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【WSOF26】パーマー、まさかの王座転落。MMAとはスプロール・キックボクシングなのか……

<WSOF世界フェザー級選手権試合/5分5R>
アレッシャンドリ・カピタォン・アルメイダ(ブラジル)
Def.3-0:48-47.48-47.48-47
ランス・パーマー(米国)

前に出て左ストレートを伸ばすパーマー。長身&リーチの長いカピタォンに対し距離を取って戦う。右ハイを見せたカピタォン、パーマーはブロックして組みにいくと即テイクダウンに成功する。カピタォンは三角絞めを仕掛け、チャンピオンのスラムにも足を取りに行きスクランブルからスタンドに戻る。飛び込んできたカピタォンに左を入れるパーマーだが、カピタォンは胸を叩いて「来い、来い」とアピール。これが強がりでなく、本当に圧力を感じていないならチャンピオンにとって、この試合はタフな戦いになる。

と、直後にヒザ蹴りを見せたカピタォンからテイクダウンを奪ったパーマーがマウントを奪いに。カピタォンは足を戻しクローズドガードからエルボーを頭部に入れていく。パーマーはガードのなかで自由に動けないがポイントは取った。

2R、カピタォンは右前蹴りを繰り出し、パーマーの左ローに右ストレートを合わせる。続くカピタォンのローをキャッチしたパーマーだがテイクダウンを奪えず、逆に払い腰で宙に浮かされる。カピタォンはシングルレッグからボディロック狙いで、王者をケージに押し込む。残り3分を切り、ブレイクで両者が分けられる。パーマーは手をマットについてカポエイラ的キック。腰に手をやって「何をやっているんだ」という表情のカピタォンは、テイクダウンを奪われてもすぐに立ち上がる。

ポイントこそ取られても、ペースは譲り切らないカピタォンがワンツーからミドルを狙う。パーマーは蹴り足をキャッチしたがテイクダウンできずに離れると、左フック。直後に顔面を蹴りに来た足をキャッチしてテイクダウンに成功したが、ここもカピタォンがバックを譲りつつ立ち上がってキムラロックから離れた。

3R、パーマーの左ミドルに右を返そうとするカピタォン。チャンピオンはジャブがない。それでもワンツーのツー=左フックをヒットする。さらに左ローからダッキングを見せて離れたパーマーは、カピタォンの右フックにドンピシャのタイミングでダブルレッグを合わせる。と、カピタォンは右ワキを差し右足を引いて倒れない。

自ら離れたパーマーはカピタォンの右ストレートを被弾しながらダブルレッグでテイクダウンしたが、ここもトップキープはできない。思ったように攻めることができないパーマーは右ストレートを受け距離を取り直す。左フックにも右を返され回るようになったパーマー、ここで3Rが終了。テイクダウンはとっているが、打撃では明らかに劣勢でどのようにジャッジが判断したか。

4R、パーマーの左フックに左フックを返したカピタォンが、続いて右ストレートをヒットさせる。右ショートフックも被弾し距離を詰めることができないパーマーは、レンジの外から大振りの左フックに頼る様に。それでも組んで、左手はオーバーフックから腰をコントロールしてテイクダウンに成功。そのままマウントへ。腰を捻り、エビからハーフ戻したカピタォンだが、あの形でテイクダウンを決めたパーマーが気持ちで圧し始めたか。

クローズドに戻したカピタォンに細かいパンチを落とすパーマーは、左腕を搾られても焦らトップキープ。このラウンドを取ったのは大きいだろう。

最終回、左ボディストレートを伸ばしたパーマー。カピタォンは右ストレートを伸ばしたが、前のラウンドのガードワークでスタミナを消耗したか。続くカピタォンの右ストレートにダブルレッグを合わせたパーマーは、スクランブルでもギロチンからがぶりと本来の動きを取り戻す。離れた両者、左ストレートからカピタォンの右足を取ったパーマーがダブルに移行してテイクダウンを決める。粘りがなくなったカピタォンにハーフから勢いのあるパンチを入れるバーマーは、隙間を与えてスクランブルからバックコントロール。立ち上がって離れた時には、カピタォンが明らかに肩で息をしている。

残り1分、左腕の差し上げるまでに至らない差し上げテイクダウンを決めたチャンピオン。カピタォンは完全に失速し、このまま自分の形でパーマーはトップをキープしタイムアップを迎えた。

しかし、驚くべきことにジャッジは3者揃ってカピタォンに48-47を付けるという結果でタイトルが移動。レスラーが思うように戦えないと、尻餅をラウンド中に2度奪っても1発や2発、ヒットでなくタッチしたパンチにポイントをリードを許すということか。この展開で1Rと2Rがカピタォンのラウンドになっているようなら、MMAはキックボクシングをすれば良くなってくる。テイクダウン防御は防御でなく、そこの評価が異様に高まるのは「打撃で戦いなさい」というジャッジ陣の示威行為となってしまうだろう。

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