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【OFC09】OFC初陣、漆谷康宏。「OFC出場はベストの選択」

2013.05.27

Urushi

【写真】アジア・デビュー直前となった漆谷康宏。そのセンスの良さは誰もが知るところだけに、体力で勝るフィリピン人ファイターの圧力を利用するウルシ・スタイルを見せてほしい。何気にファブリシオ・ベルドゥムとソックリかも――(C)MMAPLANET

31日(金・現地時間)にフィリピン、マニラのSMモール・オブ・エイジア・アリーナで開催されるOFC09「RISE TO POWER」で、OFCデビューを飾る漆谷康宏。

日本を代表する56キロのファイターは、その間合いのコントロールとカウンターの妙技で世界の頂点を目指していたが、強豪揃いのUFCで2連敗。よもやのリリースとなってしまった。失意の漆谷にオファーを出したOFC、今回マニラ大会で地元フィリピン人ファイターのレイ・ドーヨーゲンと再起を賭けた戦いに臨む漆谷のインタビューをお届けしたい。

――今回、OFCデビュー戦を迎える漆谷選手ですが、UFCをリリースされた時は精神的にも厳しかったのではないですか。

「落ち込みましたね……。あの時は試合から1カ月経ってリリースっていうのがなかったので、『多分、大丈夫じゃない』っていう雰囲気だったんです。ショーン・シェルビーも『凄く良い試合だったから、次の試合頑張って』という風に言ってくれていたそうなんですけど、でも絶対はないからという感じで……。

だから次に向けて、気持ちも新たにやっていこうと長南(亮)のトライブ・トーキョー・MMAに移籍して練習もしっかりとやっていたんですけどね。だから、落ち込みましたよ」

――UFCに行く前の漆谷選手だと、正直、格闘技に関して落ち込むほど直向きだったという風に見えていなかったのですが……。

「ソレッ、どういうことですか(笑)。そういう言い方、本当に止めてもらえませんか(笑)。UFCをリリースされたこともそうですが、2連敗したってことも堪えていました。初めてのことだったし、大丈夫だったと思っていた相手に負けてしまって。自分のレベルは上がっているという感覚があったのに連敗してしまった。自分への信頼感を失いかけていました。そこでUFCという目標を失うことは、確かに厳しかったです」

――日本で戦うという選択肢もありましたか。

「ありました。正直なところ日本で戦うことにモチベーションはそれほどなかったのですが、食っていかないといけないですし。リリースされてから1週間もしないうちに、直接マット・ヒューム(OFC副社長)からFacebookに連絡があったんです。日本のプロモーションも声を掛けてくれていたので、気持ち的には持ち直すことができました。

とにかくフライ級は選択肢が限られているので、そのなかでフライ級の層が厚いアジアで、OFCはベストの選択ではなかったかと思っています」

――OFCはBJ選手が先に戦ってきた場所です。

「そこの戦いから抜け出したと思っていたら、またかってとこですよね。国内で戦っていても次のチャンスがないかもしれない。そういう部分で、BJだろうがOFCの求める相手と戦っていくつもりです。ただ、よくよく考えるとOFCと契約すると、勝っている限りOFCで戦うことになるんですよね」

――負けると、北米復帰の道もない。そういうパラドックスを抱えることになりますが、今年で37歳になる日本人ファイターの選択としては、漆谷選手が言われたようにベストになるのだろうと。

「OFC専属になるかも――とは後から気付いたんですが、そんなことはもう言っていられないです。試合をして勝つことが大切で」

――ではOFCというイベントに関して、どのような印象を持っていましたか。

「良いイベントで勢いもあると思うのですが、アンダーカードとかは、まだまだという選手が多いのは事実ですよね」

――そんな東南アジアではフィリピン人ファイターがやや抜きんでている感じもするのですが、対戦相手のレイ・ドーヨーゲンに関して、どのような印象を持っていますか。

「フィリピン人ファイターは、体幹の強さなんかで今まで戦ってきた選手とは、違う反応がありそうです。メチャクチャっていうと、表現方法は悪いんでしょうけど、そこが怖いというのはあります。ドーヨーゲンは……、BJと良い試合をしていましたよね。

う~ん、1Rなんかは打撃でBJがプレッシャーを掛けられていましたね。ただ、組むと簡単にテイクダウンされていたし……。まぁ、見ているのと戦うのは違うんでしょうけど」

<この項、続く>

■OFC 09対戦カード

<OFC世界フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者]ホノリオ・ナバリオ(フィリピン)
[挑戦者]大石幸史(日本)

<OFC暫定世界バンタム級王座決定戦/5分5R>
ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)
岡嵜康悦(米国)

<バンタム級GP決勝/5分3R>
ケビン・ベリンゴン(フィリピン)
上田将勝(日本)

<ライト級/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
カメル・シャロウス(米国)

<ミドル級/5分3R>
フィル・バローニ(米国)
鈴木信達(日本)

<ライト級/5分3R>
ローウェン・タイナネス(米国)
フェリペ・エノモト(スイス)

<ヘビー級/5分3R>
ティム・シルビア(米国)
トニー・ジョンソンJr(米国)

<フライ級/5分3R>
レイ・ヨードーゲン(フィリピン)
漆谷康宏(日本)

<バンタム級/5分3R>
ライアン・ディアス(米国)
ユサップ・サーデュラエフ(ロシア)

<フライ級/5分3R>
ゲヘ・エウスタキーオ(フィリピン)
アンドリュー・レオーネ(米国)

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