと思ってしまいました(笑)。絶対にALIVEの皆は分かってくれる、大丈夫なんです。でも、そこはやっぱり僕のなかでケジメをつけないといけないと思っています。まぁ、ADCCは2017年なので……。いずれにしても、ノーギはもっと究めたいと思っています。ADCC世界大会が東京で行われるのなら、日本の全柔術家はADCCを目指すべきです。

僕自身サラリーマンをやっていればブラジルのADCCなんて絶対にいけなかったので。とにかくカルペディエム・ホープでやるようになったことで、これまでにチャレンジできなかったことも挑戦できる。何かをやる選択肢は広がったので、環境を整えてチャレンジしていきたいです」

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