【UFC159】ヒーリー×ミラー、楽しみな金網レス&スクランブル
【写真】パット・ヒーリーはこの状態から腰をコントロールするのが、実に巧妙だ。ただし、爆発力とスピードではジム・ミラーが上と予想され、手に汗握るスクランブル戦が展開されそうだ(C)GONGKAKUTOGI
27日(土・現地時間)、ニュージャージー州ニューアークのプルデンシャル・センターで行われるUFC159「Jones vs Sonnen」。ミドル級勢の出場が本格化していない今、ストライクフォース勢の参入により、一際戦い模様が厳しくなったのが、ウェルター級とライト級だ。
ウェルター級では若きベテランのロビー・ローラーとチャレンジャーズ育ちの生え抜きタイロン・ウッドリーが、TKO勝ちの衝撃的なデビューを飾った。一方、鉄人二世ライアン・クートゥアーは最高峰の戦いの厳しさを肌で知ることとなったが、20日のFOXサンノゼ大会で王者ベンソン・ヘンダーソンと互角に戦ったギルバート・メレンデス、ネイト・ディアスをKOしたジョシュ・トムソン、ティム・ミーンズをテイクダウンでポイントアウトしたホルヘ・マスヴィダルと、確かな存在感を旧ストライクフォース勢はUFCライト級戦線で示している。
そんなストライクフォース・ライト級戦線で、最後のチャレンジャーに浮上しながら、メレンデスの負傷により挑戦の機会を失ったままUFCに移ることとなったのが、今大会でジム・ミラーと対戦するパット・ヒーリーだ。
ともに29歳、40日違いで年長のヒーリーは、29勝16敗とUFCファイターとしては敗戦が非常に多いファイターだが、ライト級転向後は8勝1敗でストライクフォースでも7勝1敗で6連勝中、1敗もトムソンを相手に2Rまで優勢に試合を進めながら、最終回にRNCで逆転負けを喫したというものだ。
長いリーチを生かしたクリンチからやダブルレッグダイブからのテイクダウンを得意として、トップコントロールやバック奪取にも優れている。昨年7月に廣田瑞人に勝利しメレンデスへの挑戦権を獲得も、王者の負傷欠場でタイトルショットが流れたまま、UFC入りとなった。一方、ミラーは既にUFCトップ戦線で活躍してきた実績のあるファイターだが、昨年5月にネイトとの挑戦者決定戦に敗れたものの、年末にはジョー・ローゾンを下して復活を果たしている。
両者ともテイクダウンに柔術を合せたグラップラーだが、長身でリーチの長いヒーリーに対し、ミラーは背が低くリーチも長くない。またミラーはサウスポーのため、オーソのヒーリーは前足がキャッチしやすいか。いずれにせよ、ミラーは打撃を振るいながら懐に跳びこむ必要があり、その間合いに入る必要がある。そこはスピードで上回るミラーだけに接近戦に持ち込むことは難しくないだろうが、ケージに詰まっては肩に担ぎ上げる方法でないと、なかなかテイクダウンに持ち込むことは難しいだろう。
まちがってもテイクダウンの距離が合わず、安易に引き込むようなことがあれば、潜りからスイープを得意としているミラーでも、分は悪くなってくる。ケージを背にしたときの巧みなスイッチを同様に、ヒーリーは尻餅をついたところからダブルやシングルで返すリバーサルも得意としている。いずれにせよ、手に汗握るスクランブルの攻防が見られそうな一戦。組み合いになる前に、打撃で削れたファイターが有利になる。
■UFC159対戦カード
<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
ジョン・ジョーンズ(米国)
チェール・ソネン(米国)
<ミドル級/5分3R>
マイケル・ビスピン(英国)
アラン・ベルチャー(米国)
<ヘビー級/5分3R>
ロイ・ネルソン(米国)
シーク・コンゴ(フランス)
<ライトヘビー級/5分3R>
フィル・デイビス(米国)
ヴィニシウス・マガリャエス(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
ジム・ミラー(米国)
パット・ヒーリー(米国)
<バンタム級/5分3R>
ブライアン・キャラウェイ(米国)
ジョニー・ベッドフォード(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
ジャン・ヴィランテ(米国)
オヴァンス・サンプレー(ハイチ)
<女子バンタム級/5分3R>
サラ・マクマン(米国)
シーラ・ガフ(ドイツ)
<ライト級/5分3R>
ルスタン・ハビロフ(ロシア)
ヤンシー・メデイロス(米国)
<フェザー級/5分3R>
レオナルド・ガルシア(米国)
コーディ・マッケンジー(米国)
<ウェルター級/5分3R>
ニック・カトーネ(米国)
ジェイムズ・ヘッド(米国)
<ウェルター級/5分3R>
スティーブン・サイラー(米国)
カート・ホロボウ(米国)