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【PXC37】バンタム級王座挑戦、田中路教(02)「意識の違い」

Michinori Tanaka

【写真】自然と体重も落ちているという田中。2度目のフィリピン、3度目の金網&ユニファイドルールでベルト戴冠なるか(C)MMAPLANET

18日(土・現地時間)、フィリピンはマニラのイナレス・スポーツセンターで行われるPXC37 で、田中路教がクリサント・ピットピットンゲの持つPXCバンタム級王座に挑戦する。

チーム・アルファメールでの出稽古を終え、MMAに対して意識が変わったという田中。その変化とは、また最も感じた米国と日本の違いは何だったのか。田中路教インタビュー、後編をお届けします。

<田中路教インタビュー、前編はコチラから>

――田中選手が、そんな風に思えること自体、充実の時をサクラメントで過ごしたということですね。

「寝技でアルファメールの選手から取るのは難しい。柔術のコーチで、アルバカーキっていう黒帯がいるんですけど、5分間で3本ぐらい取られてしまいます。半端なく強くて、3本取られた挙句に『お前は良いディフェンスしているな』って言われて……。ショックでしたね(苦笑)。

クリス・ホールズワースの寝技も本当に凄いです。バックを取られると、そのキープ力はもう……。前に落すこともできなかった」

――アルファメール盛況の立役者ユライア・フェイバーの名前がなかなか出てこないですね。

「ユライアは一番良くしてくれました。練習でも受けているような感じで、大人でした。まぁ、チャドとユライアがガチガチにやりあうと危ないでしょうからね(笑)。基本的に2部練、3部練とずっと練習していました」

――同じ時期に日本人選手も一緒だったと伺っています。

「ハイ、ウィッキー(聡生)さんは3カ月向こうにいるみたいで、今もサクラメントで練習を続けています。僕の1週間前に石原夜叉坊と中村優作さんが行っていて、夜叉坊と勇作さんは一緒に寝起きしていました」

――学ぶべき点が多かったようですが、日本に最も持ち帰りたかったモノは何でしょうか。

「やっぱりレスリングとスイッチの打撃、両手両足全て使う打撃ですね。持ち帰ってきたモノを伝えたいので、僕の主導でグランドスラムでは木曜日の夜にアルファメール流の打撃、日曜日の朝にレスリングの練習をやらせてもらっています。最近、宇野さんもレスリングの方に来てもらえるようになり嬉しいです。

以前は左のキック自体、自分から使おうと思っていなかったし、アルファメールで練習してから使うようにしていたら、左のハイキックとかも打てるようになってきました。こういうのは咄嗟の時、試合で出るんじゃないかと思います」

――アルファメールで学んだことは、将来のため? それとも次のタイトル戦でも生かせますか。

「次の試合で使うということは考えていないです。もっと先ですね。いきなり学んだことを出そうとしても、普段の自分ではなくなってしまうので。普段の自分は崩さずに、自然に出るようなら使うという感じです」

――田中選手のキャリアのなかでPXCのチャンピオンシップとはどのような位置づけになりますか。

「位置づけですか……。そうですね、正直なところ目指しているところが目指しているところなので、言ってしまえば通過点といえば通過点になります。何といっても、キャリア5戦で仕事を持って練習している相手に負けていれば、この先は無いという気持ちでいます。まぁ、仕事をしているのは僕も同じなんですが(笑)」

――フィリピン人ファイターの持つベルトに、マニラで挑戦することは、これまで以上にアウェイ感を感じるファイトになりそうです。

「ハハハ。アウェイでしょうね。でも、そこは全く関係ないです。飛行機の都合で6日前に現地入りすることになったので、もう少し日本にいたかったですね。食べ物とか、やっぱり日本に入る方が楽なので。

米国から帰ってきて、食べる物とかも気を付けるようになったので、レンジで温めることができるご飯を持ちこもうと思います。炊飯器までは持っていかないですが……、でも持っていけるなら持っていきたいですね。

とにかく絶対に負けられない戦いです。ユライアがAlpha Male Japanってロゴを作ってくれたので、それをショーツに貼って戦います。ユライアは本当に良くしてくれました。ご飯にも連れていってくれたり……。もちろん、グランドスラムで自分は強くなっていくつもりですが、アルファメールにはこの先、何度も練習に行くことになると思います」

――色々と米国で感じ入るモノがあったということですね。

「環境もそうですが、意識の違いですね。皆、本気でUFCのチャンピオンを目指しています。本気で目指しているから、あれだけの練習ができる。アマチュアの選手からスポンサーがついていて。レスリングとか下地のある者が、コーチの下で3部練を毎日のようにこなしている。この意識の違いを感じたので、僕もその感覚の方に自分を慣らしていかなければならないと思います。

戻って来てからも練習量を増やしましたし、休まない方が調子も良くて。練習を続けている方がケガも少ないんじゃないかって。ケガなく、ハードな練習を重ねる。それぐらいでないと、追いつくのは無理だと思います」

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